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創られた世界に破壊を込めて  作者: マサト
体育祭

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決勝会 Ⅵ

 星乃零が行ったことは簡単だった。朝比奈彰人が繰り出した超級魔術の【ストーム・ファング】が直撃する寸前に【座標転移】でその場から離脱、そして攻撃を放った後を狙い死角から強襲、そして蹴り上げによる一撃をお見舞いしたのだった‥‥

 この決勝会での勝利ポイントは相手の意表を突けるか、強襲に対して柔軟に対応できるか、そしてチームメンバーが誰1人として戦闘不能にならないかである。すでにほとんどのチームは地に伏せ意識を失っており決勝会が終わるまでは目を覚まさないだろう‥‥。対して第3Xはこれらにおいて詠唱術を使用するほかのチームと異なり無詠唱術を使用し相手よりも早く術を放ち自身たちが持つ攻撃・防御・支援系の術を状況に応じて使用し、強襲に対しては緊張しながらもなんとか対応が出来ていた。

 現在第3Xの9人は相手チーム第17Aに追いつめられていた。小笠原陽彩・星宮香蓮・大和里見。柏木理沙・柳寧音・山影実憂。朝比奈莉羅・水河瑠璃。そして影山優美がそれぞれ第17Aとの攻防を行っていた。これまで何とか防御結界や攻撃術を放ちながら距離を一定の距離まで離していたり、占星術・奏音術の支援効果を付与しているおかげで相手の繰り出してくる素早い攻撃術に対して何とか目視で確認しながら紙一重で躱すことや防御結界を展開したりと何とか対処しすることが出来ていた。だが相手から放たれる攻撃術はどれ1つも直撃すればただでは済まないほどの高威力であり先ほど数名が疲労や魔力の消費による体力・精神消耗による影響で直撃してしまっていた。幸いなんとか事前に幻陽術【護符:影纏い】を付与していたおかげで威力は抑えきったため意識を保っているが次同じような攻撃を繰り出されれば今度こそ意識を狩り取られてしまうだろう‥‥‥とそれぞれ思っている所に近くで大きな爆発音が響いたのだった。そしてしばらくしたらその爆発音が終わりそれと同時に吹き荒れていた砂ぼこりが止むとそこにいたのは地に伏せている影山優美とそれを見下ろす安藤小夜であった。そして小夜は実憂の目の前まで行きそのまま屈んだ。そして次の瞬間には懐から取り出した短剣で優美の頭部めがけて振り下ろしていた。思わず実憂は優美の名前を叫んだがそれでどうにかなる状況ではなかった‥‥。優美も躱す動作を行える体力が残っていないのか為すがままの状態であった‥‥もし躱す動作が行えてもすでに振り下ろされた短剣から頭部までの距離は数十センチほどであった。9人の誰かが今から術を放ち短剣、もしくは小夜めがけて攻撃しようにも明らかに短剣を振り下ろす小夜の方が早い。だからどうすることも出来なかった‥‥‥。


 私こと安藤小夜は体育祭や決勝会などどうでも良く目的さえ果たせれば後は棄権するつもりでいた。その目的は影山優美を殺すことである。彼女は1年前にこの手で殺した。だがどういうわけかあの時の第7術科女学院に現れた謎の怪物が消滅した後に1人の男子生徒の手により再び生を得たのだった。だがそれでは彼女にとっては都合が悪く、もし影山優美が自身を殺したのが彼女だと世間に告げられたら間違いなくあの一族に大きな悪影響が出てしまいそして安藤家は破滅を迎えてしまう。それに優美が生き返った後に気付いたのだが1年前に動画撮影していた突き落とす瞬間までの前後の記録がどういうわけかスマホのファイルから完全に消えておりいくら探してもどこにもなかったのだった‥‥。そこで取った行動は他校の生徒たちに第7術科女学院の学年代表として影山優美が生き返ったことを良くないという出鱈目な言葉を訴えかけるように言う事で次々と納得していき最終的には全ての生徒が私の言う言葉が本当だと理解してくれた。そして全ての生徒たちと【魔力接合】することで通常では出せないような階級、超級魔術の【インフェルノ・ブラスター】を影山優美めがけて放ったのだった。学生600人以上が魔力接合した一撃は誰であろうと防ぐことは出来ない、だからこれで再び死へと送り返せる‥‥そう思っていたのに、その少年が前に出てきた次の瞬間には迫り来る超級魔術は弾けて消え去ったのだった‥‥。訳が分からなかった。どうしてああも容易く超級魔術を指を鳴らすだけで消せたのか、そして‥‥どうしてそんな見下すような目で私を見てくるの……。

 星乃零‥‥弱いくせに、無能のくせに、誰からも必要とされないくせに‥‥。私の方が貴方よりも多くのものを持っているのに。

 ‥‥認めない。私は貴方の強さを認めない。優美を殺したら次は貴方を私の手で殺す!!

 

 短剣を優美の頭部に刺す直前までそう思っていた。ここまで深く思っていたからこそ、目の前にいる優美を殺すことだけを考えていたこそ彼女は気付けなかった。

 振り下ろされた短剣が優美の頭部に僅かに触れた瞬間、気付いた時には十数メートルも吹き飛ばされていたのであった。そして痛みと共に優美の方を見ると傍には今までこの場にいなかった人物がいたのであった。その人物こそが影山優美を殺した後に殺そうと思っていた星乃零であった。


 星乃零は安藤小夜が短剣を影山優美の頭部に振り下ろされ僅かに触れた瞬間、安藤小夜にとび膝蹴りを躊躇なくお見舞いしそのまま吹き飛ばされていくのだった‥‥。そしてその数秒後には再び小夜が戻って来てそのままの勢いで手に持っている魔武器が零に迫るのだった。魔武器には雷を纏った突き攻撃【ライトニング・ランス】が発動しており直撃すれば肉体に電流が流れ込みそのまま意識を失う事だろう。そして零がとった行動は防御結界で防いだり回避したりではなかった。ではどうしたか、簡単である。迫り来る魔武器を片手で止めたのだった。だが雷を纏っている魔武器には相手の肉体に電流を流すことも可能であり受け止められたことに動じたがすぐさま魔武器に纏っている雷を零の片手から全身に流し込むように意識を集中した。これで間違いなく感電し意識を失う事は間違いなだろう‥‥そう思い込んでいた。

 「…‥‥‥で、いつまで待てばいいの?」

 数秒経っても感電している様子がなかった。それどころか流している電流を魔武器を受け止めている反対の手に収束していた。そして

 「じゃあ、返すよ。【プラズマ・フィスト】」

 アッパーで繰り出された拳闘術は小夜の腹部に直撃しそのまま宙を浮いてそのまま落下していった‥‥。

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