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創られた世界に破壊を込めて  作者: マサト
体育祭

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182/348

決勝会 Ⅰ

 決勝会のルールと優勝条件は以下のようになる

 1.スタジアム内は森のフィールドとなっておりフィールドのどこかに存在している宝を手にしていたチームが優勝とする。

 2.宝を手に入れた瞬間に決勝会は終了せず、一定時間宝を守りきればその時点でそのチームが優勝となる。

 3.術の使用制限はないが選手を死に追いやるような強力な術の使用は認められない。

 4.出場選手は全員参加とし、戦闘不能となったその時点で脱落とする。

 5.制限時間は60分、宝を手に出来ず60分過ぎた場合は宝の場所との距離が最も近かったチームを優勝とみなす。

 この決勝会は簡単に言えば宝探しで、他チームよりも早く宝を見つけその後は一定時間が経つまで他チームからひたすら防衛を行う‥‥という事となっている。そして第3Xと第17A以外の他チームは全て第1術科学園でありそしてその校長の一ノ瀬博之は何かしらの仕掛けをこの決勝会に用意している事だろう。そして彼はこの決勝会で何かしらの実験披露を行うらしい。そしてその実験内容はおそらく術科強化薬剤:パンドラを使用した実験だろうが結局その詳細については分からなかった。

 その詳細はおそらく誰かが、日本平和総光会の誰かが持っている可能性が高かった。が、その者たちについての情報はなく以前文化祭後にティアとグレンが拘束した1人の女性研究員を問い詰めたことがあるがその者は大した情報を持っておらず、そして最後の発言により敵とみなしそのまま始末した。その後は始末した女性の肉体から離れた魂を拘束、今度はその魂に苦しむほどの痛みを与えたがそれでもロクな情報を吐かなかったためその魂をアサヒ、マヒル、ヨヅキに喰わせその女性は完全に跡形もなく消滅するのであった‥‥。

 まぁ、だからといって俺がやることは変わらない。今回の俺の役目はある1チームの足止め役で他の9人で目的の宝を見つけ出しそして他チームから奪われないよう防衛に徹してもらう。

 そして俺はこの足止めと同時進行であるチームについて調べなければいけない‥‥。


 決勝会開始の合図が森フィールドに響き渡った。フィールドの大きさは野球ドーム4個分の広さで各チームのスタート地点はあらかじめ数百メートルほどの間隔が空いているためいきなり戦闘とはならないようになっている。第3Xチームはスタートの合図と同時に星乃零は【座標転移】で目的地へと向かったためすでに9人となっていた。辺りは木々が多くあることで視界が狭く道幅も横並びで4人ほどしか並べないほど狭く死角からの強襲がいつ来るのか分からなかった。こんな時彼がいれば‥‥と誰もが思っていたがスタート前に「まぁ今の貴方たちならよほどのことがない限りは大丈夫だと思うよ」と言っていた。彼は常人離れした強さを持っている。それは魔族の国や第7術科女学院、そしてこの体育祭本戦会でその強さを目の当りしたから言えることだ。そんな彼が、大丈夫。というのだから不思議と大丈夫かもしれないと思えるのであった。

 そう思いながら歩いていると少し開けた場所へと出るのであった。そこは木々があまりなくその場所は視界が開いており死角からの強襲をされてもすぐに対応できるような場所であった。だが不思議と違和感を覚えるのは気のせいだろうか‥‥。そんなことは知らずに9人は開けた場所の先にある道を進むために進んでいきそしてその場所を半分ほど進んだところで

 「‥‥むにゃ?」

 「? どうしたの寧音?」

 「‥‥‥‥‥‥嵌められた、かも‥‥」

 「えっ?」と柏木理沙が答える前に四方向から魔術による攻撃が降り注いできた。そして対応に間に合わずそのまま着弾したのであった‥‥。だがこれがもし詠唱による防御結界を展開していれば間に合わず全滅していた可能性があっただろうが、何とか間に合い無詠唱で防御結界を展開していたため相手チームによる強襲は失敗に終わり、第3Xは全員無傷であった。

 「くそっ! あともうちょっとで上手くいったってのによ!」

 「それにあれが無詠唱なんでしょ? あれはこの国の法則から逸脱した欠陥術なんでしょ。だからさっきのはまぐれで防いだだけだよ」

 「それに噂で聞いたけど無詠唱術ってのは何でも亜人族や魔族が使うようなものなんだろ。だったら俺たち人間の使う詠唱術がそんな術より強いに決まっているだろ」

 そんなことを言い合っている第11Aの者たちであった。と

 「‥‥おや、そういえばそちらにいるはずの星乃零さんが見当たりませんね。先の本戦会でのリベンジ戦をしたかったのですけど‥‥」

 雨宮宗がキョロキョロと星乃零を探すのであった。だがいくら探しても見つからなかった。

 「‥‥まぁそのうち現れるでしょう。それまで貴方たちに私たち本来の戦い方である戦術指揮による集団戦闘をお披露目しましょう」

 第11Aの9人が雨宮宗の指示に従いながら第3Xの9人に攻撃術を撃ち放つのであった。


 「流石は生徒会長です。宝のありかを見つけ出すなんて」

 「まだそこにあるとは限らない」そう言いながら朝比奈彰人率いる第31Aは歩みを進めるのであった。彼らは宝のありかを彼らなりに推測を立てたのであった。第31Aのスタート地点は見晴らしのいい数十メートルもある岩場から始まりまずどこに宝があるのか辺りを見渡した。すると違和感に気付いた。開けたような場所がここから数か所見えたのだ。しかもその場所には僅かだが矢印のような形をしており矢印が示す場所にはそれぞれ多くの木々に囲まれており中が見えない状態となっていた。そしてその箇所が3つほどあるのであった。だがその箇所は線で結ぶとまるで三角形のような形となることに気付き、そしてその三角形となる真ん中に宝がある可能性があると推測するのであった。

 そして第31Aはその場所へと向かっていたのであった。

 「それにしても俺たち運が良いよな。これも日頃の授業についているおかげかな?」

 「それもそうだけど、俺たちは第1術科学園の選ばれた選手だぜ。こうなることは始めから決まっていたんだよ」

 「そうそう、それにこのチームには会長がいるし」

 「会長は頭が切れるし、成績も常に1位、それにプロ顔負けの実力、そして何よりこの国を守るために存在している日ノ本十二大族の朝比奈家だぜ。負ける理由なんて1つもないな」

 「でも俺達だってちゃんと鍛錬して今ではこうして同じチームとして行動出来ているわけだしな」

 等と決勝会にも関わらずペラペラと喋るのであった。

 「あっ、そういえば俺達第3Xの無能と会ったんだけどよ、あいつ決勝会前だっていうのに呑気に昼飯食ってたんだぜ。だから俺は先輩としてガツンと言ってやったんだぜ。痛い目に遭いたくなければすぐにでも辞退するんだなって」

 「言ってた言ってた」「アイツ確かビビってたよね」「やっぱり無能だよアイツは」と笑いながら話しているのであった。そんなやり取りを彰人は黙って聞いているのであった‥‥。

 「くぅー! 俺ってやっぱ優しいわー! あんな無能に対して人生の先輩としての優しさで言ってやったからきっと今頃この決勝会に出ないで会場のどこかで仲間の応援でもしているんだろうなー!」

 そうして開けた場所へ出るのであった。

 「そうそう、あんたは優しいんだからきっとそうしているよ」

 「もしかしたら内心出なくて良かったーって思っているかもね」

 「会場のどこかで昼飯でも食べてんじゃない? 意外と大盛りの白御飯でも食べてんじゃない?」

 「()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 「あははは、そうだったのかーー! もっとたくさん食べろよーー」

 一瞬だった。会話の違和感に誰かが気付いた時にはすでに第31Aの1人である大男のような生徒が尋常ではない速度で顔を地面に叩き伏せられていた‥‥。

 「‥‥さっきのおにぎりの仇だ」

 そう大男の生徒に言うが反応はなかった。何故ならすでに意識を失い戦闘不能となっていたのだから‥‥


 「前方に他チームが接近中…」

 「よし、手はず通り全員がこの場所に入った瞬間に一斉に強襲をかけるぞ」

 第21Bはタイミングを見計らい強襲を行おうとしていた。そこは開けた場所ではなく木々が多く視界が狭い場所であり道幅も狭い所であった。本来なら開けた場所で攻撃を行えばいいのだが彼らはいくつものの可能性を考えていた。開けた場所で戦えばもしかしたら意表を突かれそのまま戦闘不能になってしまったり、もしかしたら自分たちが予想していたよりもそのチームは実は強く手も足も出なかった‥‥等々を開始前にいくつも考えていた。だから第21Bが取った行動はあえて視界が狭く木々が沢山あり死角が多いこの場所で他チームが来るのを幻陽術で身を隠しじっと待っていた。そしてようやく1チームが近くまで来たのであった。そして2チームの距離はすでに十メートルを切っていた。

 そして3メートル、2メートル、1メートル‥‥目標の地点にそのチームが入ったところを茂みや木々の上に隠れていた選手たちが一斉に飛び出して魔術や剣術、拳闘術で攻撃を仕掛けたのだった。死角からの強襲のタイミングは完璧、威力も一撃で戦闘不能にするのには十分、対応に遅れているのか相手チームは防御態勢を取れていない。まさに文句なしの動きだった。そしてその場一帯に大きな音が鳴り響くのだった。本来であればこれでこの1チーム全員は戦闘不能となりこの決勝会から辞退する‥‥そのはずだった。

 「なっ!? ば、馬鹿な! 無傷、だと!!」

 第21Bのリーダーはそう驚くのであった。何故なら一撃で倒れるはずであった多数の攻撃術に対してそのチームは全く動じておらず防御結界を展開していなかったにも関わらず体には1つも傷すら負ってもいない、そして何より笑みを浮かべていた。強力な攻撃をいくつも受けていたのにまるで痛みを感じていないように、何も良いことがあったかのような笑みを浮かべていた。だがそれを見ている第21Bの選手たちはその笑みが狂気以上のように見えた。

 「‥‥それじゃあ‥‥今度は‥‥こっちの番だよぉぉぉぉぉ!!」

 人が、術者が出せないような速度でそのチーム…第17Aの10人が攻撃後の第21Bに一斉攻撃を仕掛けたのであった‥‥‥。

 

 

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 大体1分ぐらいで見終われるように書いております。  内容次第では少し長くなります。
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