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創られた世界に破壊を込めて  作者: マサト
体育祭

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女子大生人売会 Ⅰ

 井手修斗から昨日から帰って来ない娘を一緒に捜索することに決めた俺は店を出た後泊まっているホテルへと帰った。井手修斗はというとこの後も勤務が続くため戻るのであった。支払いに関しては「私が払いますよ。依頼を受けて頂けるのですからこれくらいはさせてください‥‥それに、私の方が年上ですから年下の星乃さんが支払う必要はないのですよ」と言いながら料理代を支払うのであった。ちなみにどうして彼が俺の電話番号を知っているのかというと、5月に起きた魔族襲来事件後以降ある理由‥‥まぁ、探偵事務所絡みがきっかけで何度も何度も会うので何かの縁という事で連絡先を交換したのであった。なお、四季有紗も彼の連絡先を知っているのである。

 そしてジュダルが泊っている部屋へと向かった。仕事休憩中にこの件に関することのおおよそを調べている事だろう。例えるなら絵描きが休憩中に絵を描くのと同じのようなものである。そして案の定‥‥

 「ほれ、これじゃろ。明日この場所でこういう会が行われると情報があってのぉ‥‥」

 渡された書類の始めである1枚の紙にはこう書かれていた。

 『女子大生人売会』と。

 その内容はただ単純で攫ってきた女子大生を商品物として扱いそして買い取り手が購入を決めればその彼女は奴隷、もしくは性奴隷となりもう2度と日の光を見ることなく死ぬまで永遠にその者の所有物となる。そしてその少女にご家族がいればその連絡先にその会の関係者はこう告げる。『お子さんの件ですがエネミー事件に巻き込まれて命を落としました。ご冥福をお祈りします…』などと嘘出鱈目なことを役者として演じているように言うのであった。そしてこの会は数年前から存在しており今日までにこのような高額収入バイトに行った女子大生が無事に帰ってきたところは今のところ0である。

 女子大生を攫う手順として、その会の関係者がネット上にて高額収入バイト内容に目に留まった女子大生を1日だけのアルバイトとしてその場所で働いてもらい、その帰り道に闇バイトとして雇った者たちを使い人通りが少ない場所にて用意したワゴン車に強引に乗せて指定された場所へと連れてくることである。そしてその者に口止め料、情報漏洩防止料として大金を渡し、関係を切る。ただし今後も続けたいのならば他の友人にも声を掛けるようにと告げているらしい。

 ‥‥という内容がこの書類に書かれているのであった。

 「‥‥‥なぁ、もしかしなくてもジュダルはこういう事になると始めから分かって俺を向かわせたのか?」

 「‥‥そうじゃ‥‥と言ったら?」

 「そういうことは早めに教えて欲しかった」

 「仕方なかろう。何せこの会は毎回行われるものではなく不定期で行われる、つまり、一定数の女子大生が揃わなければ必ず開催されないのじゃ。月に1回だったり、数か月に1回だったり‥‥とバラバラ、しかも開催地が決まった場所で行われないときたものじゃからのぉ‥‥その全ての場所に張り込むのはちぃっと骨が折れるからのじゃよ‥‥」

 まぁ確かにジュダルが言うにはその会場は全部で数十か所もありそれをいつ行われるのか分からない状態で張り込みし続ければさすがの俺でも参るものである。だからジュダルは確実に行われる日にちとその行われる会場を突き止めるためにあえて俺に何も言わなかったかもしれない。‥‥それでもやっぱり一言でも良いから言って欲しかったという事が本音である。

 「‥‥そう言えばお主、術者警備隊の者からその依頼ごとを受け取ったそうじゃな」

 「あぁ、何でも術者警備署でも警察署でもその捜査依頼を受理されてもらえなかったから俺に頼むようなことを‥‥‥‥あぁ、そうかそうか、そういうことか」

 「お主もそう思うかのぉ…」

 自身で言っていたことに引っかかりに気付いたのであった。

 「ねぇジュダル、話って‥‥あっ、ディアも居たんだ」

 そんな中のノックもなしに入ってきたのはマリーであった。彼女は先ほどまでダンスレッスンをし終えたばかりなのかジャージ姿であった。そしてなんとことなく零の隣の椅子に座るのであった。「ふむ、マリーも来たから丁度良い」とマリーを見てこう言った。

 「マリー、明日の夜に行われる女子大生人売会をディアと共に荒らしてくるのじゃ」

 その発言に対して「どうしてマリーと一緒なんだ?」と返すのだった。「マリー、お主何か気がかりがあるのじゃろ」と確信づいたことを言うのであった。「‥‥まぁどうせどこかでジュダルが聞いているとは思っていたけどね」とお手上げのようにそのまま言い続けるのであった。

 マリーが言うには何でも同じアイドルグループ『HSP』のメンバーの内数名ほど1~2歳ほど離れた姉がいるのであった。しかもその姉たちもバイトとして先日零と同じく食事交流会にいたらしくその翌日以降どうやら家に帰っていないらしく両親から何か知っていないかと聞かれたらしい。が、自分の姉がそのバイトをしていた事すら知っていなかったらしく一体どこに行ったのかと不安になっていたらしい。そんな時にマリーが声を掛けてくれたため人気のいない所でこの事を話すのであった。

 「ジュダルからの話の後に、私も丁度この事について話そうと思って来たんだけど‥‥まさかディアも関わっていたんだね。相変わらず巻き込まれ体質は伊達じゃないわね」

 「褒めてないだろ、それ」

 「そんなことどうでも良いじゃない」とさらっと受け流し続けた。

 「それより、どうして潰せじゃなくて荒らせなの? ディアと私ならその会場を潰すなんて10分もいらないわよ」

 マリーの言う通り先ほどジュダルはその会を潰せ、ではなく荒らせ。と言っていた。その意味は何なのか聞いてみたところ先ほどこの会は全国に数十か所あるらしくここを1つ潰した程度ではこの会自体を壊滅することは決して出来なく、関係者を何人何十人捕えようとも元凶であるその者を捕らえなければ意味がなければその関係者のほとんども元凶の人物の顔も名前も知らないらしい。何でも指示に関してはメールでのやり取りが主流らしく『何月何日何時何分までにこの人数の女子大生を集めろ』『この場で人売会を行え。オーナーにこの言葉を言えばそれで十分だ』と会を行うリーダー宛にそう送信していたらしい。だが送信したメールを盗み見ることが出来ているジュダルなら逆に理由して送信者の居場所が突き止めることが出来るのではと思ったが、それを言う事すら見抜かれたかのようにこう言った。「まぁ確かに送信者からのメールを利用して居場所を特定しようとしたのじゃが何故かその場所がこの日本全体だったり、海外である韓国、中国、イタリア、カナダ、アメリカ‥‥と数分おきに移動しておる。未だに探しておるのじゃが特定にはまだ至っておらん」と言うのであった。

 ジュダルがここまで言うのだから俺たち2人でも場所の特定は困難だろうな。まぁそこは今の所どうでも良いのであった。

 そして場所に関してだが場所は市内地でここからそれなりに離れており徒歩だと1時間近くはかかる場所であった。なので車といった移動手段が必要なのだが俺とマリーに関してはそこは特に問題はない。ジュダルが行われる場所までの座標を教えてくれたため明日は【座標転移】で移動すれば僅か1秒で目的地に着くのである。‥‥どうせなら彼も一緒に【座標転移】で目的地まで連れて行こうかな。とも考えたり‥‥開催時間は午前0時丁度、つまり日付が変わる10月10日である。

 そしてこの話の終了後、井手修斗に娘さんの居場所、その会が行われる場所、決行時間等などをメールで送るのであった。電話でも良かったが誰かに聞かれては少々面倒である。特に、あの者たちには‥‥。

 そして数時間後、ようやく彼の勤務が終わったのか『分かりました。それでは明日はよろしく頼みます』と短めの返信が届くのであった。

 

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 大体1分ぐらいで見終われるように書いております。  内容次第では少し長くなります。
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