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創られた世界に破壊を込めて  作者: マサト
体育祭

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体育祭3日目

 1学年グループ予選会の翌日10月9日は2学年によるグループ予選会が行われた。結論から言えばそこでも第1術科学園によるトップの独走が続いていた。当日判明するはずである各種目だがまるでその種目に合わせたかのように毎回出場する生徒のポテンシャルを生かせるような人選となっておりその種目の結果では常に上位に立つのであった。他の他校チームも何とか追い付こうと必死に喰らいつくも第1術科学園はその度にポイントの差を引き延ばしているのであった。そんな中ある他校の1人が第1術科学園にこう言った。『第1術科学園は卑怯な手段でこの体育祭に臨んでいるのではないのか』と。だがそれを証明する証拠や証言もない。だがそれでも分かるのである。昨日の1学年での優勢すぎる人選選びに、誰も種目名は知らないはずなのにまるで事前に知っているかのような行動パターン‥‥等々出場している生徒たちは薄々思っていたのである。だが『何か誤解をしているようだが我々第1術科学園はこれまで、それも第1回から出ている種目を一から見直してそれを元にどのような種目が出るのかを予測しながら今年判明する競技種目の対策を行っているのだよ。それを貴方たちは秘境と片付けるのかい?』と言ってきたためそれ以上反論の余地がなかったのであった。

 その後も第1術科学園のトップ独走は変わらずそうして2日目が終了した。本戦に出場できる7チームは‥‥‥

 第1A、第1B、第2A、第3B、第4A、第6B、第7Aの7チームとなったのであった‥‥。


 そして3日目の10月10日は3学年グループ予選会の日となった。行う競技種目は1学年と2学年で行われた内容と同じである。だが流石は3学年ともなると午前の部の競技種目では選抜メンバーで選ばれて生徒たちは次々現れるエネミーを華麗な一撃で撃破していき、時間内に配置されている人形を時間内に見つけたりエネミーに見つかった場合には速やかに撃破していっていた。3学年にもなると1学年のころと比べて魔力量もかなり上がっているため階級の高い術を使用しても体力面には支障が出ていない。他にもこれまでの競技に出ている生徒はバランスよく人選されており第1種目に出る5人の際は2人が攻撃役、2人が防御役、1人が支援役とどのような種目が発表されても臨機応変に対応できるように他の種目でもそのように調整されており、2種目目は7人出場で各場所に配置された人形を探すため数手に分かれて捜索・撃破と別れた。2人×2と3人と別れたり、2人×3と1人と別れたり、1人×7と別れる等々やり方は他校事それぞれ異なるやり方で行っていた。

 そうして午前の部までの途中順位はこのようになっていた。

 第1A、第1B、第2A、第3A、第2B、第4A、第3B、第4B、第7A、第7B、第6B、第6A、第5A、第5Bの順となっていた。

 そうしてお昼休憩の時間となるのであった。

 「瑠璃ちゃん、どこでお昼食べる?」

 「そうね…人が少ない所ならどこでも良いわよ」

 「そうだよねぇ。今日も暑いから日陰の所でお昼を食べたいよね」

 そう言いながら競技場を出ようとしていた。そうして近くにある休憩場へと向かったがすでに多くの生徒がそこでお昼を摂っていた。この休憩場の近くには出店が多くあり生徒たちはそこでお昼を購入しこの休憩場で休んでいるのである。ちなみに2人はお弁当である。

 「あぁ~~、やっぱり他の生徒でいっぱいだねぇ‥‥」

 「仕方がないわよ。こうなったらどこか別の場所で‥‥」

 水河瑠璃が他の場所で食事を摂る事を提案しようとした途端、周りがザワザワと騒ぎ始めた。そして2人の目の前にその騒ぎの元となっている1人の生徒が現われたのであった。その生徒は2人よりも背が高い男子生徒で着ている体操服から第1術科学園の生徒であった。その生徒はトレードマークである眼鏡をかけていた。その生徒からは一見何もないように見えるが術者である学生たちはその生徒から溢れ出る凄まじい魔力量を感じていた。

 「彰人、兄さん‥‥」

 その生徒の名は朝比奈彰人(あさひなあきと)。名字からして朝比奈莉羅の双子の兄である。彼は第1術科学園の現生徒会長であり、成績・実力ともに学園内1位で、他校では学生術者内で最も最強と言われており、そのことから多くのプロから注目をされていた。そして彼は日ノ本十二大族をまとめる朝比奈家の次男でもあり、学生生活後はこの国の防衛を務める防人の役職に就くという約束された道のりがすでに決まっていた。防人という役職は簡単に言えば公務員のような国または地方公共団体の事務や防衛を担当するような者の事を言うのである。

 莉羅は実の兄の名前を口にするが朝比奈彰人はというと黙ったままであった。そのため「お、お久しぶりですね‥‥最近のご活躍は耳にしています‥‥」といつも明るい彼女とは打って変わり恐る恐る話しかけているのであった。そして返答は‥‥‥

 「‥‥フン、お前はあれが活躍だと言いたいのか。あんなものはただのままごとに過ぎん」

 「で、ですが、兄さんのおかげでその場所の被害は最小限で済んで人々から感謝されたと‥‥」

 「術者として当たり前の事をしただけだ。それに現れたエネミーは全てD級‥‥学生術者だけでも十分事足りる。‥‥それにしてもお前は今から昼食か。朝比奈家たるもの食事は瞬時に終わらせ空いた時間は術の訓練にでも勤しむ事だな。だからお前はいつまでも‥‥」

 「それは、勿論分かっています‥‥。ですが私は友人と一緒にいることが、何よりも大切なんです」

 「‥‥水河家の三女か、お前は分家の者と一緒にいることで強くなれるというのか、お前はまず友人選びからやり直すことだな」

 「わ、私の事はいくらでも好き勝手言っても構いません。ですが、私の友人の事をそんな風に言わないで下さい」

 「撤回して欲しくば俺に1勝でもすることだな。だが、お前は小等部から俺に一度も勝ったことでもあるのか」

 「そ、それは‥‥ですが…」

 「言い訳は聞かん。‥‥そう言えばお前、聞くところによると無詠唱術を使うようだな」

 「‥‥! ど、どうして‥‥」

 「日ノ本十二大族もとい朝比奈家の情報網を見くびるな。その教えた者は1学年の者だな。その者は学校内では『無能』と呼ばれているようだな。お前はそんな低俗な者と一緒にいることが恥ずかしくないのか、これ以上その者と関われば朝比奈家は恥をさらすこととなる。そのために今すぐその者と関わりを絶て」 

 「……‥‥‥‥‥‥‥い、いや、です‥‥」

 「‥‥‥何?」

 「いやです! 私は彼と出会ったおかげで今の私があるんです。だから私は兄さんになんて言われようが彼との関わりを絶つつもりはありません」

 そう強く言葉にした莉羅。そしてその答えは、バチィン!! と莉羅の頬を平手打ちで叩く音であった。

 「‥‥‥見損なったぞ。お前の言っているそれは全て朝比奈家として、日ノ本十二大族の者のとして必要のない想いだ。やはり貴様は日ノ本十二大族が創立して以来初となる出来損ない‥‥欠陥品だ。無詠唱といい『無能』と呼ばれる学生といいお前は後いくつ朝比奈家に泥を塗れば気が済むんだ」

 そうして言いたいことを言い朝比奈彰人は休憩場から立ち去るのであった‥‥。この場にいた生徒たちは2人の先ほどまでのやり取りを食事を喉に通さず黙って見ている他なかった‥‥。


 その後午後の部が始まったが、やはり第1術科学園のトップ独走が続いた。その理由は様々あるが中でも朝比奈彰人が出る競技種目は凄いという言葉でしか表せなかった。『大玉転がし』では50メートルごとに大玉を転がしながら進むとエネミーが次々現れ最終的には計50体まで増えるのだが朝比奈彰人たちのチームがゴールする際にはそれらのエネミーは1匹とも例外なくいないくなっており、そのまま大玉に1度も攻撃を、それどころか傷1つすらつかれることなくゴールしたのであった。まさに完璧、華麗なる勝利‥‥とはこの事を言うのだろうか。『学校対抗バトンリレー』では朝比奈彰人はアンカーで走る前に体に纏う風の魔術の詠唱を行いそしてバトンを受け取るとすぐさま走り出した。ここまでは普通なのだがここから他と違った。何故なら体に纏っている風の魔術がこれまで見てきた他の学生と異なり走る速度や術の効果が何倍も異なっていた。要するに朝比奈彰人が発動させる術は他の学生よりも圧倒的に威力や出力が桁違いであることである。よって他校との距離をみるみる引き離しそしてあっという間にゴールをし、これまでの体育会で行われてきたリレータイムの新記録を出し見事に朝比奈彰人率いる第1Aは他のチームと圧倒的なポイント差を広げ見事第1位でこの予選会を通過したのであった‥‥‥。

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 大体1分ぐらいで見終われるように書いております。  内容次第では少し長くなります。
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