表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
創られた世界に破壊を込めて  作者: マサト
無能少年の春休み

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

14/348

圧倒Ⅱ

 「ここが警備室かぁ~ 初めて見るなぁ」

 その警備室の扉を開けて先ほどの少年が入ってきたのだった。その中はいろんな設備や難しそうなボタンがあり、特に目立つのは数百ものの防犯カメラの映像だった。

 「いやぁ~、それにしてもいい戦利品を手に入れたなぁ。後で俺好みのカスタマズしよーと」

 持っているスナイパーライフルを見ながらそう言うのだった。

 「それにしてもやっぱり邪魔だからバックに入れておくか」

 そう思いバックを取り出そうとしたところに

 「そこの貴方、私たちを助けてもらってもらえないでしょうか?」

 と声がした方を振り返ると室内の隅っこに両目をタオルで結ばれ何も見えない状態に加えてロープで拘束されいる若い男女や年寄りの男女がおり身を寄り合わせていたのだった。その中の白髪の男性が声を掛けてきたのだった。

 「あぁ、はい、分かりました」

 少年はそのまま拘束されているその者たちのロープを解き、そして解放するのだった。

「いやぁ、助かりましたよ。私たちの警備ミスでまさかこのような 事態になってしまうとは…お恥ずかしいところを見せました」

「あぁ別に気にしていませんよ。失敗なんて誰でもありますからね」

 高齢の男性が少年にお礼をするも、少年の方は男性を見ておらず別の場所——防犯カメラの映像を見ていた。

「まさかと思いますが、ここには貴方1人で来たのですか?」

「えぇ、そうですね。ちょっと探している人がいるので」

「ですが、外には何人もののテロリストが徘徊しているはずです。先ほどまでこの警備室にも12名のテロリストがいましたので、貴方1人で良くも無事で来られたものです」

 男性は少年から見えない後ろに立っていた。そしてどこから取り出したのかある物を手に持って少年の背中に近づいていた。その物は少年の左胸に向かっていきそのまま……

 「…()()()()()()()()()()()

 「は、はい?」

 その意味の分からない言葉に思わず立ち止まり、後ろに下がるのだった。それは自身の後ろに隠したままで。

 「あ~、いやですね、ここに来る途中、俺はここ周辺にいる人たちの数を把握しているんですけど、ここに来るまで俺はすでに30人ほどの人と会っているんですよね。そして警備室内にいる人々を確認したんですけど、貴方たち7人を含めてその人たちは12人いまして合わせて19人となるんですよね」

 「…そ、それが、どうかされましたか?」

 「いや? なんで貴方がその正確な数を把握しているんですか?」

 「そ、それは…足音でテロリストが何人いるか把握していたのですよ」

 「……言い訳ならもっとマシなものにしてくれ。そんなこと馬鹿なことやる暇があるならここからいかに逃げるか考えろよ」

 「い、言い訳だなんてとんでもない! この者は【奏音術】が使えるのです。この術は音の反響を利用することで例え見えずともこの場にいる動いている人限定ですが、人数を把握できるのですよ。どうですか? 言い訳ではありませんよね?」

 白髪男性は傍にいた若い男性の奏音術の効果を伝えるのだった。

 だが、その男性は1つ抜けていることがある。先ほどまで拘束されていたロープは、

 「……でもさぁ、このロープ、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、一体どうやって奏音術を使うの? 馬鹿なの? 阿保なの?」

 「……………」

 少年は一度たりとも近くにいる人たちに目もくれず、防犯カメラの映像だけを見ていた。それほどその男性の発言に関して一切の興味がなかったのだった。

 「……それに、俺は一度たりともその人物のことをテロリストだって言ってないのに、どうしたお前たちは彼らをテロリストって断言できるの?」

 「………そんなの、武装していれば誰だって彼らをテロリストと思うはず…その証拠に拳銃やマシンガンを持っていたはず…」

 「…まぁ、確かにそうだけど」

 「! で、ですよね! ならば先ほどまでの発言は私たちの方が正s

 「やっぱりお前たちは馬鹿すぎだ。武装集団なんて拳銃やマシンガンを持っているだけの奴らだけじゃないだろ? この国には術という異能がある。そして術をサポートするための【魔導具】がある。そしてそれを非合法に、無差別に使用すればこの国ではその時点でテロリストと呼ばれる。……もしかして、お前たちは見てないのか? 俺がさっき会った人の中に術と【魔道具】を合わせて使っていた人が何人もいたんだけど」

 「…………」

 「いやぁー、俺はてっきり拳銃やマシンガンを使っている人だけを武装集団としか見ていなくて、術が使える人に対しては武装集団って見ていないのかって思ってたんだけど……。まぁ、どうでもいいや。それじゃあ、俺は用事があるからあとは勝手にすれば?」

 そうして目的を果たしたのか少年は防犯カメラの映像を見終え、そのまま出入り口の扉の元へ向かうのだった。

 「……そ、くそがぁあああああ!!!!」

 すると1人の男性が少年めがけて隠していたナイフを手にし、そのまま少年めがけて向かうのだった。

 「あ、そうそう、言い忘れていた」

 そう言いながら振り向きざまに男性が持っている短剣を持っている手首めがけて正確に回し蹴りを放ち、そのままもう一度回転し今度は脳天めがけて蹴りをお見舞いすると、その男性は壁に勢いよく激突しそのまま気を失うのだった。

 「俺の邪魔をしたら容赦しないから」

 その笑顔は笑っているようだが、内心では笑っていないように見えた。そして、

 「…奴を須藤様のもとに行かせるな! 奴を何としてでもこの場で食い止めろ!! 例え刺し違えてもだ!!」

 その指示に全員が「はい!!」と応答するのだった。そのことから

 「…へぇー、邪魔するんだ。じゃあ、容赦しなくていいよね?」

 そうして、この場にいる全員が隠していた短剣を手にし少年をここで食い止めるため一斉に向かうのだった。

 対して少年は何処からともなくあるものを取り出すのだった…。

 

 「……まぁ、加減はしたけど、その中で大人しくしていろ。…あぁそうか、今のお前たちは動くこともしゃべることも俺の会話を聞くことなんて出来るわけないか」

 そう言って少年は警備室を後にしたのだった。その際、扉が閉まるその僅かの隙間から冷気のようなものが僅かに漏れ、さらに室内には氷らしきもので出来たかのような結晶があり、その中には7人の男女がそれぞれ閉じ込められているのだった。

 そして少年が次に向かったのは……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
 大体1分ぐらいで見終われるように書いております。  内容次第では少し長くなります。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ