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魔王幹部が太ってしまったのでダイエットする場所のジムを決めました

「なんだこれは?」

 風呂上がりしていた魔王幹部・ライア・エミル。あるものを見つけた。

 それは、土台のようなもので真ん中に数字と針先があった。

(これは確か……、龍一に言うには体重計か。最近では機械系とか多いと聞くが、こういう機械なしもあるのだな……)

 そう思っていたライアだったが、辺りをキョロキョロ見て、そ~っと乗った。

「…………」

 すると、ライアは数字を見て驚愕した。

「な、何ィィィィィィィィィ!」

 ライアの叫びで、龍一達は気付いた。

「……ん? 今の叫び、ライアか?」

「私が見てきます故」

 ロレナはライアの様子を見に行った。風呂場へ行くと―。

「ライア様、いかがなされましたか?」

「…………ろ、ロレナ」

「…………?」

 涙目をしていたライア。ロレナはどういう事?な顔をしていた。

 すると、回りを見てロレナは気付いた。

「なるほど……、そういう事ですか」

 体重計に乗って悲壮な叫びをした。ロレナはそう察したのだった。


「太った?」

「龍一様、女性には致命傷な一言ですので禁句を」

「す、スマン」

 龍一は謝った。そして、本題へ―。

「要するにソレで泣いてたんか?」

「あ、アレはまさしく悪魔の機械だ……! あんな数字は妾は初めてだぞ!」

「まぁ、女性はスタイルが命やからなぁ」

 龍一は頭をボリボリ搔いた。

「なぜ、あのような数字なのだ? 一体何したのだ?」

「…………」

 これに姉・マリーナは気付いた。

「食い過ぎじゃな」

「!」

「食い過ぎ? どういう事なんや?」

 マリーナは言った。

「我が妹は、実は大食いなのじゃ」

「…………はい?」

 龍一はキョトンとした。

「かなりの大食いじゃが、向こうの世界の時はイノシシの怪物を倒しての、その後丸焼きで完食したのじゃ」

「丸焼きで完食!? ちょっと待て、そのイノシシってどれくらいの?」

 これに言ったのはロレナだった。

「大型トラックよりデカかったかと」

「どんなイノシシやねん! そんなの突進したら死ぬレベルやないか!」

「あの時は美味しかった。丸ごとは食った」

 ライアは思い出していた。

「いや、怖いわ! 丸ごとやろ? 大型トラックよりでっかいイノシシやろ!? 普通は無理やろ!」

「しかし、この世界に来て、龍一様が作った鍋ご飯は、何度かおかわりしましたね」

「ゔ……!」

 ライアはギクッとした。

「や、やはりダイエットしたほうが良いのだろうか」

「そうですね」

 ロレナはきっぱり言うと、龍一に尋ねる。

「龍一さん、この辺りにジムとかそういうのはあるのですか?」

「ん? あることは……」

 その時、龍一の脳内に先の未来予想が起きる。

(いや、待てよ……。ライアって魔王幹部だったんやな。つまりは何でも壊せるってことかいな? アカンアカン、それはアカンわ! ジムに行ったら、物を壊しそうや! と言っても、痩せるとこってどこやったっけなぁ……)

 すると、マリーナは口を開いた。

「それにしても喉が渇いてきたのう。冷たい水はあるのかのう?」

(冷たい……水……!)

 龍一はライアが運動しやすい場所を見つけた。

「プールや……!」

「ぷーる? なんだそれは?」

「泳ぐところや、あそこで通ってる人もおるんや」

「泳ぐ……、即ち水練という事か?」

「そういうとこや」

 確かにプールならいけるかもしれない。しかし、ロレナは思った。

「しかし、水着はどうするのですか?」

「たしかこの小樽市のプールは、レンタル水着が借りられるはずや。一着五百円」

「水練、……よかろう。明日行くぞ!」

 ライアは明日に備えて移動した。

「やれやれですね」

「…………」


 時を同じくして、一方では……。

「え? 泳ぎを教えてほしい?」

 元春はある人物と電話をしていた。

『そうなの、元春。明日私も元春も公休だから、付き合ってよ!』

 相手は高町円だった。

「本当に体育だけは苦手なんだからな、昔から……」

『うぅ……、自覚あります』

「仕方ない、小樽市の体育館の所にプールがあったはず。そこに行こうか」

『ありがとう、助かるよ!』

 電話を切ると、元春はため息をした。

「はぁ……、やれやれ」

 その翌日に、バッタリ会う事はまだ知らない。




                                 つづく




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