飲み会を始めた後に皆がベロンベロンに酔ってしまいました
―前回のあらすじ。
ハトバの店の売り上げが新記録した。ハトバの店のトップ十位に入っているが、まだまだこれからが本番だった。そのため、皆の働きを労うために飲み会を開催することになった。
場所は「おぐら」というお店である。そこに元春と円の同級生・小倉康夫と再会する(既に結婚している)。こうして、皆で親交を高めるための飲み会をするのだっだ。
が……。まさかの展開になってしまったのだった。
「…………」
店に入って約一時間弱。元春は黙っていた。そこへ、同級生の康夫が来て、元春と話した。
「なぁ、御子柴。お前のトコ、やけにヤバいな」
「さすがに俺もビックリしている」
それは―。
「ねぇ~、お酒まだですか~。こんなうまい酒はありませんよ~」
「う、うぅ……、どうせ私なんて、ただの半獣人ですよ……」
「…………」
元春と康夫は頬を垂らした。
「ヤバいな」
「あぁ、ヤバいな」
「いや、マジでヤバいな」
「いや、本当にヤバいな」
泥酔、泣き上戸、脱ぎ上戸、etc……である。
「セレナさんやエリーゼさん、酒に弱いとは……」
「連れはともかく、一番ヤバいのは……」
二人が見たのは―。
「酒がおいちー。おかわり頂戴―」
「…………」
赤ん坊上戸になっていたー高町円だった。
「ヤバいな」
「あぁ、ヤバいな」
「いや、お前よりもっとヤバいな」
「いや、マジでお前よりもっとヤバいな」
動揺する二人。するとー。
「元春さ~ん、私とエリーゼさん、どっちがいいですかぁ~」
「セレナさん!?」
「い~~~~~や、私ですよねぇ~」
「ちょっと、エリーゼさんも!?」
二人が酔っ払っているこの状況、おそらくは構って上戸だろう。
「どっちなんですか~、はっきりしてくだひゃいよ~」
「わひゃひとだんひょう、どっちがいいですか~」
「え、えええ……」
元春は動揺した。これに、康夫は………。
「俺、厨房で料理してくっから!」
と、そそくさと逃げた。
「あ、ちょっ! 小倉!」
さらに―。
「うええええええん! 私なんで駄キャラですよ~!」
(ソルトさん、泣き上戸だ……。しかもすごく泥酔………)
「暑いです~、温かくなってきたので脱ぎますね~」
一枚ずつ服を脱いだのは、まさかのネクロマンサーであるアリアだった。
(アリアさんがキャラ崩壊している……)
「Zzzz……」
龍一は酒を飲んで寝ていた。
(山城君は酒飲んで寝てしまったな)
「やれやれ、ヤバいなこいつは」
言ったのは義子だった。
(桐島さん!)
「久本も倉木も酔っ払っているな」
桜子と雪子は、互いに笑って寄っていた。笑い上戸だろうな、元春は思った。
「御子柴。完全にあたしらだけになったな」
「酒に強いのは俺と桐島さんのようですね」
「全くだ」
「…………」
元春は皆を見て思う。
(皆がここまで来て、店長である俺は凄くうれしい。でも、ここからなんだよな………、ここからが始まりなんだよな)
油断は禁物。ここからが本番、そう思っていた。
そして、一時間後。
「Zzzzz……」
元春と桐島以外は寝てしまった。
「お開きだな」
「そうだな。タクシー呼ぶ?」
「あぁ、そうだな」
こうして、ハトバの飲み会はお開きとなった。
(セレナさんらは異世界から来た。そして、エリーゼさんのお兄さんの件。みんなはそれぞれ荷を背負っている。………俺にもいつかそういう事があるかもしれないな)
元春はセレナとエリーゼの頭を撫でた。
「むにゃむにゃ………、元春さん」
「…………」
翌日。セレナやエリーゼ、アリアなど二日酔いが出たため休んでしまった従業員が出たという。