どう話せばいいのか分からないところに義妹が入って来ました
―彼は地獄な過酷状態になっている。彼が帰って来た時、知り合いの女性と何年か再会した。だが、彼の周りは女性ばかり。硬直状態になっている彼―御子柴元春は、幼馴染である女性の高町円と会ったのだったが、セレナやエリーゼ、キャロルにエルザは初対面。義理の妹である咲夜は何回か会っているため気にしていないのだが、元春にとっての初の修羅場になっていた。―まぁ、本人はここまで知らなかっただだけど。
「…………」
元春は、円との再会に気まずい状態になっていた。
「え、ええっと……。久しぶりだな、海外から戻って来たのか?」
「…………」
「お、怒っているのか? 俺って、とんでもないことした?」
これに円は周りの皆を見て思った。
(うぅ……、元春と再会したのに、まさかこんなに女性がいっぱいいるなんて……)
実はと言うと、円も硬直状態である。なぜなら、こんなにいるなら円本人も気まずいはず。
だが、二人が硬直していることは、お互い気付いていない。
「ええっと、元春。この人たちって、一体……?」
「あ、え、あぁ……」
どう説明すればいいのか、分かんない。
「ここにやってきたら、耳が頭にあったからビックリして……」
おそらくはキャロルの事だろう。彼女は獣人であるから、頭に耳があることは獣人にとってはあるあるだ。
さらに円は言い続けた。
「それに、外人っぽい名前なのに日本語で喋っているし、世の中ってすごいね」
まさにそうだ。セレナやエリーゼとかの名前は、まさに外人の名前っぽい。日本語で喋るというの日本に留学して来た外人が日本語の勉強を習っている感じである。
「いや、そ、それは……」
どう説明すればいいんだ、と元春はうなされていた。
その一方、セレナたちは二人の様子を見た。
「あの人、元春の幼馴染なんだ」
「さすがに言いづらいですね、私達が別世界から来た人間という事を」
「どうすればいいのですか、これ?」
さすがに、セレナ達もどう接するべきか難問な話だった。
その時だった。
「見ていられませんね、お兄ちゃんも、円お姉ちゃんも、皆も!」
「え?」
これに動いたのは、咲夜だった。そして、ふすまを開けた。
バンッ!
「! さ、咲夜!」
「咲夜ちゃん……」
咲夜は二人の間に座って、すべて話す。
「円お姉ちゃん、お兄ちゃんには悪気はないんです。この人たちについてなんですが、実は信じられないことを、すべて話します」
「し、信じられない事って?」
「セレナさん達は、別世界から来た者です」
「!」
咲夜はさらに言う。
「小説とか漫画とかよくありますよね? 異世界の人間が現世にやってくるという話。この方たちは、ソルフィルスという異世界からやって来たものなんです」
「異世界……」
「それだけじゃありません、魔王幹部やメカ娘、ネクロマンサーとかもこの世界からやってきて、今はお兄ちゃんの仕事仲間のところに住んでいます。ドタバタな日常ですけど、これが現実なんです」
「咲夜……」
咲夜は円に頭を下げた。
「お兄ちゃんがセレナさん達をここに置いたのは、放っておくわけにはいなかったのです。信じてくれますか?」
「…………」
これに円は言った。
「信じるよ、だって元春は人助けする人だから」
「円……」
二人の沈黙は、咲夜によって誤解や硬直が解けたのだった。
そして、ご飯は元春の家で食べることにした円。
「す、すみません。こんなことになっていて……」
「いいよ。私もビックリしていたから、異世界からやって来たというのは一番驚いたからね」
「は、はぁ……」
これに円は言った。
「私、昔いじめられたことがあるんです」
「え?」
「そんな時、元春が助けてくれて放ってはおけないと、そういう人だったんだ」
「元春さんが……? 凄い人なんですね」
「私にとっての、ヒーローだったから」
二人の話に、料理をしていた元春とエリーゼは聞こえていた。
「元春さんって、そういう過去あったんですね」
「あははは……」
元春は苦笑した。
するとセレナは円の今後について言う。
「ところで、円さんはこれからどうするのですか?」
「私は、しばらく海外には行かない予定です。どこかの店のマネージャーにやる予定ですが、未だに未定です」
「マネージャー、ですか?」
この時、元春は思い出した。長脇茂チーフの言葉に、マネージャーを探していると。
「円、何処かの店でマネージャーをするのか?」
「う、うん。そうだよ」
「心当たりあるんだがいいか?」
「…………?」
そして、翌日の日。龍一達は唖然な顔をした。
「…………」
それは、元春の紹介だった。
「というわけで、ここの店のハトバのマネージャーが新しくここに来ました、高町円さんだ」
「高町と言います、よろしくお願いします」
円はハトバの小樽店のマネージャーとして任命したのだった。
「海外から帰って来たばかりなので、未だにわからないことがありますので、よろしくお願いします」
これに全員は―。
(マジでか……)
という顔をした。
こうして、ハトバの小樽店に彼女が加わったのだった。