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帰国して来た幼馴染相手は気まずい方で硬直しそうになりました

―その頃、元春はある人物からの電話が来た。

「マネージャー……ですか?」

『うん、君の店にマネージャーを派遣することが決まったんだ』

 電話の相手は―長脇茂チーフだった。

『まぁ、と言っても従業員と同じ感じだけどね』

「なるほど……」

『ただ、未だにまだマネージャーを受ける人もいないんだ。そこで、御子柴君に電話したんだ』

「俺を何するのですか?』

 茂は言った。

『誰でもいいから、誘って来てくれないか?』

「はぁ? それはいいのですが、誰でもって例えるなら、頭がいい有能な人物を見つけてほしいってことですか?」

『上からのお偉いさんがそう言ってるんだ。向こうもお手上げらしいんだ』

「…………」

 これはとんでもないお願いが来てしまった、そう思った元春。

「一応は捜しますが、難しいですよ」

『それは、その……、ガッツで』

「古い頑張れみたいなこと言うのやめてくれません?」

 元春はツッコんだ。

『とりあえず、捜してくれよ』

 そう言うと、電話の通信が切れた。

「…………、そういう人材いたかなぁ」

 厄介な頼みを引き受けてしまった。これはやるしかないと元春は腕を組んで頷いたのだった。


 その頃、セレナとエリーゼの二人は―。

「高町円さん、ですね」

「お二人は、小樽アパートに住んでいるのですね」

 突如として、二人を尋ねて来た円が言う。

「実は、そこに私の友達がいて、今はそのアパートに住んでいるんです」

「そうだったのですか……」

「海外から帰ってきて、ようやく久しぶりに会えるから、嬉しくて」

 円は嬉しそうだった。だが、この時エリーゼは何かに引っかかっていた。

「あの~、その友人の名前は?」

 円は友人の名前を言った。

「御子柴元春、という人です」

「!」

 二人は驚いていた。こんなすごい人が小樽アパートを探しているなんて、流石にあり得ないという事。そしてさらには、彼女の友人と小樽アパートについての事。

 もしやと思い、その友人が御子柴元春だった。

「元春さんという人って、友人関係?」

「友人というより、幼馴染関係だったんだ」

「まさか……」

 休憩室にて元春が語っていたこと、その人物が目の前にいるのだった。

「元春君は、私にとって味方だった人だからさ。そのあと、日本に帰国して彼何やっているのかなって」

「…………」

 気まずい感じ。しかし、言ったほうがいいかもしれない。

 セレナは言った。

「元春さんですが、今はハトバの小樽店の店長をしています」

「そうなんだね。ということは、二人も?」

「はい」

「でも、どうしてそのことを?」

「…………」

 これに円は気付いた。

「もしかして、一緒に働いているの?」

「あ、は、はい……」

「そうだったんだね! 同じ従業員だったんだ!」

「…………」

 言いづらい感じ。こんな優しそうな顔をしていて、同居しているなんて言えないのだった。

 これにエリーゼは、言いづらい状況のセレナに代わって言うしかなかった。

「実は、元春さんの幼馴染であるあなたに言うことがあります」

「? なんですか?」

「私達、元春さんと同居しています」

 エリーゼの一言にて、円はビックリしていた。

「…………」

 これにセレナは、円に尋ねる。

「あ、あの~、高町さん?」

「…………ど、ど、ど、どどどど、同居?」

「…………?」

「え、ええええええええええええええええええええええええええええええええええ!」

 円はビックリして叫んだ。


 その頃、元春は仕事が終わり退勤することに。

「それにしても、村上のやつ。いきなり休憩中に電話して、アイツが帰ってくるなんて。まぁ、でも会えなきゃいいけどね」

 元春は小樽アパートに着き、中に入った。

「ただいま~」

 そこにいたのは―。

「キャロル」

 キャロルが立っていた。

「元春、大変なことが起こった」

「大変なこと?」

「居間に来て」

「…………? 一体何だ?」

 居間に入ると、そこにいたのは―。

「…………」

「ん?」

「や、やぁ、お帰り。元春」

 セレナたちがいるが、なぜかそこにいたのは―高町円だった。

「ま、円?」

 いきなり帰国して帰ってきた事に、まさかの硬直状態だった。



              

                                 つづく




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