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激しいダイエットには穴があることがありました

「ぬおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」

 エリーゼはダイエットのため、仕事しながら商品をあちこち入れまくる。品出しとはいえ、かなりの超スピードの仕事っぶりだった。

「え、エリーゼちゃん。今日は張り切っているんだね」

 唖然としていた桜子はビックリしていた。

「当たり前です、これも体を動かすことです!」

「は、はぁ……」

「はぁぁぁぁぁぁ!」

 桜子は、猛仕事しているエリーゼを見て何があったんだという顔をした。

「ど、どうしたんだろう?」

 そこに、セレナが来た。

「セレナさん、エリーゼさん一体どうしたのぉ?」

「あ……、いや、それは、その……」

 セレナもさすがに言いにくいことだった。

「…………」

 しかし相手は桜子。女性同士なら話すしかないと思った。


「エリーゼさんが、ダイエット?」

 二人は休憩室で話していた。

「三日ぐらい前に始めました。朝のランニング、剣術、筋トレなどやっていて……。それで、ご飯は野菜だけらしくて……」

 これに桜子は言った。

「や、野菜だけって……?」

 そこに―。

「? 団長、桜子さんも。どうかしたのですか?」

「エリーゼちゃん、大丈夫なの?」

「なにがですか?」

「もし倒れたりしたら……」

 しかしエリーゼは……。

「大丈夫です、こう見えても慣れていますから!」

 エリーゼはどうやら休憩のようで、お弁当も用意していた。

(さ、流石に弁当はあるよね……)

 しかし中身は―まさかの野菜だらけだった。

(すべて野菜だらけ……!)

「いただきます」

 これにさすがに桜子はいくら何でもやりすぎると思った。

「え、エリーゼちゃん。ダイエットほどほどにしないといけないよ」

「このくらいは大丈夫です!」

「…………」

 エリーゼは大丈夫と言った。


 そして、一週間がたったある日のことだった。

「…………」

 エリーゼはふらついていた。

(ダイエットとはいえ、流石にやりすぎましたか? いや、でもここまでやらないと……。でも、ふらふらして、なんだ、………か)

 その時だった。

 ―バタッ。

「! エリーゼさん!」

 ソルトがエリーゼが倒れたのを見て、ビックリしていた。

「大丈夫ですか? エリーゼさん! しっかりしてください、エリーゼさん!」

 意識が遠くなったエリーゼ。


 そして……。

「う、う、うう……」

 エリーゼは目を覚ました。

「ここは?」

「休憩室だよ」

 そこにいたのは、元春だった。

「元春さん!」

 どうやら、ソファーにて横になっていた。

「桜子さんから聞いたけど、激しいダイエットしているみたいだね」

「…………」

「野菜ばっかりじゃ、身体壊すことになる。栄養はしっかり取らないといけないからさ」

 これにエリーゼは言った。

「分かってます……、分かってますけど、私は……」

「…………」

 元春は言った。

「ダイエットは確かにいいことだけど、激しい運動や食事が野菜、それは逆効果だ。そうやって続いていると、心労のストレスが溜まってしまう。剣術とかやっているけど、時にはビタミンとか炭水化物も必要なんだから」

「…………」

「それに、エリーゼさんは何も変わっていないよ。いつものエリーゼさんだから」

「…………!」

 これにエリーゼは言った。

「…………そんな優しいこと、言わないでくださいよ。止めたくなってきたじゃないですか、……馬鹿」

 こうして、エリーゼはダイエットを止めた。


 その夜―。

「とりあえず、野菜いっぱいした分、食べないといけませんからね」

「あははは……」

 この時、キャロルは思った

「キャロルさん、どうしたの?」

「なんとなく思っているけど……、……いや、なんでもない」

「?」

 キャロルはエリーゼを見て気づいた。ダイエットした分、胸が少し小さくなっていることを。

 とりあえず本人に言わないでおくことにしたのであった。





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