ある物に乗ってその数字を見て絶望感を感じました
「はぁ~、いい湯です……」
風呂に入って湯につかっていたのは、エリーゼだった。疲れを癒すためゆっくりしていたのだった。
「この世界にも、風呂があって便利ですねぇ。やっぱり汗をかいた後は、これが一番ですよ」
まさに疲労が無くなるための回復にはうってつけだった。
そして―エリーゼは風呂から出て身体にタオルを巻いた。だがそこに―。
「? これは……」
エリーゼが見つけたのは―体重計だった。
「確かこれは、体重計でしたね……」
エリーゼは体重計を見て思った。
(な、何でしょうか? この嫌な感じなのに、気になるような……)
エリーゼは辺りを見て、こっそり体重計の上に乗った。
「…………」
その時、彼女の目が大きく丸くなった。体重計の数字を見てビックリしていた。
「うぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
その叫びは、アパート付近ぐらい叫んだ。もちろん、元春達もビックリしていた。
一方、エリーゼの叫びが聞こえた元春達。
「今の声は、エリーゼさん?」
「もしかして、何かあったのでしょうか?」
「風呂のあたりの声がした」
元春以外は、エリーゼの所へ向かった。
「エリーゼさん、大丈夫ですか?」
セレナは、エリーゼの状況を見た。それは、四つん這いになっていたエリーゼが落ち込んでいたのだった。
「え、エリーゼさん?」
「どうしたの?」
エリーゼを尋ねるセレナ達。
「……そ、そんなことが……! 有り得ない、こんなのって……」
「何があったのですか?」
すると咲夜は、体重計を見た。
「…………」
もしかして、と思ったが、咲夜は尋ねた。
「エリーゼさん、ひょっとして体重計に乗って太りました?」
エリーゼはギクッとした。
「…………」
「体重計って、これですか?」
セレナは体重計を指した。
「そうみたい」
「………う、ううぅ」
エリーゼは泣きだしそうに言う。
「私こんなに重かったのですか? 一体何が原因なのですか……?」
「エリーゼさん、心当たりある?」
エルザはエリーゼに尋ねた。
「心当たりは…………、…………」
エリーゼはもしかしたらと思った。
「最近、カロリーが多いものを食べたのでは?」
「…………」
これにキャロルは言った。
「多分、原因ソレだと思う」
「やっぱりそうですか……。確かに私は鍛錬をしていますし、よく動いてますし、どうしてこうなったのですか~!」
泣きそうになるエリーゼ。
「私たちに言われても……」
「ここはダイエットしたほうがいいのでは?」
「ダイエット……」
咲夜の一言に、エリーゼはビクッとした。
「確かにこれは、ダイエットしたほうがいいかも。ここは、食事制限しないといけません。ということで、団長!」
「は、はい」
「元春さんに伝えてくれますか? カロリーオフの料理を作ってほしいと!」
「いや、でも……」
しかし、エリーゼは本気だった。
「お願いします!」
「…………」
その一方、元春は……。
「聞こえているよ、完全に……」
と、ツッコんでいたのだった。
こうして、エリーゼのダイエットが始まったのだった。しかし、この時エリーゼはダイエットの恐ろしさを、いまだに知らなかったのだった。
つづく