双子の姉弟が店の手伝いをしましたがトラブルも起こしました
―前回のあらすじ。
ハトバの従業員がほとんど体調不良を起ったり、家の用事で来れなくなったなどだった。残っていた元春、セレナ、エリーゼ、義子、アリアの五人。
そんな時、義子は知り合いの二人を呼ぶことにした。それは、かつて彼女が学生時代の頃の舎弟だった。
その二人は双子の人物だった。一人は荒川達郎、ニートである。もう一人は彼の姉・荒川結子である。そんな二人の助っ人に、元春達は心配だった。
「ええっと、あなたも義子さんの?」
元春は結子を尋ねる。
「はい。私は荒川結子といいます。職業はOLをやっています」
「は、はぁ……」
「この度は、姐さんの為に頑張りたいと思います」
(真面目な人だなぁ。まぁ、裏ドアを壊したけど)
さらに彼女は言う。
「もし、クレームが来たら追い払います!」
「いや、別にそこまでしなくていいよ」
「大丈夫です、これがあるので追い払います!」
結子が出したのは、メリケンサックだった。
「いやそれ、メリケンサックだよね! クレームを殺すつもりなの?」
「これはメリケンサックではありません、ナックルダスターです!」
「どう見ても一緒じゃないか! この店を殺人事件起こすのやめてくれないかな!」
これに見たセレナ達はメリケンサックを見た。
「この世界にもメリケンサックあるんですね……」
「でもここは、薬局店なのでいらないのですが」
「そうですか。では、これをしまっておきます」
結子はメリケンサックをしまった。
「でも、一つ言っていいですか?」
「なんですか?」
結子は双子の弟・達郎を指す。
「どうしてアイツもいるんですか!」
「いたら悪いのかよ!」
「悪いに決まってるだろ!」
双子喧嘩に、元春は仲裁に入った。
「まぁまぁ、ここは別々でやりましょう。そうすれば邪魔にならないので」
「…………」
これに見たアリアは、義子に尋ねた。
「ふ、二人共仲悪いのですか?」
「そこまでじゃない。だが、負けず嫌いの二人だったからな。お互い競争していたから」
「そうなんですね」
こうして、何とか開店には間に合って仕事が始まった。
だが、トラブルはすぐ起こった。
「おいテメェ、早くしろよ!」
「す、すみません。すぐにやりますので」
「さっさとしろよ! 早くピッピピッピすればいいだろうが、クソアマ!」
「…………」
そして……。
「元春さん、レジで結子さんがお客さんを殴っています!」
「はいぃ?」
元春はレジへ向かうと、結子は客をボコボコにした。
「何やってるんですかぁァァァァ!」
「大丈夫です、今クレームをシバいていますので」
結子は笑って言う。
「だからそれはやめてと言ってるから!」
そして、客は何とか帰って、二度と来るか!と罵倒を浴びせて行った。
その一方、達郎は……。
「これで納品はよしっと!」
「さすがにやりますね、貴方」
達郎はエリーゼと一緒に居た。
「こんなの慣れっこですから! 次行きましょう!」
(さっき、彼の双子の姉はトラブル起こしたからね。ま、こっちの方がまだマシかもしれませんね)
だがしかし……。
「あ」
商品の卵の一パックを落とした。
(前言撤回!)
こうして、二人のおかげ(?)で、何とか乗り切った。
そして、翌日。
「すみません店長、体調を崩してしまって」
「家の都合で……」
龍一達が回復したり用事が終わったりで、今回は出勤で来た。
しかし……。
「…………」
元春はぐったりしていた。
「店長、どうかしましたか?」
「二度と、あの二人を呼びたくない……」
「な、何があったんですかいな?」
荒川姉弟の件でかなり疲れた元春であった。その店の噂は恐ろしい店員の二人がいるということが広まるのだが、それはまた別のお話。