恥ずかしいものが風に飛ばされ人に崇めている人がいました
―人にはそれぞれ恥ずかしいことがある。真面目な人でも、硬い人でも、乙女心はある。
そんな彼女も一人であった。―エリーゼ・ルドベキア。彼女にも、恥ずかしいこともある。それは―自分の下着であることだった。
実は以前、彼女のパンツが動物のマークがある。それほどのアニマル好きなのかと。
だが、今回彼女はまたもや災難が降りかかることになる。
「…………」
自分の洗濯物を干していたものに足りないものがあった。
「パンツが、ない……。確かに干して洗濯バサミで着けていたはず! もしかして、強風のせいで……!」
青ざめたエリーゼは、外へ出た。
するとそこに……。
「? 何しているの、エリーゼ?」
「キャロル!」
キャロルが猫と遊んでいたところに遭遇した。
「何か、慌てているけど? もしかして、なにかあったの?」
「あ、いや、その……」
「もしかして、恥ずかしいもの?」
キャロルは以前、エリーゼの恥ずかしいものを見られたのだった。
「うぅ……」
「風で飛ばされたの?」
エリーゼは頷いた。
「わかった。エリーゼにとって、恥ずかしいものだからね」
「探してくれるんですか?」
「うん」
キャロルは頷いた。
「すみません、助かり―」
するとそこに―。
「エリーゼさん?」
「! だ、団長! なんですか?」
「どうかしたのですか?」
「いえ、その……。色々ありまして……」
あたふたするエリーゼ。
「そうですか……」
するとセレナは何か思い出した。
「そういえば、商店街に何かありましたよ。布みたいなものが看板に引っかかってるらしくて」
「…………、……え?」
「何でしょうか、あれは……?」
これにエリーゼは察した。かなりも猛スピードで、商店街に向かった。
「エリーゼさん! どうかしましたか?」
「…………」
キャロルは言わないでおこうとした。
そして、商店街通りにて向かったエリーゼ。
「―って、きゃあああああああ!」
そこには人がいっぱいだった。さらにはいっぱい人がいた。
その時、引っかかっていたパンツが風で飛ばされた。
「こうなったら、イチかバチ!」
素早く、エリーゼはパンツを取った。
「…………、ホ……」
ホッとしたエリーゼ。だがしかし……。
「そのパンツ、エリーゼちゃんのだったのか?」
「! 村上さん!」
元春の同級生・村上永斗に見られた。
「いや、その……、偶然見て、なんかその……、きっと理由があるはずだし、元春には黙ってておくよ」
「…………」
エリーゼは涙目で、恥ずかしながら逃げて行った。
その夜のことだった。
「エリーゼさん、どうしたの?」
「なにやら、しばらく引きこもりたいとか言いました」
「どういうこと?」
状況が分からない元春達。
その後、彼女のパンツを見たのち、商店街の売り上げが上がったというジンクスがあり、まさに幸せのパンツをいつか崇める人が多くなるが、それはまた別のお話。