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古いものを売るためフリマの品を皆で見せることにしました

―ある日のことだった。ハトバにとっての、特別な日がやって来たのだった。それは、ハトバのチーフである、長脇茂の説明から始まった。

「―というわけで、我らハトバにもフリマをすることになりました。ほかの店の人たちも参加することになっているから、いらないものがあるなら持ってくるように」

 これにセレナたちは思った。

「ふりま、とは何でしょうか?」

 元春は言った。

「フリマというのはフリーマーケットの略、そして家にある物にいらなくなったのを誰かに売るというイベントなんだ」

「そんなイベントがあるんですね」

「しかし、古いものかぁ。ウチにあったかな?」

「きっとありますよ。といっても、どんなのを持ってこればいいでしょうか?」

 これに元春は、全員に指示した。

「よし、皆家に帰ったらいらないものはイベントが始まる近日に持ってくるように!」

 こうして、全員は家に帰っていらないものを探すことになった。


 そして、翌日―。

 まず先に持ってきたのは、久本桜子だった。

「えーと、私のはこれですぅ」

「アクセサリーとポーチなどか……。確かにこれなら売れそうだな」

「いらない服、切れなかった服もありますよぉ」

「それもいいかもしれないな」

 これに見たエリーゼたちは、桜子のフリマの品を見て思った。

「こんなかわいいのを売るのですか?」

「たしかにこういうのは他の人に渡した方がええかもしれないわな」

「えへへー、そうかなー?」

 さらに次は、山城龍一のフリマの品だった。

「山城君のはどんなのを持ってきたんだ?」

「いらなくなった本や小説ですや。これやったらええかなって思って」

「なるほど、確かに本もフリマにいいけど、大丈夫?」

 龍一は言った。

「大丈夫ですって、こういうのはいらないもんでも、ほかの人に譲るのもええですって」

「フリマってこういうことでしょうか?」

 エリーゼは少し疑問に思った。

「た、多分、大丈夫かな」

 元春はそう言うと、彼が持ってきたものをテーブルに置いた。

「この段ボールって、店長のですかぁ?」

「あぁ、そうだよ」

「中に何が入っていますか?」

 元春は段ボール箱を開けた。中身は―食器だった。

「食器?」

「まぁ、ずっと前から置いていたから、もういいかなって思っててさ」

「なるほどなぁ、これやったらええかもしれないわな」

 するとそこへ、ユンがやって来た。

「おまたせアル」

「ユンちゃん」

 ユンが何やら大きい段ボール箱を持ってきた。

「いらないもの、持ってきたアルよ」

「でっかい段ボール箱やなぁ。中に何が入ってんの?」

 ユンは、中身をみんなに見せた。

「中国のものアル」

「…………」

 ユンのフリマを見て、全員は呆然とした。

「? どうしたでアルか?」

「いや、綺麗なものな品というより、風流すぎるよ」

「そうアルかな? 私は普通にしか見えないネ」

「どういう故郷で育ったんだ、ユンちゃんは?」

 元春はツッコミを入れると、さらにそこへ―。

「皆、フリマの場所が決まったわよ」

 雪子が段ボール箱持ってきながら言った。

「本当ですかいな?」

「河原でフリマをするそうよ、ちょうどその日は晴れだからね」

「それはいいのですが、それはなんですか?」

 元春は雪子が持ってきた段ボール箱を指差しした。

「これ? いらなくなったフリマに出すものよ」

「中身は?」

 中身を見ると、入っていたのは―。

「…………」

「包丁だな……。というより、なぜ刀?」

「これもフリマに出そうかな~って、思っていたの」

 元春達はこれに頭を抱えた。

(不安すぎる……)

 当日のフリマ、大丈夫だろうか? そう思った元春は心配していたのだった。



                          

                                つづく



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