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小樽市にある事件が起こっていました

―ある夜の日の事、一人の男が歩いていた。そんな彼は、チンピラとぶつかった。

「いてっ! ってぇなあ! どこ歩いてんだゴラァ!」

「すまないね、暗くて見えなかったよ」

「おかげで、肩に骨折れたじゃねぇか! 慰謝料として金を置いてってもらおうかい?」

 チンピラは男を睨む。これに男は、ため息した。

「こんな世界にも、こういう奴もいるのか」

「あぁ? 何言ってんだ?」

「君のような奴が居たら、残念だろうな」

「何を言ってるん―」

 チンピラはそこで途絶えた。それは、彼に殺されたのだ。

「…………、今宵の月は赤いな。なぁ、妹よ」

 男は月を見て呟いた。


 翌日。ハトバにてある噂が来たのだった。

「殺人事件?」

「そうなのよ、この町に殺人事件が起こっているのよ」

 倉木雪子は、元春達に小樽市にて殺人事件が起こっていると言う。

「もう三件も起こっているらしいのよ。しかも不思議なことに、殺された人は皆、ガラ悪い人たちばかりなの」

「そんなことがあるのですね……」

 これにエリーゼは元春に尋ねる。

「これって、この世界にも辻斬りが出るんですか?」

「辻斬り? あぁ、辻斬りというより通り魔と同じかな」

「そういうのいるんですね」

 だが、何やらエリーゼは違和感を感じていた。

「…………」

「エリーゼさん?」

「! 何ですか?」

「どうしました? 何か険しそうな顔をしていたけど……?」

 心配している顔をしていた元春。エリーゼはこれに大丈夫と思っていた。

「大丈夫です! 仕事しましょう!」

「…………」

 エリーゼの様子を見たセレナは彼女を見て何かを思った。


 そして、ハトバの閉店時間が来た。

「さてっと、今日はこれでよしっと。明日は……」

 するとそこに、誰かいた。

「? エリーゼさん? そこで何しているの?」

「も、元春さん! べ、別に何でもありません!」

「…………」

 元春はあの時険しい顔をしていたエリーゼに気になっていた。

「エリーゼさん、気になっていたけどなにかあったの?」

「…………」

「よければ話すけど……」

 エリーゼは言った。

「元春さんは、元々一人だったのですか?」

「まぁ、違くはないけど……」

「私は、昔兄がいました。けど、ある事件で……」

「事件? それってどういう?」

「それは……、……」

 エリーゼは言う勇気が出なかった。元春はこれに……。

「言いにくいなら、言わなくていいよ。もし、言いたいなら気持ちをもって言わないといけないけど、それは時に言うタイミングだからさ」

「元春さん……」

 二人の話に、そこにセレナがいた。とりあえず、二人のところに近づく。

「お二人共、準備終わりましたか?」

「セレナさん。終わったよ」

 こうして、店を閉まって帰る元春達。


 そして、帰り道にて―。

「…………!」

 セレナは何か気配を感じた。

「セレナさん?」

「誰ですか、そこにいるのは?」

「…………」

 目の前にやって来たのは、仮面をつけた男だった。

「この気配、その顔、行方不明のセレナ・ガーネットか」

「誰ですか、貴方は?」

「通り魔、と、言っておこう」

 この時、元春は思った。

「まさか、例の殺人鬼!」

「ほう、この町でもそういうこと言われるのか、私は」

「…………」

 その時、エリーゼは何かを感じていた。

「! この感じ、あの時と同じ……」

「エリーゼさん?」

「その顔は……!」

 男はエリーゼを見て驚いた。

「なるほど、お前もこの世界にやって来たとは」

「貴方は……、お兄様?」

 男は微笑んだ。

「さすがにびっくりしたよ。久しぶりだな、そうだよ、私だよ。オルグス・ルドベキアだよ」

「な……!」

 目の前にいた男、それは―エリーゼの実兄だった。



                               

                              つづく



 

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