連載が50回超えたので恐ろしい夢を見ました
―それは出来事だった。彼が見たのは不思議な数字だった。
「というわけで、初の五十パーセントオフにします」
ハトバからの連絡で、五十パーセントオフにするつもりだった。
だが、元春はこの時思っていたことがあった。
(どうして、五十パーセントオフなんだ? もしかして、閉店セールとか? いやでも、そういうのは何も聞いていないし、どういう吹き回しなんだろう?)
するとそこへ、誰かやって来た。
「元春さん」
元春を声かけたのは、アリア・ソウルートだった。
「あぁ、アリアさ―」
元春は振り向いた時、アリアが持っている人形が五十体あった」
「あ、アリアさん? その人形は?」
「人形屋のセールで、買いました」
「そ、そうなんだ」
元春はホッとした。
「五十パーセントオフらしくて」
「…………、へ?」
さらにそこに、桐島義子が来た。
「遅くなった」
「義子さんか」
義子は至って普通だった。さすがにホッとしていた元春。
「うちの娘のオムツの五十個入りが、セールでな。さすがに、疲れた」
義子のセリフに『五十』、元春は何かおかしいと思った。
(おかしいぞ? 俺が疲れているのか? 皆、五十五十と言ってるのに、どういうこと?」
元春は混乱した。
するとそこへだった。
「皆さん、チーフから差し入れが来たそうですよ」
久本桜子がお土産の箱を持ってきた。
「長脇茂チーフから?」
「はい。クッキーの五十枚入ってるお菓子ですよ」
元春はまたも『五十』と聞こえた。
「…………」
元春はこれに、さらに疲れる。
「ごめん、後で食うよ」
元春は休憩室に出て行った。
(なんだ? 五十五十と言ってくるのは? やっぱり疲れているのか?)
まるで『五十の数字の呪い』、そう思った元春。
「元春さん? どうしましたか?」
「やけにやつれていますね」
そこへ、セレナとエリーゼが来た。
「あ、いや。何でもないよ」
「そういえば、今日から五十パーセントオフらしいですね」
「知っているんだ」
「さらにこの世界に、祝日ができるらしいですね」
「祝日? そんなニュース聞いたことないが」
エリーゼは言った。
「知らないのですか? 五十を崇める日・五十の日らしいです」
「何その祝日! 五十の日ってなんだ!」
さらにセレナも言った。
「今日からこの世界、五十からスタートらしいですよ」
「五十からスタート?」
「はい。五十円の世界に」
セレナはそう言うと、元春はおかしくなった。
―そして。
「そんな世界あるかァァァァァァァ!」
元春は目を覚ました。目の前に、セレナがいた。
「元春さん?」
「あ、あれ? ゆ、夢?」
「元春さん、寝ていましたよ。仮眠取るって言いましたから」
「…………、夢だったのか。悪夢なのを見たな」
「そういえば、先程、お客が来ていましたが……」
セレナは言おうとした時、元春は言った。
「…………、もしかしてクレーム?」
「いえ、五十円玉のお金が落ちていたと」
「…………。(もしかして、これが原因……)」
この時、来たお客は不気味に笑う。
「五十回記念おめでとう。五十一回目はこういう事で、君の夢を一度呪ったよ。まぁ、この話は五十一話だけどね」
そうしてお客はどこかへ消えて行った。