とある知り合いのネクロマンサーがいることを呪術師が話してくれました
―前回のあらすじ。ハトバに幽霊が出るという噂に、御子柴元春はセレナとエリーゼと一緒に夜の見回りをすることとなった。だが、その監視カメラには謎の西洋人形が落ちていた。
謎の幽霊、人魂、西洋人形。この謎に、元春達は初のハトバの泊りがけで、調べることになった。さらに、咲夜とキャロルも元春達の仕事に手伝いをして、コンビニでご飯を買いにやって来た。
そして、元春達は休憩に入ることにした―。
「このハトバに、幽霊が出るって本当なの?」
キャロルは元春達に質問した。
「監視カメラには、人魂が映っていることは確かだ。だが、人魂が出たのはともかく、謎なのは西洋人形っぽいものが映っていたんだ」
「西洋人形?」
「ああ。どうして、人形が落ちているのか分からなくて……」
すると、キャロルは何か思い出しがあった。
「人形……となると、彼女を思い出す」
「? 彼女?」
キャロルは言った。
「私、呪術師だから、人形となるとある人物を思い出す」
「誰ですか、それは?」
「アリア・ソウルート、ネクロマンサーという職業をしている」
「へぇ~、ネクロマンサーかぁ。どんな人物だったの?」
キャロルは、アリアという人物を説明した。
「かなりの人と話すのがあまり得意じゃない。でも、かなりの魔力があって、死んだ生き物が見える人だった。かなりの霊圧だったから、ネクロマンサーになったそう。また、人形が集めるのが趣味で会って、人魂が人形に乗り移る力、契約などができる。そういう人だった」
「なるほど……。キャロルさんは、そのアリアさんとは面識あるの?」
「昔の同級生だったから、よく面識している」
「同級生?」
これにいったのは、セレナだった。
「ソルフィルスには学校があって、そこには科目があるんです。剣槍術科、魔法科、弓術系科、語彙力科などありますから。ちなみに私は、剣術科出身です」
「私も、団長と同じ剣槍術科出身です」
「てことは、ソルトさんも?」
「いえ、確かソルトさんは、語彙力科出身だったはず」
「で、キャロルは魔法科出身ということか」
「う」
キャロルは頷いた。
そう話をしていると、監視カメラに動きがあった。
「! お兄ちゃん、八番のカメラに……!」
「八番のカメラ?」
よく見ると、そこにあったのは―まさしく人魂だった。
「これは、人魂!」
「やはり、昨日の監視カメラと一緒です!」
「怖いですけど、放っておくしかありません!」
「八番のカメラは―洗剤コーナーだ! 行こう!」
元春達は洗剤コーナーへ向かった。
そこには、人魂がうようよいた。
「いっぱいいますよ!」
すると、人魂は気付いたか、逃げていく。
「追うぞ!」
元春達はさらに追う。だが、逃げた先は―。
「ここは、大倉庫! 荷物の受け取りはこの辺りになる。倉庫だったら、事務所を通らないといけない」
「ということは、犯人はここにいることなの?」
「人魂が、ここに逃げ込んだ。間違いないだろう」
その時だった。
グニュウ!
エリーゼは何か踏んだ。
「! 今の感触は何ですか?」
「これは……」
キャロルが拾ったのは、人形だった。
「人形! やはりこの倉庫の中に、誰かいるってことか」
「でも、どこにいるのでしょうか?」
「…………」
その時だった。
ゴトンッ!
段ボールの音がした。
「な、何だ今の音は!」
「段ボールの音ですか?」
元春は恐る恐る、怪しい段ボールに行く。
すると―。
ゴトンッ! ゴトンッ!
「!」
段ボールが動いていた。やはり中に何かいる。
「とうとう、このハトバの幽霊騒動の犯人と対面か―」
「お、お兄ちゃん……」
「正体を見せろ!」
元春は、段ボールを上にあげた。そこにいたのは―。
「う、うぅ……」
震えていた一人の女性だった。しかも、人形も抱えていて、ネックに骸骨らしい物。さらにはフードを被っていた。
「き、君は?」
すると、キャロルは彼女を見て、気付いた。
「もしかして―アリア?」
「え?」
「キャロルさん……?」
そう、幽霊騒動の犯人はキャロルの知り合いであり、ネクロマンサー―アリア・ソウルートだった。
つづく