信じられないものが映っていました
―前回のあらすじ。
ハトバに幽霊が出たという噂が来た。そのことに、雪子の証言には人魂っぽいものがあったという。ハトバの小樽市はすでに厄除けとして、建築したはず。なのに幽霊が出てくるなんておかしいと、元春は思った。
その為、今日は元春が鍵の担当なため、セレナとエリーゼと一緒に夜見廻ることになった。
ハトバには、十個の監視カメラがあった。その様子を見ることになった元春。
「雪子さんが見たのはどの辺り?」
「確か、倉庫でした」
倉庫は一つしかない。十番のカメラを見た。だが……。
「…………何もないな」
「やっぱり、気のせいでしょうか?」
何も人影もいない。やはり、気のせいだろう。そう思っていた時だった。
「ん?」
義子は何か見つけた。
「義子さん、どうしたの?」
「地面に何か落ちているぞ」
「なんだって?」
十番のカメラを少し拡大した。そこにあったのは……。
「に、人形?」
「どうみても、西洋人形のような気が……」
さらに、元春達はとんでもないものを目にした。
「こ、これは……!」
そう、落ちていた謎の人形が―動いていた。
「う、ううう、動いてます?」
「本当に動いたですぅ!」
「こんな現象あるかいな! というより、どうなってんねん!」
驚く全員、やはり雪子の言う通り、幽霊はいる可能性は高くなった。
だが、謎の人形、そして動く人形、理解が全く分からない。
「まさか、本当に……」
さらにだった。
「元春さん、二番のカメラ見てください!」
「二番のカメラ?」
二番のカメラを見ると、そこには人形がいっぱいいた。それだけじゃなく、空を飛んでいる。
「人形が動いて、今度は空を飛んでいる!」
「どうなってんだ、やっぱり幽霊と関係してるのか?」
「でも、今日の監視カメラには何も映ってなかったですよ!」
おそらくは、やはり夜に出現するだろう。一体どうなってるのか、元春は言った。
「とりあえず、この店に誰かいるという可能性がある。そのために、まずはいつも通りに仕事してくれ。この店の閉店時間は午後八時、何とか解決してみる」
こうして、元春の指示でいつも通りに仕事した。
その夜、午後八時になり、ハトバの閉店時間となった。だが、元春は調べていた。
「大丈夫ですか、元春さん?」
そこにセレナがいた。
「大丈夫さ」
「少し休憩を取ったほうがいいですよ」
「ありがとう。けど、さすがに見逃すわけにはいかない。怪奇現象な店、幽霊が出る薬局店、何て噂広まったら、この店は終わってしまう。何としても、早く解決しないと」
「…………」
そこへ……。
コンッコンッという音がした。
「はーい」
入ってきたのは、咲夜とキャロルだった。
「お兄ちゃん、ご苦労様」
「ありがとう二人共、助かったよ」
エリーゼは言う。
「一体、二人に何したの?」
「コンビニのご飯をお願いしてね」
「そうですか……」
キャロルと咲夜は言った。
「今のところ、どう?」
「分かんないな。けど、何かあると思って……」
さらに監視を続ける。
その一方では……。
「……どうしよう、このままじゃ、バレる……!」
謎の人影は呟く。
つづく