魔王幹部はネットをやりたがりたいそうです
―ある日のこと、山城龍一はいつものネットをしていた。そんな折、龍一がやっているパソコンに、ライア・エミルがじっと見ていた。
「…………」
そんなジッと見ていたライア。すると、彼女の肩から誰かがポンっと叩く。
「ひぃ!」
ライアはビクッとした。そこにいたのは―ロレナだった。
「何をこっそりと覗いているのですか?」
「ろ、ロレナか……。脅かすでない」
「最近、ロレナ様は龍一様のインターネットをこっそり毎日見ていますね」
「そ、それはその……」
ライアは動揺したが、ロレナはライアの考えていることを答えた。
「もしや、彼がやっているネットに興味でもでたのですか?」
「んなっ!」
ライアはギクッとした。
「そ、そんなわけなかろう! 我がネットに気になっているなんて……」
ロレナはため息して言った。
「無理もないですね、以前ライア様は龍一様のネットのオフ会について行って、その後興味がわいてきたということに」
「うぅ……」
「好奇心旺盛な事ですね、素直にやりたいと言えばいいのに」
「う、うるさい! 我にはそういうのは無意味だ!」
その時だった。
「何が無意味やねん?」
龍一が来た。
「りゅ、龍一! なぜここに?」
「その台詞、そのまま返すで」
「わ、我は、貴様がやっている奴など興味ないのだぞ!」
ライアは反論的なことを言う。だが、龍一はこれに言い返す。
「毎回こっそり見ているのにかいな?」
「は?」
「最初から気付いたで。ライアはネットに興味津々そうに覗いていたことを」
ライアは図星そうに言えなかった。
「そんなにやりたいなら言えばええやん」
「わ、分かった……」
観念したか、とりあえずパソコンを見た。
「ほう、これがインターネットというものか」
ライアはよく見た。
「これがキーボードや、ひらがなにするにはローマ字を打たんとアカンからな」
「そ、そうか」
「まずは『ア』や。『ア』やから『A』を押すんや」
「分かった」
ライアはキーボードに『A』を押そうとした。だがすると、彼女の頭は混乱した。
「…………」
そして……。
「ぬおおおおおおお!」
動揺と混乱し始めた。
「どないしたんや!」
「ライア様、やはりまだ癖が治っていませんか」
「癖ってなんやねん、ロレナ?」
ロレナはライアの癖を言った。
「ライア様は細かいことが苦手なんですよ」
「そういうものなんかい……」
困った龍一に、ロレナは一つ提案があった。
「龍一様、ここはライア様に指導をお願いしてくれますか?」
「指導?」
「この世界については、信頼しているのは龍一様です。ならば、龍一様にお願いしたいのです」
「う~ん……」
龍一は考えた。ライアはかなりネットに興味津々だった。ならば教えたほうがいいと思った。
「分かったで、とりあえず教えるわ」
「案外、了承しますね」
龍一は言った。
「アンタら二人は別世界から来たとしても、この現世の地上界と異世界のやり方には異なるからな。だからここの世界に来た後、教えないとアカンからな」
「成程、ライア様を信頼しているんですね」
ロレナは納得していた。
そして、数日後―。
「少し慣れたかいな?」
「ま、まぁ、そうだな……。だが、次も教えてほしい。いいな?」
「はいはい」
ライアは行った。
「…………」
この時、ロレナはライアの行動に少し微笑んだ。
「どうしたんや?」
「なんでもないですよ」
ロレナはお茶を一口飲んだ。
その頃、ライアは……。
(ネットの興味が出たのはいいが、なぜこんなにドキドキするんだ? 一体何だこの感じは?)
この時、ライアの心には彼の思いの心が来た事は、それはまた別のお話。