妹の日常はハードでした
「♪~」
鼻歌しながら外出していた人物がいた。彼女は御子柴咲夜、元春の妹である。そんな彼女は、今日は学校もハトバのバイトもない。久しぶりのオフの日だった。
そんな彼女は、元春のために外出したのは、買い物であった。
「今日は、スーパーの安売りだからね~」
ご機嫌な咲夜は街へと向かう。
そして、商店街通りに入ると、ある人が咲夜を声をかけた。
「お~、咲夜ちゃんじゃないか!」
魚屋の村上永斗だった。
「今日は随分と綺麗だなぁ」
「ありがとうございます」
「丁度いいや、今日はマグロが手に入れたんだよ、良かったら貰ってくれや」
永斗はマグロのスライスしたチーズのサイズを、咲夜に渡した。
「いいんですか? ありがとうございます」
咲夜は喜んで行った。永斗はこの時咲夜のこと思った。
(あの咲夜ちゃんは、元春にとってのだからなぁ。血は繋がってないが、意外とブラコンだからなぁ)
その時だった。
「キャー! ひったくりよ!」
女性の悲鳴の声がした。
「何!」
永斗は後ろを振り向いた。そこに、悪人顔な男が来た。
「邪魔だ!」
スリの男は、永斗をどかした。
「痛ぇ! しまった、向こうには咲夜ちゃんが!」
「どけぇゴラァ!」
すると、咲夜は―。
「っ!」
スリの男を一発で蹴りを受けた。
「ブベラッ!」
スリの男は気絶した。
「す、すごいな……」
さすがの永斗もびっくりしていた。
そして、スリの男は警察に引き取り、女性は咲夜に礼をした。
そして、スーパーに着くと、そこにはひとがいっぱいだった。
「すごい人……、もしかして激安が目的かな?」
まるでスズメバチの大群だった。それでも、咲夜は本気だった。
「よし……!」
咲夜は駆け出した、すり抜けるような感じだった。
「イクラ、もやし、どれも激安! 負けない!」
まさに戦場、引っ張り出し、顔を殴ったりなど、まさにカオス状態だった。
「どきなさい! これは私がもらうのよ!」
「この海苔巻きは私のよ!」
「卵パックは、俺のものだ~!」
もはや死人が出てもおかしくない状態、咲夜はそれでも兄のために、戦場の買い物をしたのだった。
そして、帰宅後……。
「すごいな、このイクラ高いやつだろ?」
「さすがです、咲夜さん!」
元春やセレナたちはびっくりしていた。
「このくらい大丈夫だから」
しかし、元春は心配なことが一つあった。
「でも、今日激安の日だったはず。大丈夫だったのか?」
「このくらい、妹として慣れているから」
咲夜は微笑んだ。今日は兄である、元春が喜んでくれたからだ。
その後、小樽市には女神がいると聞いて、それは御子柴咲夜だということになるが、それはまた別のお話。