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見守りたいけど少しは面白そうだったのでもうちょっと見ようかとそう言っていました

ある日のこと、山城龍一はネットをしていた。彼はネットが好きな青年、そんな彼にある情報を目にしたのだった。

「ネットのオフ会?」

 それは、投稿者からの提案話である。

 ―来週の日曜日にオフ会しませんか? 場所はファミレスにて皆さんで語りましょう!

 投稿者のコメントに、龍一は頷いた。

「オフ会か……、それもええな」

 龍一はパソコンのキーボードを押した。

「『こんにちは、私もオフ会に参加します。私も皆さんに話したいことがいっぱいあってワクワクしています。初めてなのでよろしくお願いします、カッコ笑い』」

 すると……。

「何をしている?」

 元魔王幹部のライア・エミルが龍一の部屋に入ってきた。

「オフ会や。来週の日曜日に、ネットのオフ会があるんや」

「なんだそれは?」

 龍一はライアに説明した。

「簡単に言えば、好きなものを語る会やな」

「好きなものか……」

「どうしたんや、興味あるんかいな?」

 これにライアは言った。

「あ、あるわけないだろ! 我はそんなものは興味などない!」

「この前の秋葉原では、気に入ったんやなかったのかいな?」

「そ、それはそれ! これはこれだ!」

「そうかいな。といっても、オフ会やからなぁ……」

 ライアは考えている龍一を言う。

「い、行けばいいではないか」

「ん?」

「我は気になっていないぞ、オフ会など!」

 ライアはそう言ってるが、顔には行きたいと書いてある。

「…………ホンマは行きたいんやろ?」

「違う!」

 すると……。

「素直になればいいじゃないですか」

「いや、そういうことではなくてだな!」

 ライアは言うが、龍一はこれに……。

「何言ってるんやライア? 誰と喋ってるんや?」

「貴様と話しているだろう、素直になればいいと」

「いや、居間のは俺やないで」

「はぁ?」

 その時だった。

「ようやく見つけて人間のところに居候とは、ライア様もこの世界に溶け込んでいるようですね」

 謎の声がした。

「誰や?」

「この声、この毒舌はもしや……」

 そこに現れたのは、紫のフードコートを着た眼鏡の女性だった。

「ロレナ!」

「どちらさんやねん!」

「我の部下、ロレナだ。参謀をしている」

「てことは、魔王幹部の部下にあたるもんかいな」

 ロレナという女性は言った。

「探してようやく見つけて、今はこの男と一緒に住んでいる。しかし、今は溶け込んでいるとは、魔王様が浮かばれませんね」

「う……」

「それにこの前は、男の群れがライア様の前に集まっていましたからね」

 これにライアは異議を唱える。

「待て、何故そのことを知っている?」

「ずっと監視して見ていました。腹抱えているほど笑いました」

「見ていたなら助けろ、貴様!」

「ていうか、腹抱えているってアンタ、サドやろ!」

 サドとはサディスティックの略である。

「いや、そうなのですがおかしくてつい……」

「何笑ってんねん」

「ライア様の動揺に、ついおかしくて……」

 ロレナはプッっと笑う。

「殺すぞ貴様!」

 ライアは赤面しながら怒った。

「まぁまぁ、落ち着くんや。ライアの知り合いというのは分かった。といっても、今は忙しいから後にしてくれ」

「何しているのですか?」

 ロレナは質問した。

「ネットのオフ会や」

「オフ会、あれのことか」

「ソルフィルスにもオフ会あるんかいな」

 ロレナは言った。

「ああ、サバトのオフ会だな」

「いや、サバトのオフ会ってなんや! それ怖い儀式のオフ会やろ!」

 龍一はツッコむ。

「普通に好きなことを語ることや、それに来週の日曜日に参加するんや」

「…………」

 ロレナは何かを思っていた。

「何や?」

「いや、なんでもない」

 そう思ったロレナ。


 そして、日曜日。龍一はネットのオフ会に行こうとした。

「…………、って、なんで二人いるんや! ライアはともかくロレナまで! 一緒に住むと思っていたがここまでやるかいな」

 ライアとロレナまでついてきたのだった。

「我は、とりあえず見るだけだ! 迷惑は掛からない!」

「私はライア様を見守るだけです」

「…………仕方ない」

 こうして龍一たちは、ファミレスでやるオフ会に行くのだった。


    

                               つづく



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