何でもできるメカ娘でした
家に帰宅した義子。そこには、娘二人がいた。
「ただいま」
「ママ、お帰り~」
「遅くなったな、松子、安子」
四歳児の女の子と、一歳児の幼児がいた。だが今回は、違っていた。
「? その人誰?」
「あ、ええっと……」
なぜなら彼女の隣には——メカ娘・シャルアがいるのだった。
「義子さん、この二人はあなたの娘さんでありますか?」
「ああ、そうだ」
「成程、三人で暮らしているのでありますね」
シャルアは頷いた。
「そりゃあ、まぁ……」
すると、シャルアは言った。
「義子さん、私に任せてくれませんか?」
「は?」
「義子さんは休んでください」
「いや、あとでご飯作らないと……」
義子はそう言うが、シャルアはこれに言う。
「大丈夫であります、任せてください」
「…………」
義子はシャルアと出会ったばかり。大丈夫なのかと心配する。
とりあえず風呂に入る義子。
「あのシャルアという奴、セレナと同じ世界から来たのか。まぁ、それはともかくだが、あいつ大丈夫なのかよ?」
すると、風呂のドアのノックの音がした。
「義子さん、ご飯できました」
シャルアの声だった。
「ああ、今行く」
風呂から出て、寝巻きに着替え、居間へ向かった。
「マジかよ……」
義子は唖然した。シャルアが作った料理、完成度が高すぎるほどだった。
「できたであります、どうぞ」
「おいしそ~」
娘達も嬉しそうに言う。そして、一口食べると……。
「! おいしい!」
松子はビックリするほどシャルアの料理が美味かった。
「マジか?」
義子も一口食べた。すると……。
「美味い……」
言葉も出ないほどの美味だった。
「喜んでなりよりであります。ちなみに、すでに布団も敷いてあります」
「お前、なんでもできるんだな」
「はい、家事は得意であります」
「…………」
義子は不思議そうに思っていた。
「なぁ、明日仕事だが、一応セレナたちに会ってみるか?」
「セレナ様にでありますか?」
「お前がソルフィルスからやって来たなら、異世界同士として再会して話すことだ」
これにシャルアは考え、そして答えた。
「分かりました」
シャルアは頷いた。
翌日。義子は起床すると、そこには……。
「おはようございます、義子さん」
「シャルア、お前……」
すでに朝食が用意していた。
「朝食、できております。それから、洗濯物も干しております」
「いつの間に」
「このことなら、私に任せてください。それに今日は、セレナ様達と会うのですよね」
「あ、ああ……」
義子は思った。
(こいつ何でもできるんだな……)
さすがに義子でもびっくりだった。
ハトバの仕事へと向かい、そして……。
「シャルアさん! あなたもここに来ていたのですね!」
セレナ達はシャルアを見て喜んでいた。
「お久しぶりであります、健在でなりよりです」
「しかし、まさか彼女のところに義子さんが拾ったとは……」
「まぁ、色々ありだ」
「ですが、ここに来たとなるとこれからどうするの?」
エリーゼはシャルアに質問した。
「そうでありますね……、私はこの方に拾ってくれたのであります。だからここは、義子さんのメイドとして働きます」
「はぁ? メイド?」
義子は分からないことに、セレナは彼女のことを言う。
「シャルアさんは元メイドのメカなんです」
「……どうりで家事がすごいわけだ」
ようやくわかってきた義子。
「というわけで、よろしくお願いするであります」
「…………」
これにみんなは思って言う。
「いいんじゃないかな? 義子さんの負担がかからないし」
「私もそう思います」
「…………仕方ねぇか」
とりあえず、シャルアは桐島家のメイドとしていることとなった。