異世界についての話を語ってくれるそうです
ある日のこと、ハトバにてある人物が、エリーゼに尋ねる。
「エリーゼちゃん、店長とセレナさんから聞いたんやけど、異世界から来たってホンマかいな?」
「いきなりなんですか?」
彼の名前は、山城龍一。関西出身の楽天家な男である。
「俺ホンマ、異世界とかそういう漫画とかアニメとか、めっちゃ好きやねん。まさか本当に、現実にもおるなんて思わへんかったから~」
「マ、マンガ……?」
「せやっ、俺はRPGが好きやからな、ちょいっと参考にやねん」
これにエリーゼは、どうするかだった。
「そんなこと言って、普通ですよ?」
「ええや、話が地味でも! 俺はそういうのは興味津々やで!」
龍一は本気だった。
「ええっと、一応簡単に説明しますけどね……」
エリーゼは、ソルフィルスのことを語った。
その頃……。
「休憩にしましょうっと……」
セレナは休憩に入るところに、声が聞こえた。
「? この声は、エリーゼさんと龍一さん?」
覗いてみると、二人とも話していた。
「魔物討伐!?」
龍一は驚いた顔で言った。
「私たちの軍は、平和のために魔物を討伐したのです。ですが、疲労困憊の中の兵もいました」
「まぁ、精神で限界な人間もおるからなぁ」
「そんな時、あの方が私たちを鼓舞してくれました」
「それが、あのセレナさんかいな?」
エリーゼは頷いた。
「私、あの人に尊敬していますから。まるで天使のような方で、優しい聖母でしたから」
「なるほどなぁ、まさに戦乙女の聖母ってやつか」
「そうです。あの人がいなかったら、私たちは限界でしたから」
これに龍一は、ある点に気になっていた。
「まぁ、それはええけど、どんな魔物やったんや? スライムとか? オークとか? そんな魔物おったんやろう?」
「色々いましたね」
「その後、討伐したんやろ? あとはそこからは、セレナさんから聞いとるんや」
セレナからはすべて聞いていた。だが、エリーゼはなぜそのことを言うのかと。
「ところで、そこまで別の世界のこと気になるのですか?」
「今は異世界のシリーズがブームなんやからな!」
「勝手なことの話をするなんて……」
エリーゼは嫌そうな顔をした。
「いやいや、向こうが勝手に思考に考えてるだけやって! アレや、マンガでよくあるフィクションとかそういうのは関係ない、いわゆるオリジナルやって!」
「本当なんですか?」
「ホンマやって!」
龍一は、弁解するのだが……。
「なんか納得できないですね」
「そういわへんでよ~、そんなことしたらブーイング来るで?」
「まぁ、仕方ありませんね」
エリーゼは腕組んで、納得しないが認めるしかないと思った。そりゃそうだ、現世というのはそういうもんだと。
すると、龍一は片手に何か持っていた。
「なんですかそれは?」
「スマホ」
スマホをもって、何かのゲームをしていた。
「なんですかこれは?」
「ガチャや!ゲームには石を集めて、そして集まったら10回と1回にレアがでるんやで!」
「ギャンブラーですね」
「勝負は時の運! といっても、最近はレアが出てへんからなぁ」
すると、エリーゼは……。
「こうですか?」
勝手にスマホの10回の解放を押した。
「って、何するんや!」
「ごめんなさい、つい……」
エリーゼは謝った。
「そんなので、レアなんて来るわけが……」
龍一は言葉を止めた。そこには、レアが何度も出たのだった。
「…………」
「どうしましたか?」
「エリーゼちゃん、アンタ天才やん……!幸運の神様かいな!」
エリーゼはびっくりしていた。
「は、はぁ……」
「こんなことってある? わぁ、欲しかったキャラが来おったやん!」
「そこまで?」
呆然とするエリーゼ、喜ぶ龍一、これに彼は言った。
「ホンマありがとな!やっぱ、異世界から来た人ってサイコーやん!」
狂喜乱舞に喜ぶ龍一。
「……」
言葉も出ないエリーゼ。
二人の話に聞いた、セレナは……。
(途中からよくわかりませんでしたが、ファイトですよ、エリーゼさん!)
と、応援していたのだった。