お店とか名前とか値段とか色々痛いものばかりでした
——前回のあらすじ。アニメカフェのサイトを見た山城龍一は、サイトに気になった元魔王幹部であるライア・エミルと一緒に、秋葉原へと赴くことになった。しかし、アニオタだらけにて、ライアもさすがに困惑していて、とりあえず目的のところまで行くのだった。
「ここが、例のアニメカフェなのか」
ようやく目的に着いた二人は、アニメカフェの中に入ることにした。
「いらっしゃいませ~」
中に入ると、人がいっぱいで音楽がアニメの主題歌が流れていた。
「痛々しい店だな」
「初めて見たんやけど、確かに痛々しいなぁ」
ポスターには人気アニメキャラが貼っており、本当に痛い感じの店でだった。
とりあえず、龍一とライアは席に座った。
「それにしても、人が多い店だな」
「人気の店やからな。それはともかく、メニュー何するか決めようや」
ライアはメニューを見た。だがよく見ると、名前が痛いほど凄い。
「アニメとかよくわからんが、メニューが痛い感じがするな」
「せやな」
同意する龍一。
「ふむ……、これにしようかのう」
それはオムライスだった。
「オムライスか」
「おむらいす? 何じゃそれは?」
「何も知らずに決めたんかいな」
ライアは理由を言った。
「なにしろ名前が『邪神の好物のオムライス』と書いてあるぞ」
「邪神の好物ってなんやねん!? どんなオムライスや!」
龍一は名前にツッコんだ。
「まぁええわ、俺はこれにするわな」
「何を頼んだのだ?」
「『転生するカレーライス』」
これにライアは思った。
「……やはり、店だけじゃなくメニューも痛いようだな」
「そうやな」
とりあえず、二人は注文した。
こうして、アニメカフェでご飯を完食した二人。
「ふぅ、おなかいっぱいだぞ」
「そうやなぁ」
ライアは言った。
「さて、これからどうするのだ龍一? 何か買い物でもするのか?」
「…………」
その時龍一は周りを見て思った。アニオタがライアに注目しているのだ。
「…………」
「龍一?」
そして、龍一は決めた。
「ライア、ちょいと服買いに行かへんか?」
「?」
服を買いに行く龍一は、ライアのために服を買うことにした。
「…………」
ライアは服を試着して思った。
「は、恥ずかしいな」
「そうか? 俺はライアが服あらへんから衣服を買いに来たんやで?」
「だがこれは少々、恥ずかしい」
「やめとくか?」
だがライアはこれに……。
「い、いや。やっぱり大丈夫」
「そうか」
しかし、服の値段は痛いほどだった。二万ぐらいするほどだった。
「た、高いぞ……。大丈夫か?」
「……、買うわ」
「ええええ!?」
こうして龍一は自腹でライアの服を買った。
電車に乗り、二人は乗った。
「よいのか、こんな高い服を買って?」
「いいんや」
「お金が痛いほど使ったんじゃないのか?」
「そうやけど、それでもええんや。その服は、ライアと初めて遠くへ出かけた証や」
これにライアは赤面した。
「そ、そうか……」
ライアは言った。
「正直、我は今日は楽しかったぞ。……嬉しいがな」
「? なんか言ったかいな?」
「言っておらぬ!」
ライアはこの時、龍一のことが少しずつ気になるが、それはまた別のお話。