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モデル業界の同級生がハトバの看板として来ました

 ―前回のあらすじ。ハトバ小樽店に遂にモデルさんが来ることになったという朗報が来ていた。だが、そのモデルは実は元春の知り合いだったため、自らの依頼を承諾したという。

 一体誰なのか、心当たりがない元春。そんな帰りに、ナンパ男に絡まれた女性がいて、助け出した元春。その女性はなんと、同級生の仙石巴だった。

 実は彼女は、モデルをやっていたことが分かり、小樽店のモデルとして自ら推薦したのだった。

 これに元春は、先がやられると思い本日日にて大変なことが起こるのをため息しながら呆れるのだった。


「と、いうわけで……。昨日言った通り、来るモデルさんは俺の同級生である、仙石巴さんだ」

 元春の説明に、全員は唖然した。

「仙石巴さんって、あの有名なグラビアモデル?」

「しかも、癒しな小悪魔で有名な人?」

 桜子と龍一は口を開いて言う。

「そうだ」

 これに手を挙げたのは義子だった。

「少しいいか? 百歩譲ってモデルの名前はよくわかった。だが、同級生というのはどういうことだ?」

「それは……、実は俺自身も驚いてるんだ」

「どういうことだ?」

「実は仙石とは同級生になったのは高校時代だ。昔は芋女系の女子だったらしく、かなり内気なところがあったんだ。とりあえずは語った仲だが、卒業後には別のところに行ったって聞いたんだ」

「そうだったのですね」

 だが、元春本人が一番驚いていたのが見た目だった。

「正直再会した時はびっくりしていた。髪も変わってるし、眼鏡はコンタクトだし、変わりすぎだろ」

「卒業後に自分を変えるためにやったのでしょうね」

 和正は推測的に言った。

「人は変わる事もあります。仙石さんは昔の自分を捨て、新しい自分として進んだ、そういう事でしょう。まさに古き殻を割り、新しき進むかの如しですな」

「それもそうかも……」

「で、その人はいつ来るのですか?」

 元春は時計を見た。

「そろそろかと思うけど……」

 すると、駐車場からテレビ局が来た。

「店長、あれじゃないですか?」

 白い車が一台来て、ロゴには「朝日テレビ」と書いてあった。

「間違いないな。よし、準備だ!」

 朝日テレビ局の関係者を出迎えることにした。


「どうも、こんにちは」

 現れたのはサングラスをかけていた中年の男性だった。

「小樽店の店長さんですね。私は朝日テレビのCM監督を務めている永田健太郎(ながた けんたろう)といいます」

「よろしくお願いします」

「今回は化粧品のモデル。それからこの店のモデル看板として、写真を撮ります」

 すると、元春は気付いた。

「ちょっと、待ってください。モデル看板?」

「今日決定して、モデルさんがこの店の看板モデルになるんですよ」

「はいっ⁉」

 看板モデルなんて聞いてない。今日決定するなんて、仙石は何を考えてるのか分からなかった。

 その耳に、セレナたちは驚いていた。

「看板モデルなんて、初耳です」

 永田はそのことを理由に言った。

「まぁ、本人の希望で。店長さんの同級生ですから、大丈夫でしょう」

「不安だ……」

 さらにもっと不安があった。

「元春さん、窓のところに―」

「ん?」

 そこにいたのは、村上達だった。窓際にいた村上達を見て、元春はズッコケた。

「あれって、村上さんたちじゃあ……」

「何でここに?」

 元春は村上達の元へ向かう。

「なにしてんだよ、お前ら!」

 村上は言った。

「いや~、それが仙石がお前の店の看板モデルになるって聞いて応援しに来たんだよ」

「有難迷惑なんだけど」

 村上、車坂、美作、剛力、小倉は仙石の同級生。その応援に来たのだろう。更に小倉康夫の妻・三里も応援に来たが、なんでも彼女のファンだという。

「というより―」

 一番気になっていたのは、応援の布だった。

「それ何?」

「これか? あいつ昔は内気だったけど、皆からは応援してるっていうからさ。作ったんだよ!」

「更に有難迷惑だよ!」

 元春はツッコミを入れた。

「何やってんだよ! そんなのあったら仙石気まずくなるんだろ!」

「そう言ってもなぁ、これ案出したの小倉の奥さんだよな」

 布の案は三里だった。

「三里さん⁉」

「あの人応援したくなるというか……、これ作ってつい……」

「逆にあなたがこの案を出したのがすごいよ!」

 揉めていると、そこへもう一台の車が来た。

「仙石巴さん、入りまーす!」

 巴が来たのだった。

「よろしくお願いします」

「仙石⁉」

「今日のモデル、よろしくお願いしますね」

「あ、ああ」

 これに元春は思った。

(―大丈夫なのか? これもしかしたら、またややこしいことになるけど)

 すると、またややこしいのが来たのだった。

「巴ちゃん?」

 そこにいたのは、ハトバのマネージャー・高町円だった。

「円ちゃん!」

「な、なんでここに?」

「この店のモデル担当になったの!」

 すると、円は元春の方に向いて話をした。

「一体どういう事? どうして、彼女がここに?」

「円は二日間不在だったから聞いてなかったけど、チーフからモデルさんが来るのを伝えて、ここに来る予定だったんだよ」

「でも、どうして彼女?」

「自らの推薦らしい」

「……」

 すると、巴は二人を見た。

「あの~、大丈夫?」

「だ、大丈夫! そのことなら、ハトバの作業服を借りますので、着替える場所へ案内します!」

 円は巴を着替える所へ案内した。

「……今日一日、これやるのが辛い……」

 モデル業界の同級生、かなりハードルが高い、元春は初めてのモデルとの撮影が行うのだった。




                                つづく





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