かつての同級生が友人のハーレムを見てすごく羨ましがっていました
今日は公休日で非番の日。そう思った元春は、久しぶりに外食することにした。セレナたちも同じく非番のため、誘った。
しかし……。
「……」
彼の周りは四人の女性。まるでハーレム状態だったが、元春は気まずかった。
「なんだ、あいつ……?」
「女の子四人もべったりと……」
「羨ましい……」
睨んでくる人に、元春は怖がる。
(凄く滅茶苦茶睨んでいる……。そうだよなぁ、セレナさんにエリーゼさん、キャロルさんに妹の咲夜、こうなるよなぁ……)
ネガティブに考えている元春。
「どうしましたか、元春さん?」
「あ、いや、なんでもないよ」
「でも、町の人が睨んでいる。この世界はこういう事なんだ」
キャロルは言う。
(それはアンタらが町の人が俺を妬むからだよ!)
元春は心の中でツッコんだ。
するとそこに……。
「よう、元春じゃないか!」
「! お前ら!」
現れたのは三人の男だった。一人は熱血な男、二人はハチマキをした男、もう一人は眼鏡をかけた男だった。
「久しぶりだなぁ、仕事大丈夫か?」
「今日は非番だよ」
これにセレナたちは言った。
「あの人たちは誰ですか?」
質問に答えたのは咲夜だった。
「お兄ちゃんの同級生で友人の人だよ」
「元春さんの友達?」
「あの人は、魚屋を営んでいる村上永斗さん。ハチマキしている人は、自動車やバイク、自転車の『サイクリング』の店長の車坂巻平さん。で、眼鏡の人は、美容店『ビューティフル』の店長の美作正志さん。三人とも、お兄ちゃんとは長い付き合いだから」
これにセレナたちは思った。
「よく知っていますね……」
「お兄ちゃんのためならこうだから」
さすがシスコンで元春想い。ここまで情報持っているとは思わなかった。
「というか、咲夜ちゃんは知ってるけど、この子たち誰?」
永斗はセレナたちを見て指をさした。
「ええっと、なんていえばいいかな?」
すると……。
「元春さんのご友人ですね? 初めまして、私はエリーゼ・ルドベキア。元春さんと同居しています」
(エリーゼさんんんんんん!?)
エリーゼの一言に、三人は唖然した。
「な、な、な、何ぃィィィィィ!?」
「元春のところに住んでいるのか!?」
「こんな美人さんが?」
これに元春は何とか弁解するが……。
「待って、これには深い意味があるんだ!」
「ちなみに私たちは、現在元春さんと同居中です」
エリーゼの一言に、永斗達はショックした。
「嘘だろォォォ!」
「エリーゼさん、ちょっと黙ってくれないか!」
元春はエリーゼに注意をする。
「私、嘘は言ってないのですが?」
「人にはそれぞれがあるんだよ!」
これに三人は言った。
「そうだよな……。元春はかなりモテモテだったし……、どうして地味な奴に負けたんだろう……」
「地味って言わないでくれる!? 傷つくけど!?」
落ち込む三人。そこに……。
「あの、大丈夫ですか?」
セレナが永斗達に近づく。
「アンタは?」
「セレナといいます。うちの方が本当にすみませんでした」
セレナを見た三人は思った。
「せ、聖母だ! ここに聖母がいる!」
「こんな美人な聖母がいるなんて……」
「くそぉ! 羨ましい!」
永斗達はセレナが元春のところにいることに羨ましかった。天使。いや、聖母様と言いたいぐらいだった。
「あ、あの……」
「セレナさん、この三人はヒーバー状態になってるから、そこまでにしたほうがいいよ」
「ヒーバーって何ですか?」
するとこれに咲夜は言いた。
「お兄ちゃん、予約の時間が……」
「やばっ! もうこんな時間! じゃあ、俺はこれで!」
元春達は行った。
これに永斗達は、元春のことを思った。
「巻平、正志。どう思う?」
「何が?」
「元春だよ! なんであいつがモテるんだよ! あんなハーレムだらけでおかしくないか!?」
「確かにそうだな! どうするんだ?」
永斗は言った。
「決まってるだろ、元春をつけるんだよ! あいつの貞操はどうなのか見極めるんだよ!」
「止めたほうがいいよ」
「何言ってるんだ、正志! あいつの状況を見るんだよ!」
「は、はぁ……」
正志は頬に汗を垂らす。
「そうと決まれば行くぞ!」
「おー!」
「大丈夫かな、これ……」
三人はとりあえず元春につけることにした。
つづく