オマケシリーズ 第十一弾
『ショート十一話 倉木雪子』
倉木雪子はハトバの店員・薬剤師である。そんな彼女には普通に見えるが実は腰に刀がつけていたのだった。
そんな彼女は、実家が刃物屋。久しぶりの有給休暇を取って、実家に戻ることに。共に同居していた霊術師・アリア・ソウルートも一緒に雪子の実家に入っていた。
「よく見ると、色々な包丁があるんですね……」
「そうなのよ。なにしろ、こんなにいっぱいあるのだからね」
アリアは雪子が持っている刀を見て思った。ここは現世、銃刀法違反レベルなのではと思った。
「あの~、どうして刀を腰に?」
「ええっと、それは……。不安防止かしら?」
「不安防止、ですか?」
「まぁ、そんなところよ」
そこへ―。
「雪子様、ちょっとよろしいですか?」
「はい」
雪子は刃物屋の店員に呼びかけた。
すると―。
「気になるのかい?」
そこに現れたのは、雪子の母親だった。
「あの子は色々あって、腰に刀をつけているのよ。子供のころからね」
(子供のころからだったのですか……?)
「でもいつか、あなたのような人がいたら、雪子の心も少し溶け込むのかもね」
「……」
その様子を見たアリアは、雪子を見てどう思うのか。
それはまた、別の話になる。