皆で海に行って遊び始めました
―旅行二日目。元春達は、朝食を取りながら元春の二日目について説明した。
「今日は皆で海に行くことになった。場所はホテル日航アリビラにある『ニライビーチ』だ」
「なんですかそれは?」
「県内屈指の透明一の海水浴だ。かなり人が多いから、今日一日はそこで過ごすことになる」
「ニライビーチですかぁ、いいですねぇ」
「あまり遠くに行かないようにしてくれ。沖縄旅行に来た人が多くいるから」
こうして、元春達は今日一日、ニライビーチで過ごすことになった。
各自、水着や浮き輪など持って行き、海へ向かうことになった。
「青い空! 青い海! ニライビーチや!」
龍一はニライビーチを見て興奮していた。
「凄く暑いアル!」
「さすが、美しい海ですな」
ユンも和正も、ニライビーチでワクワクしていた。
一方、元春は―。
「写真で見たけど、リアルだと凄いな……」
「確かにそうですね……。これが、現世世界の海なんですね」
エリーゼも流石にビックリしていた。
「そういえば、セレナさんらは?」
「まだ着替えてないのですが、遅いですね」
どうやら、セレナや円が来ていない。おそらくは更衣室だろう。
そこへ―。
「お、お待たせしました……」
赤白いモノキニの水着を着たセレナとフリフリの水着を着た円が来た。
「どう、元春?」
これに元春は二人を見て、赤面した。
「似合っている……」
「そ、そうですか……」
だが、一方エリーゼは自分の胸を見て思った。
「………」
そして……。
「負けた……」
何かの敗北感を覚えた。
その一方、龍一の方では……。
「ま、待たせたな……」
ビキニの水着を着たライアが来た。
「麻衣様に勧められた水着だが、これでいいのか?」
「……、紅。お前……」
「いいじゃない、イチコロよ!」
「そうやないやろ! 誰かに見られたらアカンやろ! 俺の水着用パーカー貸すから!」
龍一はパーカーをライアに着せた。
「……ありがとう」
ライアはものすごく照れた。その様子を見た姉・マリーナは……。
(妹よ、姉は感心しておるぞ。そして、胸があって少し嫉妬しているがな……)
特に胸を見て少し悔しかったという。すると、本人同様悔しがっていた人物がいた。
「………!」
エリーゼだった。これにマリーナは目配りした。
(お互い、巨乳だらけで苦労するな……)
(同感です)
二人は敵同士なのに、何かに芽生えた。
「……なんの友情だ、これ?」
その様子を見た義子はツッコミを入れた。
元春達は海に入り、楽しんでいた。その様子を見た荷物番をしていた義子と、娘二人が砂遊びの様子を見たシャルアがいた。
「……」
この時、シャルアは海を見て、遊んでいる人を見て思った。
「? どうした?」
その横に、義子はシャルアを尋ねた。
「正直、分からない事かあります。海に来て、人はこんなに楽しそうに遊んでいるなんて」
「……珍しいのか?」
「機械娘である私には、あまりよくわかりません」
「……」
このことに、義子は海を見た。
「まぁ、考えなくてもいいんじゃないのか?」
「え?」
「ソルフィルスの世界が広くても、この世界も広い。正直、あたしもめんどくさい事が多かったが、世の中は広いし、生きるのも楽しい」
「世の中、ですか……」
「うちの娘を見ろ、楽しそうに遊んでるじゃねぇか」
義子の娘・松子と安子は砂遊びで楽しそうにやっていた。
「……確かに」
「人生は長いからよ、この世界でも学んでおけよ」
「……承知しました」
シャルアは何かの心を感じたのだった。
そして、海で遊んでお昼頃―。
「おなかすいたねぇ」
「流石に肉は食いたいぐらいだよ」
おなかペコペコな元春達。
「そういえば、昼食はどうするのですか?」
だが、これも元春は想定内に入っていた。
「それなら、ちょうどいい海のカフェを予約したから」
「さすが店長!」
こうして、元春達は昼食を食べに行くことにした。
つづく