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ホテルで夕食のごちそうで一服です

 ―こうして、宿泊先・ホテル日航アリビラに着いた元春達は夜六時まで休んだのだった。そして、夜六時になった頃……。

「夕食はバイキング定食のようだな」

「ばいきんぐ?」

 元春はエリーゼにバイキングについて言う。

「簡単に言えば、好きなご飯やおかず、野菜やデザートなどを好きなだけ取るコースだ」

「なるほど、だからこんなにも御馳走がいっぱいあるのですね」

「もちろん飲み物も放題だ」

 これに皆は唾を飲み込むほど、よだれを垂らした。

「美味しそう……」

「今日は色々カオスがあった一日やったけど、これ食って忘れよう」

「これはまさしく、美酒美食の取り放題ですな。……よだれが出るほどの香ばしいです」

「私、おなかすいたよ~」

 かなりのお疲れにおなかがすいている元春達。

 好きなだけご飯を取り、時にはかなりの数で取ったり、大盛にしたりなどだった。

「なかなかの美味じゃのう。このカツカレーとやら、素晴らしい一品じゃ」

「マリーナも嬉しそうだな」

 さらには―。

「子供用のお子様ランチを持ってきましたであります」

 シャルアは、義子の娘二人に夕食を持ってきた。

「シャルア、お前も息抜きは大切だ。飯食ったほうがいいぞ」

「ですが、義子様のお二人を見守らなければいけないので」

「まぁ、いいけど……」

 こうして、元春達は楽しくご飯を食べたのだった。


 一時間後……。

「ふう……、いかん。少し酔いが来た」

「大丈夫ですか?」

「アルコール入りのジュースだからな。少し、風に当たるよ」

 元春は外に出た。

「………」

 するとそこには、円が酔っていた。

「まだまだいくぞ~」

「高町さん、もうその辺で……」

「ホンマ酒癖悪いわぁ……」

 セレナはこれに席を外し、外に出た。


 一方、元春は夜空を眺めていた。

「………」

 そこへ、セレナが来た。

「元春さん、どうしましたか?」

 元春は夜空を見て言った。

「いや……。ちょっと考え事さ」

「考え事とは?」

 元春はある話の事で気になっていたのだった。

「以前、機野さんの所で騒音迷惑を止めに行った時、あの人が言っていた『時空の使命』というのを」

「それが一体?」

「セレナさん達はこの世界に来て、この現世で何か起ころうとしている。そのことを防ぐためにやって来た……。その時空をセレナさん達を導いたのが時空を司る神である、と」

「でも、その話をなぜ?」

「この先、何が起きるのか……、もしかして東京、いや世界に災いが起こるというのか?」

 元春は腕組んで首を傾げる。

「もし、それの理由があればいいのだが……」

 確かにそうだった。セレナとエリーゼ、ライア達がなぜ異世界から現世へやって来たのか。一つ分かると言えば、時空を司る神が彼女らを現世へ呼び寄せた、それしかなかった。

 だが、セレナ達がここに来た理由。それを真実に証明したい。

「………」

 これにセレナは―。

「時空を司る神なのですが、一つだけ特徴があります」

「? それは一体?」

「ランダムになるのですが、人間、生き物などの中に宿るんです」

「それって、身体を乗っ取るってこと?」

「私やエリーゼさんらが異世界から来た人物なら、きっと時空を司る神は見抜けるはずかと」

「出会いは運しだい、か」

 元春はこれに出会うのを気長に待つしかない、そう思った。


 とりあえず、二人は中に入った。が、そこで呆然としていた。

「うぅ……、本当にひどい目に遭ったんだよ今日! 分かる、私の気持ち!」

 円は泥酔して泣いていた。

「高町さん、お酒その辺で!」

「もう沈んでますやん!」

「うるさい! 何で飛行機にハイジャックなのよォォォォ!」

 元春は額に当てながらため息をして、セレナは苦笑していたという。


 その頃、東京・小樽市では―。

「よう、村上! お疲れさん」

 村上が店を閉めようとしているところに、車坂が来た。

「どうした、車坂?」

「聞いたか? 御子柴の奴、店員全ての沖縄旅行」

「知ってる。羨ましいなぁ」

「まぁ、アイツの事だからな。きっとバカンス楽しんでるって」

「そうだな」

 村上は頭を掻いた。

「それはそうと、後で一杯やる?」

「いいねぇ、ちょうど阪神と巨人の試合があるから。それ見ながらにしようぜ」

 二人は話していると、別の店でテレビのニュースがやっていた。

『続いて、天気予報です。来週からゆっくり南の太平洋からかなりゆっくりの台風が来るでしょう―』

 この時、元春達はバカンス中に台風が来ることをまだ知らなかった。





                                 つづく



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