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近所迷惑なので押しかけに行きました

 ―小樽市の住民は困っていた。それは、毎日毎日迷惑している事である。町の人らが怒ってるのは―騒音問題だった。

 キュイ~ン! ガシャン! ガガガガガガッ! ガシャンゴットン!

 かなりの大きな音で、人々らは困っていたのだった。警察に相談しても、騒音の脅威で聞こえなかったらしい。

 そんなある日のことだった。今日は元春達は仕事の公休日である。久しぶりにゆっくりと寝ることにした、ところがだった。

「…………」

 朝からの騒音の音にて、元春は耳をふさぐ。耳栓しても聞こえるのだった。

「………、だァァァァァァ! 朝っぱらからうるさい音! 久しぶりの公休日なのに、何なんだよこの音は!?」

 そこへ―。

「元春さん……」

「おはようございます……」

 セレナ達が出てきて、眠そうな顔をしていた。

「朝から、騒音がしてうるさいですよ」

「本当に嫌な起き方……」

 咲夜はあくびをした。

「本当にノイローゼになるな、この騒音は……」

「一体何をしているのですか?」

「分からない。だが一つだけわかるのは、向こうには機械いじりのジジイが住んでいるということだよ」

「機械いじりのおじいさん?」

 エルザは首を傾ける。

「あそこには、あるおじいさんが住んでて、何を作っているか俺にはさっぱりさ」

「はぁ……」

 するとそこへ―。

「御子柴君、起きてる?」

 隣に住んでいた円が来た。

「どうした円?」

「この騒音迷惑問題で、町の人がカンカンになってるの。今、大家さんがその家に抗議しに行ったのよ」

「まじか……」


 その頃、柳文子率いる住民達は―。

「こら、出てこんかいクソジジイ! あんたの騒音のせいで近所の皆さんが困っているんだよ!」

「うちの息子がその音のせいで、勉強ができないのよ!」

「今すぐ出てこいや、でないと強行突破でシャッター壊すぞ!」

 ブーイングな発言で言うと、そこに元春達が来た。

「大家さん」

「アンタらかい、なんとかしてくれないか? あたしら中年でもここまでは聞かないんだよ。若造のアンタたちなら、なんとかしてくれるんじゃないのかい?」

「俺らがですか? といってもどうやって……?」

「こいつを使いな」

 文子が出したのは、大槌だった。

「これって、大槌?」

「シャッター壊してくれ」

「って、それって破損罪になりますって!」

 しかし、文子は大丈夫と言う。

「大丈夫さ、警察から許可出してるから」

「せめて警察官がやれよって文句言いたいのですが!?」

「とりあえず、なんとかしてくれ」

「………」

 渋々仕方ないと思った元春。

「仕方ないか……」

 大槌を振り上げ、そして―。

「せぇ~の!」

 叩こうとしたその時だった。シャッターが開けたとたん……。

 ガラララッ! バギッ!

 中から、大きなロボットが出て来た後、元春は既に大槌を下ろした。がー。

「………あ”」

 かなりのロボットの硬さで痛み出す。

「い、痛ってぇぇぇぇぇ……」

「元春さん、大丈夫ですか!?」

「というより、何アレ!?」

 元春達は、ロボットを見て呆然とする。

「………ろ、ロボット?」

 そこへ、作業員な恰好をした一人の老人が来た。

「なんじゃ、騒がしいのう」

「? あなたは?」

 老人は言った。

「ワシは、機野戒次郎(きの かいじろう)。発明家じゃが、何の用じゃ?」

 文子は言った。

「アンタさぁ、近所迷惑だと気付かないのかい? 近所からのクレームが殺到してるのよ」

「何を言っておる! ワシは命にかけても、発明な物を作っているんじゃ! 令和にとっての、この時なんじゃよ」

「ノーベル賞でも取るつもりか? まずは近所の周りを見てくださいよ」

 元春は言うと、戒次郎は怒る。

「余計なお世話だ! 番三(ばんぞう)、こいつらを追い払え!」

「番三って、このロボット?」

 その時だった。番三というロボットは、元春の頭を掴んだ。

「あ痛たたたたたたっ!」

「お兄ちゃん!」

「御子柴君!」

「ちょっと! 止めなさいって!」

 これに戒次郎は番三を命令する。

「放り投げろ!」

 その時だった。番三は、元春を戒次郎に向けて投げた。

 ドコォ!

「ぎぃあァァァァァァァァ!」

「………」

 唖然とする皆、元春は言う。

「………ノーベル賞には惜しいな」

「やかましい」

 余計なお世話なことをツッコむ戒次郎だった。




                                 つづく




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