騎士団長の髪型に店長の本音を言いました
―前回のあらすじ。セレナは髪質を見て違和感を感じていた。元春に聞くには、彼の友人・美作正志が営んでいる美容店『ビューティフル』、元春の薦めでセレナはそこへ向かい、そしてポニーテールからロングヘアーに変わった。元春達はセレナの髪型に呆然としていた。
だが、元春の態度にセレナは分からなかった。好意がある彼に、どう言えばいいのかを―。
そして、翌日にセレナは仕事でロングヘア―で出勤した。
「セレナさん、その髪型どうしたの……?」
雪子達はセレナの髪型を見て、ビックリした。
「髪を少し切って、ロングヘアーにしました」
「マジかいな!?」
これに中で、一番ビックリして興奮していたのは―。
「ふああああああああ……、可愛いよぉ~、セレナさん凄く可愛いよ!」
桜子だった。
「あ、ありがとうございます」
照れていたセレナ。するとそこへ―。
「あ……」
「…………!」
元春が来て、少し気まずかった。
「あ、ええっと……」
「と、とりあえず今回はよろしく」
「は、はい」
元春はギクシャクしながら行った。この状況に、全員は気付いた。
(あ~、なるほどな……)
(察したな、これは)
(店長、分かりやすいアル)
「…………」
午前十一時ぐらいの頃、お客が来た後に、なぜかみんなセレナを見て注目していた。
「…………」
(うぅ……、気まずいです……)
もの凄くジロジロ見ている人もいた。
するとー。
「お客様、何かお探しですかー?」
元春が入ってきた。
「…………!」
「あ、いや、……ある洗顔を……」
元春が入ってきたのは偶然なのか、それとも妬んでいたのか、セレナは分からなかった。
そして休憩中、セレナは同じ休憩中に入った桜子に相談して、話した。
「お客様にジロジロ見ている?」
「…………そこへ、元春さんが来てて妬んでいるんです。私、この髪型にして、目立ち過ぎましたか?」
これに桜子はセレナを励ましに言った。
「だ、大丈夫だよ……」
二人の話にて、その一方に聞いていた店員がいた。
「…………」
桐島義子だった。ため息をして、頭を掻いた。
そこへ―。
「? 桐島さんも休憩?」
するとだった。
「御子柴、ちょっと付き合え」
「はい?」
義子の一言に、元春は少しビビっていた。
外で話し、義子は言った。
「お前さ、セレナの髪型を見てどう思っているんだ?」
「どうって……?」
「お前は多少、優柔不断なとこあるからな。正直に言え、セレナの髪型はどんな感じだった?」
「…………」
元春はこれに、セレナの髪型について言う。
「綺麗だと思ってる。セレナさんの違和感があるのは分かってるさ。けど、俺はやっぱり―」
元春は答えた。
「いつもの髪型のほうが、セレナさんらしい髪型と思うよ」
彼の答えに、義子は思う。
「…………それが、アンタの感想の本音か?」
元春は黙るしかなかった。
これに義子は、元春にセレナの女心を言う。
「正直に言えば、そうかもしれない」
その一方、セレナは聞いていた。
(……元春さんは、いつもの私の髪型が好きだったんだ)
だが、彼女の心は―少し嬉しかったように見えていた。
その帰り、セレナは元の髪型を戻すため、美作が営んでいる美容店『ビューティフル』に寄った。
「いいのですか?」
「いいんです。やっぱりこの髪型が、一番好きですし」
元のポニーテールにした。
「御子柴なら、セレナさんの髪型では、それが一番お気に入りでしょうね」
「そうですね」
セレナの悩みが吹っ切れたかのようだった。こうして、彼女の髪型はいつものポニーテールにすることにしたのだった。