中学時代からの同級生と再会しました
ある日のことだった。山城龍一は久しぶりの仕事の公休日が入ったので、一人で出かけて秋葉原へと向かった。龍一は秋葉原に向かった理由、それはパソコンの掃除セットを買いに来たのだった。
「ええっと、画面のウエットティッシュシート、それからパソコン用の塵取り箒……」
買う物を買った龍一、するとそこに―。
「あれ? そこにいるのって、山城君?」
「ん? げっ!」
龍一は声が聞こえた方向にある人物を見て、嫌そうな顔をする。
「久しぶりしゃないの、中学時代ぶり?」
「…………」
龍一は心の中で「うわぁ~、嫌な奴にあってしまった」という顔をした。
「なによ、その顔? せっかくの久しぶりに会ったじゃないの! 本当に陰キャっぽい関西弁男」
「その口が、どの面下げてるんや。紅麻衣」
ピンク髪のショートカット、紅麻衣。彼女は、龍一とは腐れ縁だった中学時代の同級生である。そんな彼女と再会したが、龍一本人は面倒な再会と思っているだろう。
「だいたい、なんでここにおるんや?」
「暇だから秋葉原で遊びに。そういう山城君は?」
「俺はネット用の掃除が切れたから買い物に来ただけや」
「うわ~、ネットやってるんだ。てことは、もしかしてアレとかやってるんじゃないの? ○○とか○○とかやってて」
これに龍一は怒る。
「そんなんやるか、んな破廉恥なことを! ホンマ昔からなんも変わらない奴やな」
「にししし、そうかな~」
「…………」
この時、龍一は麻衣の事を思っていた。
(ホンマこいつは、昔から小悪魔少女キャラやったわ。明るい性格で、ようホンマ俺にちょっかいして来た女や。こいつと一緒に居るとホンマに疲れるわな)
「? どうしたの?」
「なんでもない」
すると麻衣は言う。
「久しぶりだし、近くのカフェで話そう!」
「はぁ? 俺はもうやることやったから、これから帰ろうと思っていたのに」
「いいじゃないの、ホラホラ行くわよ! あそこのカフェ、いい店なのよ!」
麻衣は龍一の腕を引っ張ってカフェへ向かった。
「いや、だから、ちょ……、話聞いてる!?」
そして、二人はカフェに入った。
「いや~、まさか再会するなんて思ってなかった。でも、元気そうでよかった!」
「…………」
すると龍一は、沈黙していた。
「山城君、今はどこで働いてるの?」
「…………」
「山城君?」
龍一は黙っていたが、口を開いて言う。
「紅、もう慰めなくていい。俺は、昔の人生は狂っていたからな」
「……ごめん。ポジティブな言葉を言おうと思ってたんだけど、やっぱり心労は昔から続いているんだっけ?」
「少し思い出したわ、お前だけ俺のことを心配していたのは。俺の親が亡くなってから、罵言の嵐やった。だが、お前だけは俺にとっての味方やった。小悪魔な性格なのに、ホンマにな」
これに麻衣は、呟いて言う。
「私だって、昔からあったわよ。言えないことだけど、なぜかアンタたけは同情するのよ。そんだけ」
「……そうかい、俺はこういう人間や。普通な日々が過ごせばええんやからさ」
龍一は立ち上がると、帰ろうとした。
「俺帰るわ」
「…………」
龍一はそう言って、自分の頼んだメニューだけ払って帰った。
そして、アパートに戻ると―。
「遅かったですね」
ロレナがいた。
「すまん、色々あってな。すぐ、夕飯の準備するから」
「…………!」
ロレナはなぜか驚愕の顔をした。
「どないしたん?」
「そ、その方は……」
「ん?」
龍一は後ろを見ると、そこにいたのは―。
「おっはー」
「!? く、紅!?」
まさかの麻衣がいた。さらに―。
「どうしたのだ、龍一?」
「何があったのじゃ?」
ライアとマリーナが来た。が、すると二人もロレナと同じ驚愕顔をした。
「ここに住んでいたという事ね」
「なんでここにいるんや! ……って、皆! これはちゃうねん、こいつは……、ん?」
龍一はライア達の震えている様子を見た。
「どないしたん?」
「な、な、なぜあなたが、ここに!?」
「生きていたのですか!」
「生きていた? おい、ライア。一体何言ってるんや?」
ライアは言った。
「その方は、魔王様の……魔王様の娘だぞ!」
これに龍一は……。
「いや、冗談やろ? お前らの世界って異世界やろ? ソルフィルスやろ? 紅がそんな……」
その時だった。
「なるほどね、元部下と同居だったなんて」
「はい?」
すると、麻衣は何かの力で変えた。それは、人間の半身。頭に角に尻尾があった。
「…………え、ええええええええええええええええ!?」
龍一は彼女の姿を見て、ビックリしていた。
つづく