マフィアのボスとハトバの店長お互いに対面しました
―前回のあらすじ。ハトバにマフィアがやって来た。龍一はこれにビビっていた。
(え、ええええええええええええ!? ちょ……、待っ……、ええええええええ!? 完全にマフィアやん! 殺し屋集団やん! なんで、そんな奴らがハトバに来てんの!?)
龍一は、中国のマフィア集団『天空会』を見てビビっていた。
(アカン、これはアカン! 一番ヤバい奴やん!)
「おい、日本人」
天空会の部下は、龍一を尋ねた。
「ここにボスの娘、つまりお嬢様がここにいるだろう? 会わしてもらいたい」
「…………っ」
これに、天空会のボスは言う。
「まぁ、待て。娘に会っても、アイツは警戒するだけだ。ここは、この店の店長を呼んでくれ」
「わ、分かりました!」
龍一は元春の所へ行った。
その頃、元春はセレナやエリーゼと共に休憩室にいた。するとそこへ―。
「て、店長! ある方が店長に会いたいって」
「ある方?」
「信じられないのですが、マフィアの集団で」
「ま、マフィア?」
元春は少し驚いていた。これに二人は気になっていた。
「まふぃあ、って何ですか?」
「簡単に言うと、殺し屋だ」
「え? いや、殺し屋もこの世界にもいるんですか?」
だが、元春が気になっていたのは―。
「というより、うちの店にマフィアがやってくるなんて前代未聞だよ。そもそも、いるのか?」
「店の外にいます」
「そんなのあるわけが―」
元春達は店の外へ出た。
「―あった……」
元春達は天空会と対面した。そして、マフィアのボスを見て啞然とした。
「初めまして、私は中国のマフィアのボスとして勤めています、『天空会』のボス・ジャスコ・リーシャンと申します」
「は、はぁ……」
元春は思った。
(ガチのマフィアだった……、とんでもないことになったな……。この店に何しに来たんだろう……?)
ジャスコは言った。
「私は中国のマフィア『天空会』のボス、ジャスコ・リーシャンと申します」
ジャスコは挨拶の礼をしながら、名刺を出す。
「どうも……」
名刺をよく見ると、『実業家・天空会 ジャスコ・リーシャン』と書いてあった。
(実業家って、そこまでいらないんじゃあ……?)
「実を言いますと、この店に我が娘がいると情報が入りました」
「む、娘さんですか?」
「左様でございます」
元春は思った。
(ハトバにこの人の娘さん、居たかな……?)
そう思っていると、セレナとエリーゼは名刺を見て気付いた。
「元春さん、『リーシャン』って、何処かで聞いたことがあるフルネームの下のような……」
「私もです」
「リーシャン……、リーシャン……、………ん?」
元春はまさかと思った。
「あの~、ジャスコさんでしたっけ? 娘さんの本名は?」
「ユン・リーシャンだ」
「…………」
元春達は、ジャスコの娘の名前に驚愕した。
「ゆ、ゆ、ゆゆゆゆゆ、ユンさんのお父さんンンンンン!?」
「やはりここだったか」
これに元春達は唖然しながら話した。
(ユンさんのお父さん!? そういえば、中国から来たって彼女言ってたな……。てことは、彼女はマフィアの娘ってこと!?)
(元春さん、これユンさん本人に会わした方がいいのではないでしょうか?)
(もし、嘘ついたら何かされるはずかと……)
(し、しかし……)
そこへ―。
「店長~、山城さんが何か慌てていましたけど?」
「…………!」
ユンはジャスコを見て驚いた。
「やっと見つけたぞ、ユン」
「ぱ、ぱ、パピー……!」
「ぱぴー?」
セレナはユンが言ったことに、はてなマークした。
「日本語で父って呼ぶんだ」
「やはりここだったみたいだな」
「どうしてここにいるアルか?」
「決まっているだろう、お前を中国から帰す為に迎えに来た」
ジャスコの言動に元春は言う。
「ど、どういうことですか?」
「我が娘は、日本から亡命したのだ」
「ぼ、亡命……?」
ユンが日本にやって来た理由、それは重なりがあったのだ。
つづく