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死を視る  作者: さんずいの京
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第一章 ふたたび 第二節 元死神

第二節 元死神

私は急いで片付けて病院に向かう。

学校から病院はバスで20分ほどでつく。

「あら!足どうしたの?」

何度も病院に訪れているためほとんどの看護師とは顔見知りだ。

「ガラスで切っちゃったので」

「気をつけてね。面会時間あまりないから気をつけてね」

「はい」

兄の病室に向かう。そして電話の相手もそこにいる。

「…早かったね。」

「急いだので。」

そして電話で聞きたかったが聞けなかったことについて尋ねる。

「…それで今日はもう翼のところには死神は来ないんですね」

「そう。死神は1日1回しか同じ人に鎌を振れないから大丈夫よ。」

「…それは信じていいんですね」

「当たり前じゃない。元死神が言うんだから間違い無いわ」

電話の相手は今は看護師として兄の担当で働いてくれているが兄の事故の時は兄を殺しに来た

死神だった。しかし、私との取引が死神としてはタブーだったらしく罰として人間の中に混じって生活している。

「教えていいの?」

「別に教えちゃダメってルールはないからね」

取引はだめで教えるのはいいってルールががばがば過ぎるような気がする。

「…」

「…まああとどうするかは決めないと。毎日毎日ずっとみてるわけにはいかないでしょ」

「…翼は元気で明るくて…いま死んでいいやつじゃないんです。サッカーのクラブからもいくつか声がかかってるし…」

翼は学校でもかなりの人気者で将来有望でもある。彼にはこの先の未来がある。

「…まあたまにいるわよ予定の寿命より生きてしまう人が。運良すぎてとか、死神がへっぽこだったりするとね。」

運だけではだめだ。私が守らないといけない。そう思っているとその元死神は私が思いつめた顔をしていたからか大きくため息をついて話を続ける。

「…まあしょうがないわね。そろそろなくなりそうなおじいさんがいるからその時現れた死神に次の予定を聞こか」

死神をやめても死神を見ることができるらしく、今でもたまにほかの人から見たら何もないようなところを見ている。私も見えるようになってしまっているので同じだが。

そう言って部屋を出て数分してから死神を連れてくる。

「ゼロさん痛いですって…これ俺がゼロさんに情報流してるってばれたら怒られるんっすから」

「大丈夫、それに君は私にいくつかのかりがあるよね。」

「うっ…」

「調べてほしいことがあるんだけど」

二人は私にはわからない言語で話し始める。私はそれをただ傍観していることしかできない。でもどうせ私が死ぬ必要があるなら私のわかる言語で話せばいいのにと思っていた。

「楠木さん、急患がきたから戻ってきて」

ほかの看護師が元死神を呼びに戻ってくる。今、この元死神は楠木玲子と名乗っている。

「じゃあメールで送るからまた後で」

楠木は部屋を出ていき、私と楠木につかまっていた死神が残る。

「死神が見える人間なんてほとんどいないからびっくりだよ…」

そう言って私には何も情報をくれないまま壁をすり抜けてどこかに行ってしまう。そして面会の終了時間の放送が鳴り始める。私は今日は何も話さないまま家に帰る。インターホンを鳴らすとすぐに母が出てくる。

「おかえりなさい。先生から電話があって心配したのよ。メールもしたのに返信ないし…」

「そんな深い傷じゃないから大丈夫だよ。メールはごめんなさい、見てなかった。」

「翼君来てたよ。」

「そっか」

そっけなく返事をして自室に荷物を置きに夕食が用意されたテーブルに移動する。

「翼君心配してたわよ」

「大丈夫だって。気にしすぎなんだよ。いただきます」

この日は母さんと一緒に夕飯を食べる。そして食べ終わったらすぐにお風呂に入る。その後は部屋に戻り勉強をする。

家ではほとんど勉強か本を読んでいる。たまに千尋から借りた漫画も読むが本当にたまにあるかないか。ゲームとかおしゃれとかは小学校以来やってない。でも今年が本当に勝負だと思って勉強をしている。高校最後の年だ、私の目標のためには失敗は許されない。10時ぐらいになり楠木からメールが来る

『翼くんは火曜日、土曜日一日一回昼間に死期が来る。2ヶ月間』

簡潔なメールだった。シフトみたくしっかりと決まってることに驚いた。しかし、私にとって子は好都合だ。同じ学校だがクラスも違うし、ずっと一日見張ってるわけにもいかない。決まっているのならばどうすればいいのか作戦も立てやすい。勉強を早々に切り上げてベットに潜る。そしてその夜はどうすればいいのか今後について考えていたためかゆっくりと眠ることができなかった。


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