第一章 ふたたび 第一節 若者
最初に死神に会ってから数年、次は…だれが…?
第一章 不幸
私の通う高校は県内トップを争う進学校でもありながらスポーツにも力を入れており進学科とスポーツ科で分かれていてなおかつ普通科もある。それぞれ4クラスずつあり進学科の一クラスの人数は30人、スポーツ科と普通科は40人となっている。制服も分けられていて進学科は紺色をベースとしたブレザーでスポーツ科は朱色をベースとしたブレザー、普通科は黒をベースとしたブレザーだ。どれも県内では人気の制服だ。校舎も分かれていて南棟は進学科、北棟はスポーツ科、東棟は普通科、そして真ん中には大きな食堂がある。また移動教室は進学科の棟に集まっている。そして体育館と武道場、プールはスポーツ科側にある。
基本三つのクラスは合わさることはないが体育の授業だけは混合で行われている。学校としてはしっかり勉強もしてほしいが圧程度の運動もできるようにとの考えらしい。
今日は三年生になり最初の登校日だ。私は教室に入ると自分の机に迷わず行き小説を読み始める。私は中高と勉強、読書を続けているうちに友達の作り方を忘れてしまった。だけど唯一友達がいる。
「香〜おはよう」
「おはよう」
千尋が近づいてくる。千尋は私と三年間クラスが同じで高校でできた唯一の親友だ。
「香、また新しい小説読んでるの?」
「まあね。面白いよ、今度貸すよ。」
「本読むのあまり得意じゃないからいいかな。私もおすすめの漫画あるよ」
彼女はそう言ってカバンの中から漫画を取り出す。そんなこんなしているうちにクラスの大半が来る。千尋が漫画を取り出しているのを見ると一人の男子が厭味ったらしく小言を言う。
「漫画読んでるひまなんてないっつーの」
千尋はその男子の目の前に行く。
「漫画も馬鹿にしちゃだめだよ。今読んでる漫画、料理について書いてあるんだけど結構料理について学べるし、平安時代や昔の日本の食べ物についても書いてあるから面白いよ。読んでみる?絵で覚えたほうが楽だよ」
男子は罰悪そうに顔をそむける。そして千尋は不満げに戻ってくる。
「面白いのに」
千尋は悪気があってそれをしているわけではない。完全な善意で紹介している。
「そろそろ先生くるし自分の席に座りなよ」
私がそういうと千尋は席に着く。先生が来ると簡単な説明が行われ、そして始業式のために体育館に移動する。無駄に長い始業式を終えた後時間割が発表されて早速進学科は進路の特別授業がある。
「めんどくさいな」
「しょうがないよ。」
「…香はさいいじゃん、自分のやりたいことだからさ。私はやりたくもないことに挑まないといけないんだよ」
「そうだね。でも千尋はそれから選択肢を広げようとした何にでもなれるから大丈夫」
そして放課後になり帰ろうとすると部活をしている音がする。千尋も部活に向かった。
「…」
そして授業が本格的に始まり、忙しい毎日を送っていた。(主に受験のための課外授業)
毎日両親が作ったお弁当を教室で食べるのだが、この日は母が熱を出したので食堂に行くことになった。
「千尋までこなくても」
「一緒に食べたいし、私は隣でお弁当たべるから」
そういって食堂に行く。食堂に行くと私が来たことですこしざわめく
「…あれ、いつも学年トップの雪女」
「こんなところで見れるなんて…」
私はほとんどほかの科が集まる所にはいない。私があまり笑わないのと毎回学年トップをとることが有名になりすぎて行きづらいことも理由だが、余計な手間で時間を無駄にしたくないのだ。
「私席とってるから!」
千尋は席を取りに行って間私は注文を済ませてそれを取りに行く。そして千尋を探し、そこのせいに向かう。
「窓側でポカポカしていい席見つけたよ」
「ありがとう」
そして昼食を乗せたトレーをテーブルに置いてふと顔をあげると隣のテーブルに座っている幼馴染である翼がいることに気づく。あっちも気づいていると思うが話しかけてはこない。兄の事件があって以来ほとんど話したことがなかった。
「隣の席、スポーツ科の特待生4人組だね。」
「そうだね」
そして箸に手を伸ばし昼食を取り始める。10分ぐらい立ってほとんど食べ終わり千尋の話を聞いていた。その時何か黒いものが通ったのに気づく。私はとっさに顔を上げると翼の近くにアレがいるのが見える。
(死神…!)
『時間は後5秒…』
私に考えている暇はなかった。死神に気づかれないタイミングで死神が降る鎌に翼が当たらないようにしなければならない。私は席を立つ
『3…2』
「香、どうしたの?」
千尋が不思議そうにする。翼たちは話で盛り上がっていて私のことに気づかない。
『1』
死神が鎌を思いっきり振り上げる私は急いで翼の椅子に足をかけたふりをして引っ張る。引いた反動で翼が尻もちをつき私は躓いたふりをして転ぶ。そしてその直後ガラスが割れると同時にてつもなく早い野球ボールがさっき翼の頭があった場所を通り抜けて柱にあたり落ちる。食堂からは悲鳴が上がったり騒々しくなる。
私はちょうど翼をかばうようにガラス側にいたため割れたガラスがかかって数か所切れて血が出てたりした。翼は何が起こったのかわからずおろおろしている。
「香?!」
『タイミング…逃した…次の…』
死神はぶつぶつ言いながらどこかに去っていく。
「香、血が出てるよ!保健室行こう」
千尋がいつの間にか駆け寄って来てくれていた。そして先生たちも集まってくる。
「真鍋さん、大丈夫ですか?!保健室に行きましょう!ほかにけがしてる人は!」
先生が私と一緒に行ってくれようとしたが私はひとりで行けることを伝え、しかし心配してくれている千尋は一緒についてきてくれる。ブレザーが頑丈なつくりなためそこまでけがはしなかったが足はかなり血が出ていた。
保健室居ついて処置をしてもらっていると野球ボールを使っていた人たちが来て謝罪しに来るが怒ってはいないのでそっけなく大丈夫と伝える。
「これで大丈夫、ほかには痛いところとかない?」
「大丈夫です」
「早退する?」
「いいえ、授業受けて帰ります」
そう言って保健室を後にする
「香、あの時立たなければ無傷だったのに、災難だったね…」
「そうだね。」
その日の残りの授業を受けて下校時間になる。
「1人で大丈夫?」
「大丈夫。帰れるし、用事もあるから。」
そう言って千尋と別れると先ほどの死神がどこにいるのか探す。
「…」
目を閉じて集中すれば死神の気配が何となく感じることがで切るのでそれで廊下を歩いて探してみる。サッカー部のいる校庭の近くまで行ってみるがそれでも死神の気配はしない。
「…翼のこと見てるか」
サッカー部の見える教室に行き勉強道具を広げて勉強をする。そして頃合いをみてある人に電話をかける。
「…じゃあ今日は…わかりました。病院に行きます」




