序章 はじまり
彼女と最初にあったのは白い部屋彼女ともう一人の人がいた。私はもう一人の人に用事があった。しかし、彼女は私に気づき、私は彼女に興味を持ってしまったのだ。それから彼女との付き合いが始まる。
序章
俺の妹である香は近所でも評判のいい明るい気遣いのできる小学生だった。わがままも言わないし、困った人がいたら助ける。何より誰にでも優しく、自分に厳しい妹であった。テスト期間中で高校は午前で授業が終わったため、息抜きにでもと妹と家近くの公園にきた。妹は友達たちと遊ぶ。俺は妹の幼馴染と一緒にサッカーをしていた。そんなとき、ふと車道を見ると車が猛スピードで走っていてその先の横断歩道には子供たちが歩いてるのが見える。小さい子たちはそれに気づかず普通に歩いていた。俺は急いで彼らのもとにいく。そして俺は子供たちを助けることはできたが、それと同時に大きな鉄の塊が俺にぶつかり吹き飛ばされ。全身が痛い。遠くで叫び声や泣き声がするが俺は意識を失った。
「お兄ちゃん…」
私は兄の横で泣いていた。大好きだった兄は今や体中包帯にまかれ誰なのかわからない。夢ならばいいのにと何度も思っていた。そんな時何かの気配を感じる。顔を上げてみると黒いマントを頭からかぶって大きな鎌を持っている何かが宙に浮いているのを見る
『さあさあお仕事です』
そのなにかはそう言って兄に持っている大きな鎌を振り上げた。私は咄嗟に兄をかばうように腕を出す。そしてなにかを睨みつける
『ん?もしかして私が見えるの?珍しい子だね』
そのなにかはマントを頭から外す。顔は人間の女の人と変わりなかった。
『私の仕事なんだけどな。』
なにかは持ってる大きな鎌を枕にして仰向けになり私と話し出す。
「あなたは…なにもの?」
なにかは笑いながら答える
『私はほら死神だよ。大きな鎌、この黒いマント、いかにもって感じでしょ。』
「お兄ちゃんを殺しに来たの?」
『そうだよ、彼は今日命日。』
私はその言葉を最初理解できなかった。いや、理解したくなかった。
「…お兄ちゃんを殺さないで!人助けしただけじゃん!」」
私は死神のマントつかんで必死に頼み込む。死神は私が必至なのを見て少し考え込んだ後何か思いついたようで私に話を持ち掛けてくる。
『じゃんけんしようよ』
私は聞き間違いだと思った。だけど死神の顔は笑ってはいたけどさっきとは違う笑い方だ。何かを企んでる顔だった。
『もしあなたが三回勝ったら私はお兄さんを殺さないわ。でももしあなたが三回負けたら私はお兄さんの魂もらってっちゃうわね。ちなみにやだっていっても私はあなたのお兄さんの魂もらっちゃうからね』
私は私に与えられた選択肢の責任の重さにすこし怖気づいてしまった。死神から提案されて数分考えてやっと私は答えることができる。
「じゃんけんする。じゃんけんする」
死神はにやりとした後、宙に浮いているのをやめて降りてくる。
『じゃあ行くわよ最初はグー、じゃんけんぽい!』
私はグーで死神はチョキだった。
『あらら、じゃあ二回戦ね最初はグー、じゃんけんぽい!』
私はパーで死神はチョキだった。
『これで並んだわね。最初はグー、じゃんけんぽい!』
私はグーで死神はパーだった。
『あらあら、追い詰められたわね』
私は額に汗を浮かべる。そして不安を感じる。
『じゃあいくわよ、最初はグー、じゃんけんぽい』
私はグーで死神もグーだった。そしてそこから二回あいこが続く。
『じゃあつぎ!最初はグー、じゃんけんぽい!』
私はチョキで死神はパーだった。
『あら最後の最後まで分からなくなったわね』
私は願った。どうか兄が生き延びますようにと。
『じゃんけんぽい!』
私は目をつぶって出す。私は恐る恐る目を開けてみると私はグーで死神はチョキだった。
『あらら負けちゃった。じゃあ私はあきらめるわね。』
「本当に?」
死神はやさしく笑う。
『約束だからね。でもお兄さんが起きるかはお兄さん次第よ。このいまま起きないでいるかもしれない。もし本当に助けたいならあなたが頑張るのよ』
死神はそういって姿を消す。私は緊張が解け、腰が抜けてしまい座り込む。そして死神がいなくなった後両親が医者との話を終わらせて病室に入ってくる。私が床に座り込んでるのを両親は不思議に思って質問された。だけど私は死神とのやり取りを話さなかった。信じてもらえるか不安だったから。そして私たちは一度家に帰ることになる。私は自分のベットに入り死神が最後に私にいった言葉について考えていた。そして私はその夜兄を助けるために医者になることを目標にすることにする。
そして次の日私は普通に学校に行く。周りの友達も心配してくれた。特に幼馴染の翼は私をすごく心配した。翼とは生まれたころから家が近所で幼稚園に入る前から仲良くしていた。もちろん私の兄とも仲が良かった。だからこそ彼にとって兄の事故はショックでもあった。でも翼は私を心配してくれるいいやつだ。でも私は周りの心配をよそに休み時間、放課後も勉強するようになった。兄の死で突然勉強をしだす私を周りはさらに心配した。だけど私は勉強をするしかなかったのだ。兄のために必死になった。両親も最初は外で遊ぶようにしていたがその必死さを見て助けてくれた。それから私は外で遊ぶことが減り友達も分かってはくれたけれど遊びに誘うことはなかった。中学も頭のいい学校に行き、地元の子たちと離れた。翼とも離れた。たまに帰宅する彼が目に入るぐらいだった。両親からは翼がサッカー部のエースとして頑張っていることを聞いていた。だけど私は素直にすごいと思った。でも中学時代彼と会って話すことはなかった。中学では勉強ばかりをして友達は少なかった。また、部活にも入っていなかった。理由としては兄のお見舞いと家で勉強したかったからだ。ただ勉強ばかりするのも少しストレスだったので唯一楽しんでいたのは小説を読むことと医療系のドラマを見ることだった。高校は県内トップの進学校に特待生で入ることができた。
そして一年生でも二年生でも学年トップを常にキープしながら空いた時間に大学受験のための勉強を始めていた。そして高校三年生の春になった。大学受験の年だった。
彼女との約束の結果、私は罰を受けることになった。それはそれは長い罰だ。でもそれはそれで面白いのそうで私はわくわくしていた。