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弟子

猫視点なので苦手な人はご注意ください

猫です


私は今、師匠の言いつけで人間を監視しているのです

この人間は勇者パーティの奴隷らしいのですが、戦ったり出来ないらしく、勇者たちが冒険に出ている間は1人拠点の掃除などをしているみたいなのです


「猫さんこんにちわ」


人間の中では無愛想な顔をしている気がするけど、猫にはちゃんと挨拶をしてくれるのです


「…」


そして、そして、この、人間の、このなでなでは、なかなかなのです

べ、別にこの人間のなでなでが気持ち良いとかそう言うことではなく、師匠の言いつけで監視しているのです



今日は街まで買い物に行くようです

普段質素な生活をしている人間ですが、勇者たちが帰ってくると御馳走を作るので、今日あたり帰ってくるのかもしれません


猫は人間の食べ物とか興味ないのですが、ちょっと楽しみです

いえ、別に興味ないですが、この人間がお裾分けしてくれるのです



この人間は歩くのが凄く遅いし、しょっちゅう立ち止まるので追跡は簡単です

猫がよそ見していても見失うことはほとんどないのです


街の中央にある市場で買い物をして、そろそろ帰るのかな、と言う辺りで嫌な臭いが漂って来ました

猫には分かるのです

もうじき良くないものがやってくるのです


猫は簡単に逃げられますが、人間はそうはいかないでしょう

ついでなので、この人間も連れて逃げようと思うのですが、気が付いてくれません

そうです、人間は泣き声で呼びあったりするのです


「にゃー」

「どうしたの? 猫さん」


気が付いたのです

この人間も隠れられて丈夫なところはどこでしょう

方角的にもあの教会とか言う建物が良いでしょうか


人間を連れて教会の建物の前まで辿り着きましたが、ギリギリだったようです

遠くの方で叫び声や魔物が吠える声が聞こえます


何をやってやがりますか人間

他の人間なんて無視して奥に隠れるのです

危ないのですよ

転んだ子供を助け起こしてる余裕はないのです

ダメです


このままでは、あの人間が殺されてしまうのです


猫は猫なので大きな魔物とか倒せないのです


怖いのです


でも、でも、猫は師匠の弟子なのです

師匠に与えられた魔法が使えるのです

攻撃の魔法ではありませんが、それでも、きっと


 我が師●●●●●●の名において命ずる


師匠の名前は猫語では表現できないのです


 精霊よ、我が盾となり敵を退けたまえ。『防壁』


何も起こらないのです

やっぱり猫はただの猫だったようです


その時です

襲いかかってきた魔物が見えない壁に阻まれて転んだのです

猫の魔法でしょうか?


しばらくして勇者とその一行が来て魔物たちをあっという間にやっつけてしまいました


勇者と合流して帰る途中、師匠からの念話が届きました

猫を褒めてくれたのと、助けに行けなくて悪かったと言うような事でした


猫の師匠はドラゴンなので、街の人を守ろうと思っても、全部壊してしまうのでなかなか大変なのです

猫はこれからも、この人間を監視し続けるのです

なんだろ、これ

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