何も言わない
以前手慰みに書いた『独り言』にもいますょ。
「・・・・・・・・」
何も言わない。死んでいるようだ。
「・・・・・・・・」
何も言わない。死んでいるようだ。
「・・・・・・・・」
何も言えないからい〜かげん飽きてくんないかな!
オレは今何度も何度も死体をつついてケラケラ笑っているこのバカから、同じく何度も何度も『焦りながら叫ぶ』という労力を強いられた事で体力を使い果たし、声を枯れさせ、結果ここに横たわって『死体』をしている。
『死体』は仕事をしながら休憩と体力回復ができる代わりに1ヶ月…対象者が出なければ更に長期にわたって倒れていなければいけないから手放しで喜べる仕事じゃない。
しかも横たわってるのに『寝る』のは禁止って、ぃゃ×2眠くなるって…ポカポカ陽気の日なら尚更眠くなるってば。
しかし今は全くもって眠くない。むしろ興奮していると言っても過言ではないハズだ。
何故ならこのバカは既に30分近く『死体』のオレをつついてケラケラ笑っているのだからいつ殴りかかってやろうかとさえ思っている始末だ。
とは言え少し…いや、かなり不安ではある。
コイツ大丈夫か?
なんか精神病んでるとか痙攣してて結果『死体をつつく』という行動になってしまってるとか…?
誰か医者か魔道士…いや、司祭かエクソシスト呼んだげて〜!!
「・・・・・・・・」
何も言えない。なんか可哀想になってきた。
コイツの友達はコイツとは別次元に存在するオレ達だけで、だからこそコミュニケーションを取ろうと必死なのかもしれない。
それならばオレ達はコイツが気力を取り戻すまで付き合ってやるのが友達ってもんだろ?
よし、いいよ。何回でもつつけ。次はまた村人になるのか、それともアンデッド系のモンスターになるのか、それはわからないがどこに存在ようとオレ達はもう友達だ。ちゃんとお前を見つけてやる。その時まで待ってろ。オレ達は友達だ…。
「・・・・・・・・」
何も言わない。どうやらそろそろ次の『お疲れさん』が来るみたいだ。
「・・・・・・・・」
何も言わ…ブチッ。
また世界は暗闇に包まれアイツが次に訪れた時、ここには別の『死体』役が横たわっている。
オレがアイツにしてやれる事は何もないけど、せめて次のヤツに伝えておこう…。
「最近ここに来るヤツ、ちょっと病んでるみたいだから勘弁してやってくれよな」
さ〜て、次は…? ハジマリの村の案内か…。
アイツまた来るかなぁ…
こんなものにも『他にも読みたい』と言ってくださった奇特な方がいらっしゃったので図に乗って他バージョンです。
誤字報告は有難いです。
打たれ弱いのでしょ〜もねぇ〜と思ったらそっと去って行って頂けたらと思います⊂⌒〜⊃꒪ཀ꒪)⊃