異世界転生し大活躍したアイツと俺も最近はめっきり…だが最近アイツは勢いを取り戻してきている!?
俺は安田。XX歳でもう あんまり若くはないな。
今夜は大学の同期で10年来の飲み友達の高田と居酒屋チェーンで定例の愚痴大会。うだつのあがらない者同士 意気投合、ついつい深酒になってしまった。調子こいて帰り道 2人でデカイ国道のド真ん中を千鳥足で歩いていたら・・・。
キキーッ!ガッシャーン!
2人とも4トントラックに跳ね飛ばされてしまった。
が、気付いてみたら異世界転生!?
いつの間にやらファンタジー世界の最強の勇者コンビとして、魔王から世界を救うため八面六臂の大活躍!
夜の方も大括約で皇女様にワルキューレ、エルフにはてはハーピーまで!来るもの拒まずハーレム状態。
魔王軍とのバトルより女たちに体力奪われちゃったかなw
こうしてドタバタ道中記をへて魔王を倒し世界を救ったのは良かったんだけど、
アレから1年・・・。
年齢のせいか俺も高田もすっかり意気消沈。
夜の方もイキ消チン。
そんなだらしない勇者から、民衆も女たちも愛想を尽かして離れていく。
「なあ高田、俺たちこの異世界でもダメダメなんだろうか・・・。」
「僕は・・・嫌だ・・・。」
言葉少なく立ち去る高田。無理すんなよ、俺たちはどこへ行っても程度の知れた存在なんだよ・・・。
が、それからしばらくして、復活した魔王が復讐のため俺の住む町に侵攻!
魔物たちが市街地を襲い、あちこちから火の手が上がる。響き渡る魔王の高笑い。
それでも俺の心は動かない。面倒くさいからこのまま殺されてもいいかな?と魔王の一撃が俺に迫ってきたとき・・・。
高田が乱入!魔王の攻撃をはじき、ぼんやりしていた俺を高台に避難させると、町で暴れまわる魔物を手際よく倒して、魔王も力任せに一刀両断!
しかし高田は緊張を解かない。
「魔族の脅威は去ったが、まだ町は火災の危険がある!消化活動を!」
魔王と戦った後なのにまだ働くのか!?あいつ、なんであんなに元気に!?
そして、心配そうに寄ってきた女たちにも頼もしい一言。
「ここのところ、つれない態度を取ってすまなかった。今夜は全力で君たちを向き合おうと思う!だから・・・僕の寝室にみんな来てくれ!」
女たちは目が思いっきりハートマークになり、高田に抱きつく。大勢で1人の男に群がるもんだから、オシクラマンジュウになるがしっかりと受け止める高田。
「俺と同じでダメダメになったんじゃないのか?なんであんなに精力的になったんだ!?一体アイツに何が!?」
次の日の朝、いい汗をかき、紅潮する頬を冷たい井戸水で洗っている高田に俺はバツが悪そうに話しかけた。
「昨日は助けてくれてありがとう・・・。」
サワヤカに笑みで返す高田。
「なあ、高田。お前、前より明らかに変わったよな。元気が戻ったというか・・・。」
「ああ、あのままグズグズしてちゃいけないと思ってな。僕なりに努力したんだ。」
「俺はまだ、あの日のグズグズのままなんだ。なあ、どうしたらお前のようになれる?変わることができた秘訣とかあったら教えてくれないか?」
「まあ、秘訣ってほどじゃないが、健康に気を使う用になったかな。規則正しい生活と適度な運動、それにバランスのよい食事を心がけるようにしたんだ。」
「うん・・・、まあ、基本だよな。」
「それに僕は"コレ"と出会ったんだ。」
腰からぶら下げていた小さな道具袋から何かを取り出す高田。俺は食い入るように身を乗り出した。
「それは!?」
「青木食品の精強マカ ガラナエキス配合!!!!」
「マカ!?なんだそれは!?」
「マカとはペルー原産のアブラナ科の根菜。インカ帝国の時代から特権階級や戦士への褒美として大変重宝された薬用ハーブなんだ。」
「へー、歴史ある食材なんだな。」
「標高4000mの寒暖差の厳しい荒野で育てられるマカは、大地からそのパワーを強烈に吸収、一度マカを植えた畑は数年間栽培できなくなるほどなんだぜ。」
「そんなパワーを秘めているのか!?」
「必須アミノ酸・各種ビタミン、ミネラルの他、特有成分グルコシノレートなどが含まれていて近年ペルー政府も注目する栄養食材なんだ。」
「すごいんだな、マカって!」
「それだけじゃないぞ!」
「この精強マカには同じ南米アマゾン原産のガラナエキスも入っているんだ。」
「ガラナといえば、よくエナジー系ドリンクに入ってるよな!」
「さらに、たんぱく質の強い味方・亜鉛も配合。マカ・ガラナ・亜鉛のトリプルパワーで、男の活力をしっかりサポート!」
「マカを飲んでいるお客様から喜びの声が続々と届いているぞ。」
・マカを飲んで男としての自信を取り戻そうと思います。(Aさん45歳)
・ハーレム系異世界に転生するときの必携アイテムですね。(Bさん 39歳)
・ドリュっとスゴイ量!液状カプセルです。(Cさん 30歳)
・これでサキュバスとも対等に戦えそうです(Dさん 50歳)
「みんな飲み始めているんだな!俺も欲しい!一体どこで手に入るんだ!?」
「精強マカは通販限定。お得で便利な定期お届けコースなら送料無料になるんだ!」
「ソレは安い!!俺も買って自信を取り戻すぞー!」
「ああ、僕も応援してるよ!」
数ヵ月後―
魔王軍を倒し、すでに脅威は無くなったはずの町の向こうから地響きとともに砂煙が舞いなにかの大群がやってくるのがわかる!町の男達は狼狽した!
「やつらだ・・・、女たちがやってきたぞー!」
大群をなして黄色い声を挙げながら女性達が駆け出してくる!
「キャー!安田さぁぁぁぁぁん抱いてぇぇぇぇ!!」
彼女たちの向かう先には精力を取り戻し男らしくなった安田の姿があった。その言い知れぬオーラに異世界中の女たちが安田の元に集まってきたのだ!フェロモンに酔った女性陣たちは半狂乱で突っ込んでくる!このままでは安田は踏み潰されかねない!?
「安田さん!危ない!避けて!!」
町の男が叫んで前に出ようとするが、そっと肩に手をやり止める高田。
「いいんだ、見てな。」
円錐陣を組んで突撃してくる女性陣に対し、おもむろに両手を広げ大地にしっかりと足を踏ん張る安田!
ガッシーン!!!
大群衆をたった1人で受け止めるそのパワーに先ほどまで響いていた歓声と地響きが消え、あたり一帯は静寂に包まれる。
「と、止まった。あの大群が・・・!?」
誰もがあっけに取られていると、安田はニヒルな笑いを浮かべ
「おまえたち、みんな抱きしめてやるぜ。」
再びボルテージはフルマックスへと昇華した!
「キャァァァァァァァァァァァァァァー!」
「ふっ、長い夜になりそうだ」
ドローンカメラがすーっと俯瞰で引いていくと、マスゲームのように人の群れが商品画像になっている。
最後の商品紹介パート。
インカの力で男の自信に活力を!
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