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運命みたいな糸の繋がり

久しぶりにかきました!読みにくいのはいつもなのですみません!

もし、世界の半分が僕のものだったら。

きっと僕はもう半分も欲しくなるだろう。

そして一つにして、平和な世界を目指そうとするだろう。

でももし、それが不平等だ、不満だらけだ、ってなったら。

いつかは戦争が起きてしまって、最後には僕のものだった世界の半分もなくなってしまうだろう。


物事はなにかしらで繋がっている。

それが道理なのか屁理屈なのかはわからないけど、すべてのものはきっと繋がっているんだ。

例えば、今私が歩いているこの道で通りすぎる人も、どこかで繋がっている人かもしれない。

そう思ったとたんに、世界にはたくさんの運命みたいな糸が交わって見えて、地球が大きな繭のようだなって思えた。

でももし地球が繭なら、中から出てくる成虫はなんだろう?

蚕、なら大きすぎるし、地球外生命体、だと話が大きすぎる。

この繭はいったいなんなのだろう?


【羽化する恋心】


朝、学校へと向かう通学路。

歩くのが遅い私は、自転車はもちろん、小学生にまで越されていきます。

けど所詮通学のための移動なので、その人たちと競おうなんて考えはこれっぽっちもありません。

また一人、私の横を通り前に出ていきます。

その人は男の人で、私と同じ学校のカバンを背負っていました。

するとその人はくるりと体をひねり、私を見つめます。


「姉ちゃん遅いよ! 早くいこ!」


その子は、隣に住んでいる男の子でした。

年も一歳しか違わず、よく一緒に遊んでいた子でした。

でも、私が中学に上がった頃からだんだん会わなくなり、疎遠になっていっていたのです。

久しぶりに見たその子は、身長はもちろん、背中も大きくなっていて、いつの間にか私の方が小さくなっていました。


「ひ、久しぶり、だね」


元々コミュニケーションというものが苦手な私には、そんな彼が小さかった頃とは別人に思えてしまって、つい言葉がモゴモゴしちゃいます。


「元気だった……?」

「元気だったよ! でも、姉ちゃんに会えなくて寂しかったかな?」


彼のその言葉は、なぜか私の心臓に刺さりました。

幼い頃の彼しか知らない私には、今の彼は輝いていて、そして、おとぎ話に出てくる王子様に見えてしまうのは。


「か、からかわないでよっ」


わかっています。

彼は、私をそういう風には見ていません。

わかっているんです。

彼は昔のまま。

お姉ちゃんとしての私に会いたかったんです。

昔みたいに一緒に遊んでくれるような、お姉ちゃんに。


「俺さ、大きくなったよ」

「え?」

「スポーツ始めて、体も強くなった」

「……」


なぜいまそんな話をするのでしょうか?


「……覚えて、ない?」

「えっ……? あ、えと、なんだったかな? あはは……」


すると彼はおもむろに顔をしかめる。

きっと私が私の気付かないところでとても嫌な思いをさせてしまったんだ。

謝らないと。

そう思い口を開き息を吸おうとした瞬間。


「俺は、姉ちゃ……、美島みしま文月ふづきさんが好きです!」


大きい石で、意思で強く頭を殴られたような感覚が全身まで響く。

少しよろめいてから、ようやく彼の言った言葉の意味を理解する。


「な、なにいって……」

「姉ちゃんが中学に上がる前の日、俺誓ったんだ! 必ず姉ちゃん迎えにいくって! だから!」


顔を赤くして、必死に声を出している彼を見て、私はなんてちっぽけな人間なんだろうと思いました。


「だから、俺と付き合ってください!」


こうして行動に移せる人がいて、私はずっとそういう人たちを恥ずかしいって思っていた。

わざわざ目立つ子として、小馬鹿にされるようなこと言って。

ずっとそう思っていました。

けど、言葉は口にしないと分からないし、伝わらない。

恥ずかしくても、小馬鹿にされても、絶対言わないより言ったほうがいいってわかった。


「……と、君。 二階にかい風杜ふうと君。 私は」


私は、まだ彼にふさわしくない。

久しぶりに会っただけで話せなくなったり、ちょっとカッコよくなっただけで心をときめかせたりするような流されやすい人だけど。

君が誓ってくれたその言葉に、今は全力で答えたいと思った。


「私で、よければ」


きっと世界には運命みたいな糸がたくさんあって。

例えばいつも通るこの通学路の後ろから、私を追いかけてきてくれた人が、やっと私に追い付いて、一緒に歩くことができるのは。

運命みたいな繋がりがあるからなのかもしれません。

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