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テイマーリュカリュカちゃんの冒険日記  作者: 京 高
第三十五章 森の中、森の外

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501 待望の、ログイン!

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。


せっかくのお正月なので、土・日ですが2日と3日もいつもの時間(18:00)に更新します。

 期末テスト最終日。長い長いお勤めが終わった解放感からおしゃべりに興じるクラスメイトたちを尻目に、ボクはさっさと家路を急いでいた。

 現在時間は十二時半。急いで帰って適当な余り物を昼食にすれば、がっつり『OAW』にログインすることができるはず。色々あって結局二カ月近くゲーム本編には復帰できずにいたからね。そろそろ本格的に禁断症状が出始めていたのですよ。


 さて、ボクの帰宅風景などを描写しても仕方がないので、文化祭での結果などを報告しておこう。

 え?今回のテストの出来……?

 文化祭の期間が含まれていたので範囲は狭かったため、余裕とまではいかないけれど十分に手ごたえありだったよ。

 どの教科もしっかりと確認をする時間もあったので、解答欄が一つずつズレているとか、名前を書き忘れているとかいったギャグマンガ風な致命的ミスはしていない、はず……。


 コホン!と、とにかく話題を文化祭に戻しまして。

 騒ぎになってしまった学生会の演劇はともかくとして、ボクたちのクラスの出し物であるキーホルダー釣りは、見事に売上金上位に入賞することができました!


 もっとも、その結果を聞いてきた文化祭実行委員の長谷君によると、天候にも恵まれたこともあって部活組の食べ物系屋台の売り上げが全体的に好調だったため、ギリギリ滑り込めたというのが本当のところだったらしい。

 それでも勝ちは勝ちだ。地元商店街で使える割引券千五百円分をクラス全員ゲットすることができたのでした。


 ちなみに、準備の時に居残っていた皆にコロッケを奢るという太っ腹な態度と交換に、お財布の中身が絶体絶命の大ピンチになっていた長谷君ですが、結局しばらくの間は購買のおにぎり一個だけというわびしい昼食が続くことになった。

 それというのも、男子たちだけで集まって行った打ち上げで、全員が全額を使い果たしてしまったからなのだとか。しかも割引券分だけの料金を超えて足が出てしまったというから呆れる他ない。

 一体どれだけ飲み食いしたのよ……。


 まあ、男子たちのことは自業自得だから放っておくとして。

 文化祭の後、一時やたらと色々な運動部からの勧誘があったことには驚いたかな。

 それというのも、中間テストの初日の朝に犬を追い払った事件から、「実は結構運動神経が良いのでは?」という噂が流れていたのだそうだ。

 微妙に失敬な評価のようにも思えるが、ある意味仕方がなかったのかもしれない。


 なぜなら以前から特に運動などはしておらず、中学時代などは里っちゃんたち生徒会を手伝うという名目で生徒会室に入り浸っていたからねえ。体育の授業の成績だって普通よりは上くらいのものでしかなかったので、運動は苦手だと思われていたとしても不思議ではないのでした。

 ボク自身、身体を動かすことには大して興味を持っていなかったしね。


 そんなある意味評価が百八十度変わりかけていた折に、舞台上で里っちゃんと本気の打ち合いという、これ以上ないというほどに目立つことをやってしまった。

 これが決め手となってしまい、三年生が抜けてまだ日が浅く、新体制を形にできていない部が多かったことも重なって、あちこちから入部のお誘いを受けることになってしまったのだった。


 最終的には学生会の田端会長や、河上先輩たちが間に入ってくれたお陰で事なきを得たのだけれど、しばらくの間はどうやって断ろうかと、気が気ではなかったよ。


 ちなみに、中学時代の里っちゃんはいわゆるリアルチートの塊のように思われていました。それこそ各運動部からは引く手あまただった訳だけど、その実力が広まり始めた頃にはさっさと生徒会に入ってしまって、勧誘合戦が発生しないように手を打っていたのだった。


 そんな超絶な従姉妹様と曲りなりに打ち合えたのは、『OAW』での経験があったからだと思っている。

 リアルでの知識や経験をプレイヤースキルとしてゲームの世界へと持ち込めるように、ゲームの世界での経験をリアル側へとフィードバックさせることは可能なのだ。

 特にVRの場合は実際に体を動かしている状態に近い――正確には脳内でそういう認識をしているらしい――ので、運動面でも経験を活かせるようになった、ということなのだろう。

 まあ、小難しい仕組みはボクも良く分かっていないのだけれどね。


 はい。そんな感じで回想が終わったところで、お家に到着であります。急いでお昼ご飯を食べて……、おっと、その前に服を着変えないと。身支度が終わるまでしばらくお待ちください。

 覗いちゃダメよ、はぁと。


 一通りの用事と準備を終えて、いざ、ログイン!……の前に、最終的にどんな展開になっていたのかを復習しておかないと。

 さすがに二カ月もの期間が開いてしまうと、色々とド忘れしてしまっている可能性は否めませんですよ、はい。

 なので、ドワーフの里を出立した辺りから『テイマーちゃんの冒険日記』に目を通す。

 状況確認、ヨシ!


 それにしても運営の添削が入っているとはいえ、自分の書いた文章を改めて見直すのはなんとも気恥ずかしいものがあるね。

 特に地下探索終盤の感情が暴走してしまったところなど、凄まじく赤面ものなのですが!?


「あら?リュカリュカ、顔が赤いようですが大丈夫なのですか?」

「あー、うん。寝起きで少しぼんやりしているだけだから平気だよ」


 気恥ずかしさに追い立てられるようにログインしてしまったからか、アバターの方にもその影響が出てしまったらしい。ネイトからの質問にちぐはぐな答えを返してしまったよ。

 誤魔化すように周囲を見回してみると、薄暗い室内に朝日によるものだろう光が窓の隙間から差し込んでいた。


 そんな中で危なげな様子もなく、ネイトは朝ごはんの支度をしていた。

 多少暗くても動作に支障がないのは、セリアンスロープの特性なのか、はたまた彼女自身そうした生活に慣れているためだったのか。

 対するもう一人の仲間はというと、まだ布団代わりのマントに(くる)まったままのようだ。トレードマークの一つである縦巻きロールは、横になっていても健在なようで。


「うん?……んん!?」


 そんなミルファのお腹付近がポッコリと膨らんでいるのですが!?

 思わず目を見開いて驚いていると、まるでそれを見計らったかのようなタイミングで縦巻きロールさんが「ふにゅう……」と寝言を呟いて寝返りをうつ。

 その拍子に彼女のマントから転がり出てきたのは、ボクのテイムモンスター第一号のエッ君だった。波長が合うのか二人が仲良しなのは知っていたけれど、懐に潜り込んでいるとは思わなかったよ。

 というかボクもエッ君を抱いて寝てみたいのですけど。


感想やブックマーク・評価の方も、できればよろしくお願いします。

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