標識
一体だれ、私の中に『一方通行』の標識を作ったのは?
砂の地面埋まった棒に私は喋りかける。
答えることなく『一方通行』は私の心に刻まれた。
標識の下に子供の足跡。
ぺたぺた。
犯人求めて追いかける。
またあった。
今度は洞窟の入り口に『立ち入り禁止』がある。
この洞窟には入ってはいけないらしい。
子供の足跡はまだ続く。
ぺたぺたぺたぺた。
暗い暗い洞窟で犯人を見つけた。
泣きじゃくった顔で私を見る。
ごめんね、気づいてあげられなくて。
ごめんね、無理をさせて。
私は子供を抱きしめる。
そして『素直』と書いた不出来な標識を子供と一緒に建てた。
子供は笑う。
私も笑う。
これからも一緒に笑い続けられるように『素直』になろう。
グッバイ、ひねくれ者。ハロー、正直バカ。