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04



ロランはアンジェと別れた後、風の速さで城に戻り、兄の部屋に直行した。荒く扉を開いて入ってきたロランに、ロランの兄は興味はないというように手元の資料を捲っている。


「アンジェという少女を知っているか。」

「知らないわけがないだろう。愚弟が迷惑をかけている。」

「…彼女の婚約者の名前が、ランスと言うらしい。」


ランスという名前は、兄が街に行くときに使う偽名だった。


「それが私だと思い、任務も忘れて帰ってきたのか。」


ロランの兄は深々とため息をついた。今回任せた件はそれほど重要なものでなかったから良かったものの、もっと自覚してもらわなくてはならない。


「丁度良かったな。諦めるきっかけができて。」

「俺は、諦めるつもりはない。」


ロランもロランの兄も、国のために公に尽くす身である。自分の感情ばかり優先していたのでは、国は守れない。はっきりと言うロランを兄は羨ましくもあったが、頭痛が増すばかりであった。


「人違いだが、…そうだな。心当たりはある。」

「心当たり…?」

「ただ、その心当たりが当たっていると、お前はもちろん私にも何もすることはできない。」


ロランの兄は見終わった資料を書類の山に乗せると、引き出しから地図を2枚取り出して、その内の1枚を机に広げて見せた。


「この地図では大陸が1つしか写されてはいない。が、この地図の西側にももう1つ大陸があること知っているな。」

「不知の領域だろう。」

「ああ、そうだ。」


そして、もう1枚を広げて見せる。地図上の東側に街の名前が1つあるのみで、あとは白紙だった。彼の領域の人々は例外を除いて、こちら側との交流を断っていた。そして、その例外を除いて、こちら側の側の人間は不知の領域には入ることが禁じられている。


それがなんの為なのかはわからない。ただ、彼の領域の人や生き物はこちら側とは少し違っていた。瞳が青く毛は銀で、夜は鮮やかに瞳が光って見えるのだ。もしかすれば、無駄な争いを避けるためなのかも知れない。

ロランの兄としても、その心当たりは当たっては欲しくなかった。なにせ、とても面倒なことになりそうだったからだ。外れていたなら快く諦めてもらい、当たっていたなら、やはり快く諦めてもらいたかった。


「不知の領域で唯一我らと交流がある街の代表が、不知の領域で最も力を持つ権力者をランスと呼んでいた。」


噂によれば、彼はこちら側と関わることを特に避けていて、その性格は冷酷で人の命をゴミのように扱う人物だった。



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