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羨望の

作者: 青山羊

覗いていただきありがとうございます。

ぜひ本編を読んでいってください。

あの日、彼女が言った言葉を私は思い出せないでいる。


彼女はあの日、自殺した。

大人達が探し当てた原因はいじめと虐待だった。

確かに彼女は酷いいじめを受けていてその日も体育倉庫に閉じ込められていた。(自分で窓から抜け出したようだったけど。)

その前の日は上履きを捨てられていた。

その前の前の日はいじめっ子が割った窓ガラスを彼女が割ったと言いつけられ、先生に廊下に立たされていた。

それからお母さんやお父さんにも毎日殴られているようで顔以外の至るところに痣があった。お弁当はいつも持ってきていなかった。

そのため彼女はほかの子よりも痩せていて、でも綺麗な長い黒髪だった。


そんな日がずっと続いて、傍観者の私は見て見ぬふりで誤魔化していた。

そんな私は嫌いだったけれど、皆に嫌われる私の方が私は嫌いだった。

だからあの日、彼女が海に飛び込んだ日、私はぎょっとした。

彼女は最後に私に話しかけてきたのだ。

もちろんクラスは一緒でも話したことは一度もない。なんなら私から避けていた。

でも彼女は前からの友達のように私に言った。

その言った言葉が思い出せないでいる。

一週間、二週間、一ヶ月。

モヤモヤしながら日々を過ごした。


ある日、私の机が外に出されていた。

私はいじめのターゲットにされたと直感した。なんとなくわかっていた。

だから次の日に靴箱から靴がなくなっていても、体操服が汚されていても、あまり驚かなかったし悲しくなかった。

そしていつかターゲットが代わって皆がまた元通りになるのをじっと待った。

でも六ヶ月たってもターゲットは代わらなかった。みんなの刺すような視線が突き刺さって心も体もボロボロだった。

もはや諦めはついていた。


だから、私は自殺を決意した。

崖から飛び降りれば楽に死ねそうだと思った。

放課後、ボロボロの自転車でその崖に行った。この自転車に乗るのも最後だと思うと今更悲しくなった。


いよいよ崖にたって下を見た。

海が私を飲み込もうと押し寄せているように見えた。私を受け入れようとしているようにも見えた。


ふと、後ろで音がした。

振り返ると、クラスの中でも私と同じくらい地味な女の子が、そこにいた。

女の子の空虚な目を見て、

クラスメイトの憎悪のこもった目を思い出して、

そしてあの彼女を思い出して、

私が言う言葉は前から決まっていたのだと悟った。

ほら、貴方はあの日、私にこう言った。


「私が羨ましいでしょ?」

ここまで読んでいただいてありがとうございました。

初めて書いたのですが…。

どうでしたでしょうか?

少しでも心に残るものになったのなら幸いです。

では、ありがとうございました。

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