それぞれの朝
日差しの強い朝。
そんな天気と重なるように、ヒョンの顔色も輝いていた。
店先で待つ母とスギョンを見つめながら、ヒョンはしっかりと靴紐を結ぶと立ち上がり家族という絆をしっかり胸に刻み込んだ。
「さぁ、行こう。」
自分に言い聞かせるような言葉と共に、ヒョン達は街の中へと歩き始めた。
ベランダに立ち、朝日に向かって背伸びをするのは、スジンである。
「う〜ん、いいお天気。」
そう言って振り返ると、ベッドの脇に置いてある携帯を手に取る。
「ジンフめ・・・。連絡くれないなんて、失礼な人ね!」
腹を立てていると、ドアの向こうから、呼ぶ声がする。
「お嬢様、お食事のご用意が出来ました。」その言葉を聞いたスジンは、何かを思いついたような顔付きで、ニンマリと笑みをこぼすと軽やかに返事をした。
着替えを終え、リビングに向かうとテーブルには、朝とは思えない程の料理が並べられている。
焼きたてのパンに、鼻をくすぐるような料理ばかりだが、そんな料理には目もくれず、スジンはさっさと席につく。
そんな姿を立っていたジンフは、気にかけていた。
「お母様、おはようございます。」
ツンケンした眼差しで見る母親にスジンは頭を下げる。
「スジンさん、おはよう。みんな揃ったようだから、頂きましょ。」
皆が梯を進め始めてすぐ、スジンは梯を置き席を立った。
「あら、スジンさん。もう食べないの?せっかくシェフが作ってくれたのに・・・。」
スジンは振り返りジンフを見つめながらこう言った。
「昨日から友達から、連絡が無くて、とても食事どころではないんです。ごめんなさい、お母様。」
その言葉を聞いた母親は、ジンフを横目で眺めながら言う。
「あらそう。あなたの友達は薄情な人ね。顔を見たいわ!」
スジンは、振り返り部屋に向かうとその顔は、意地悪な笑みを浮かべていた。