【古明地さとり様】
勇儀と理不尽な約束を交わした後、旧都を歩いていた。パルスィが案内してくれている場所はまだ少し遠いらしい。その分長く一緒にいられるから一行に構わない。
一人でそんなことを考えていると黙っていたパルスィが口を開いた。
パルスィ「相変わらずね」
アルマ「何が?」
パルスィ「楽しそうな時に舌を出す癖」
そう言ってべーっと舌を出した。なんとなくあっかんべーされてる気がして、イラってしたからデコを指で軽く押す。
うっ!と言っておでこをさすりながら睨まれたが目を逸らし知らんぷりして答えた。
アルマ「自然と出てたから気づかなかった」
パルスィ「思いっきり出てたわ。しかもすっごいにやけ顔」
そりゃまあ、真剣勝負ではなかったとは言え、あれだけ楽しい勝負をすれば、にやけ顔にだってなるさ。それにパルスィがいるからもっと楽しい。
パルスィ「なんか言った?」
アルマ「なーんにも」
口が裂けても言いません。恥ずかしいから。
旧都をさらに奥へと進んで行くと、大きな建物が建っていた。白玉楼や永遠亭と同じくらいかな。紅魔館?あれは大きいけど中が咲夜の能力で規格外に広いから対象外。
パルスィが建物に近づいて行くので目的地はあの建物なんだろう。
パルスィ「ここは地霊殿。覚妖怪と呼ばれるさとり様が住んでる場所よ」
パルスィが様つけするとか珍しいな。それほどの妖怪なのか?さとりってたしか心を読む妖怪だっけか?心を読むか・・・今はあんまし読まれたく無いな。
「パルスィどうしたの?」
パルスィ「あ、さとり様。いえちょっと」
さとり「この方は?」
パルスィ「私の友人の桐月アルマです」
アルマ「よろしく」
そんなにジロジロ見ないでくれよ。絶対心読もうとしてるだろ。見ないでくれよなぁ。恥ずかしいだろう?
さとり「すみません能力なので」
アルマ「心を読む程度の能力ってとこ?」
さとり「その通りです」
心を読むか。面白そうでつまらなそうな能力だ。どっちにしろ俺は心を読みたくないし読まれたくない。
さとり「常時発動してしまうから仕方ないんです」
アルマ「ほう。俺の能力使えば心を読ませなくすることできなくはないけど」
さとり「心を操る程度の能力ですか?」
アルマ「残念。感情を操り具現化させる程度の能力」
実際、感情を具現化させて心に壁を作れば見れなくできる。感情【現実逃避】とでも名付けよう。
さとり「たしかに読めなくなりました」
アルマ「成功」
パルスィ「相変わらず無敵に近い能力ね。妬ましい」
アルマ「まあ、感情を操って来る相手だけだけどな。パルスィとか」
パルスィ「だからこそ最初会った時、びっくりしたわ。私の能力が効かないんだもの」
パルスィと初めて会った時いきなり能力使って来たらしいんだよね。俺は効いてないからわかんなかったんだけど。
さとり「そうなんですか」
パルスィ「アルマ何言ったの?」
アルマ「昔話」
睨まれるが目を逸らす。その光景にさとりは笑っていた。
さとり「貴方達は仲がよろしいのですね」
アルマ「俺だけっすよ」
さとり「ふふふ、そう思ってるのは貴方だけですよ」
俺だけ?どうゆうこと?パルスィの方みたっけ顔真っ赤だしどしたの?
パルスィ「勝手に見ないでください!」
さとり「隠すことないんじゃないですか?」
パルスィ「うう・・・」
いったいどんなことを読まれたんだろう。気になる。
さとり「本人に聞いてみてわ?」
絶対言わないだろう。