《私、おこです》
まず、わかったことをまとめるとな。
輝夜と妹紅が殺しあうほど仲がいいということ。あ、これ勝手な解釈。事実? 知らん。
輝夜と鈴仙は主従関係? 家族? それとも友達? とにかく仲間らしい。あと、輝夜は妹紅曰く、犯人の可能性がある。
とりあえず、こんな感じだけど。何と無く輝夜が犯人って感じがしない。理由はいつものカンですよ。
「輝夜が犯人じゃないとして、この夜の原因は何だ?」
「たぶん、刻符という札のせいだと思うわ」
刻符? スペルカードの一種か? よくわからないので鈴仙に聞いてみた。
「集めれば時を止めることもできる札です」
「じゃあ、それを集めた奴がいると?」
「その可能性があるわ」
なんか、犯人の目星がついたんですけど。
何というか。可能性的に集めるであろう二人を俺は知ってる。
「ちょっと犯人ぶっ飛ばしてくる」
「わかったんですか?」
「まだ確定ではないがな」
全く面倒なことしてくれたなあいつら。きっちりお仕置きしてやる。
△▼△
竹林を半壊させたので、入り口には簡単に戻ることができた。ここに戻ってきた理由は、あいつらならここを通るはずだからだ。
犯人であろう奴らを待ってる間に俺は今の現状を片付けたいと思う。
「お前...何しに来た?」
どういうわけか俺の側にはてゐが居るんですよ。何をしに来たの本当に。
「面白そうだからついてきた
「はぁぁ? ったく...そういえば妹紅は?」
「姫様と一緒」
あいつら、仲良いのか悪いのかはっきりして欲しいぜ。喧嘩するほど仲がいいと言うが、あいつらの場合殺し合いだから、もっと仲がいいのか? いや、絶対無いな。
「取り敢えずあいつらを待とうか」
「あたしもいていい?」
「勝手にしろ」
そんなこんなで待つこと数分。待つのが飽きたてゐは俺の角を弄りはじめた。正直、くすぐったいからやめてください。
「おい。ツノを触んな」
「あたしの耳触ったくせに」
「それはそれじゃねえか。しかも、俺のツノを触って何がいいんだよ」
「さわり心地がいいんだもん」
さわり心地って......まあ今回は許してやるか。あちらさんも現れたようだしな。
「どうしたの?」
「犯人のお出まし」
しかも、両方くるとはな。楽でいいぜ。
あちらさんもこっちに気づいたようで、近くの地面に降り立ち、こちらに近づいて来た。
「あれ?」
「アルマ? 何してるの?」
やっぱり来たか。それと紫とアリスの二人いるとはな。
「その前に俺の質問に答えろお前ら変な札拾ったか?」
「札?」
「これのこと?」
アリスの手には、時間を刻まれた符があった。それをてゐに見せてみると、あれまと言いたそうな顔をしていた。
「これか?」
「うんこれ、完璧犯人」
「うん、わかった。てゐちょっと離れててくれ」
てゐは頷くとすぐに茂みの方に隠れた。
彼女が離れたのを確認した後、俺は笑いながら霊夢達に近づいた。今の俺の笑顔は、相当怖いと思う。だって、霊夢達の顔は今、恐ろしいものを見ているような感じだもん。
「ど、どうしたんだ? それよりも、この札ってなんなんだぜ?」
「それは刻符って言って、集めれば時を止めることもできる凄い札だ」
「時を止める? じゃあ、もしかして...」
「その刻符を集めたせいでこの異変が起こったのかもね」
絶対、紫わかってたけど止めなかったな。こいつはこいつで、めんどくさいことをしたな。アリス以外お仕置きだな。
さらに恐ろしい気配を察したのか、魔理沙が抵抗するかのように言った。
「で、でも集めたのは結構最近だぜ!?」
「聞くが、ここ最近集めたのってこの異変の起こる前か? 後か?」
『前です』
「覚悟はできてるな?」
俺は完全におこです。




