《自称半人の素性》
「アルマさんのことって......どうゆう意味ですか?」
「そのままの意味です」
そのままの意味って言われましても意味がわからないのですが......
大広間を抜け、長い廊下を歩くリリスの後を妖夢達はついていく。
何も喋らない側近にレミリアは質問をする。
「教えてくれるって言うなら質問してもいいのかしら?」
「はい。答えれる範囲でお答えします」
「アルマは半人と言ってたけど。そういう種族なの?」
「やっぱり...そうゆう風に言ったんですか......まったくあの人は.......」
リリスさんが怒った口調で小さく呟く。
その様子を見る限り、アルマさんは魔界でも適当な人なんだ。
自分の呟きが聞こえたことに気づき、軽く咳払いをする。
「ごほん.....半人というのは種族ではなく純粋な人間と他種族との間から生まれた半人です」
「その他種族って言うのが魔族?」
「はい。魔王様は悪魔と人間から生まれた半人半魔の魔人です」
悪魔の親を持っているなら、何故魔族が嫌いなんでしょうか。普通ならもっと好感を抱くと思いますが。
それを口にするとリリスさんは否定するように首を横に振る。
「魔王様は苦手なだけです。嫌ってはいません」
苦手も嫌いのひとつではないのでしょうか...?
小悪魔さんから聞いた話だとものすごく嫌な顔をされたと聞きましたが、絶対に嫌ってますよね。
それとも小悪魔さんを嫌っているのでしょうか?...まあいいか。
「私からもいい?半人君の能力って何かしら?」
「魔王様は【感情を弄ぶ程度の能力】と言っておられました」
感情を弄ぶ...?つまり感情を操ることができるってこと?
そうだったら、レミリアさん達があんな風になった理由に合点がいく。
しかし、弄ぶということはそれ以上に恐ろしいこともできる可能性もある。
少し注意した方がいいかもしれない。
「最後の質問よ。半人君は幻想郷に何をしに来たの?」
「.......それは魔王様ご本人にお聞きください。私共にも詳しくお教えくださいませんでした。ではこちらへ...今から魔王様のところにお連れします」
リリスさんが指を指す方向から、とてつもなく冷たい冷気が流れてくる気がした。
まるで、この先にいる何かが私たちが訪れるのを拒んでいるようだった...




