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東方魔人黙示録  作者: 怠惰のあるま
《魔王は人間の夢を見る》
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《あるものは村一つ》



モヤモヤとした場所を歩いて数分、光のような赤い輝きが見える。

そこへ近づくほどに輝きは強くなり、彼女らの歩くスピードも上がった。輝きが周りを囲むほどに強くなるとモヤモヤが晴れ彼女らの目に入ったのは広々とした荒野と血に染まったように紅い空。

彼女らは魔界へと到着した。


「これが魔界...」


呆然と想像していた光景とは違う魔界を見渡す妖夢がポツリと呟く。

その横で空気に混じって浮かぶ瘴気をパチュリーは肌で感じていた。


「強い瘴気ね...もし人間がこんなところに長くいたらと思うと............」


彼女の言葉に想像した妖夢は寒気を感じた。

ただ、レミリアは一人全く違うことを思っていたようだ。それはーーーーー。


「目立つようなものが少ない......


そう、魔界に目立つものはない。あるのは小さな村と中心に佇む巨大な古城。

村を見つけたフランが大声を出した。


「あそこに村があるよ!」

「あら、本当。行ってみましょうか」


向かうような目印もないので彼女らは村へと足を運ぶ。

道中はやはりと言うべきか、何もなく荒れ地ばかりで逆に目立つのは荒れた大地と言えるだろう。

歩くこと数分、村に到着し彼女らがみた光景は姿形が違う魔族達が忙しく何かの準備をしていた。


「魔族にも色々いるのねぇ」


幽々子がそう呟く後ろで、誰かが近づいていた。


「ようこそ!魔族の里へ!」

「うわ!」


背後に近づいていた魔族は、唐突な歓迎の言葉を残し、また忙しそうにどこかへと消えた。


「な、なんだったのあれ?」


後ろからいきなり声を出され、驚いた小悪魔は不思議そうに言った。先ほどの魔族の言葉にフランは首を傾げた。


「魔族の里...?」

「幻想郷で言う人間の里でしょうか」

「それにしてもすごく騒いでるわね。なにかお祭りかしら?」


レミリアの言うとおり、里の様子はいろいろ飾り付けられお祭りでもするかのように騒がしい雰囲気に包まれている。


「さて、住人がいるなら情報収集でもしましょうか」


パチュリーの意見に皆が賛同した。


「そうね、じゃあ手分けして集めましょう」


情報収集は幽々子の提案で全員がそれぞれ行うことになり、有る程度の情報が入ったら集まることとなった。


幽々子様やレミリアさん達が一緒に行動する中、私は一人、里の中を当てもなく歩き回る。

忙しない彼らを見ながら私はアルマさんの事を考えていた。自分が半人であるが故、葛藤する彼に何をすればいいのか...どう接してあげればいいのか...あの人を連れ戻すことなんてできるのでしょうか。

思い悩んで歩き回っていると視線を感じ、振り向けば私を不思議総な目で見つめる魔族の男性がいた。


「あの...何か?」

「...ああ、すまない。魔王様と似た感じだったから...つい見つめてしまって」

「魔王?」


時同じくして...パチュリーは小悪魔のが情報を集め終わるのを待つ間、持ってきた水晶を使い魔界の何処かにいるアルマを探している。

だが、一向に見つかる気配がない。諦めて休憩していると小悪魔が戻ってきた。


「こあ、何かわかったことある?」

「えーっとですね...この騒ぎは魔王が戻ってきたかららしいんですよ」

「魔王が戻ってきた?」


紫は一人でフラフラと歩き回っていたが目の前に幽々子が現れ驚いたように聞いた。


「幽々子、妖夢とは行かなかったの?」

「一人っきりにさせた方がいいかなぁ、と思って」

「あなたも気づいてたのね」

「あんなあからさまに悩んでいたら誰だって気づくわよ」


はぁ、とため息交じりに言う彼女を見て紫は小さく笑う。


「ふふふ.....本当かしら?それよりもさっきから耳に入ってるんだけど」

「ええ、魔王がどうのって話でしょ?」


紫達が魔王と言う情報を手に入れ始めた中、レミリアは一人で何処かに消えたフランを探していた。


「フラン...どこに行ったのかしら?」


心配そうに探す彼女は妹の名を大きい声で呼ぶ。

その声が届いたのか、偶然こちらに来たのかは謎だが、目の前から自分の姉を呼びながらフランが猛スピードで飛んで来た。


「お姉様ぁ!見つけたよ!!お兄様見つけたよ!!」

「え?」




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