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東方魔人黙示録  作者: 怠惰のあるま
奇怪な桜と半人二人
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《冬と共に去る者》



理不尽な暴力に会い、俺の体はボロ雑巾のようになってしまった。魔理沙のマスタースパークってまともに喰らうとシャレにならない、弾幕勝負の時は弱めてくれてるんだなぁ......と実感しました。

彼女は幽々子の元に向かいました。ちょっとやりすぎたと言ってた、ちょっとどころじゃねえよ......

そんな俺を妖夢が優しく心配してくれた。


「大丈夫ですか?」

「大丈夫だと思うか......?」


まあ、服がボロボロになっただけで全然ダメージ喰らってないが痛いものは痛い。あれだよ、筋肉痛だってどんなやつにもあるだろあれみたいなものだ。

心配なのか、妖夢が俺の服を脱がそうとしてきた。軽くパニックになってるな、脱がされるよりだったら脱ぐよ。上裸になり無傷を証明すると驚いていた、無理もないか。


「あれだけ受けてほぼ無傷だなんて......本当に人間なんですか?」


人間か疑われるとか結構泣きそう。半分人間だから半分当たってるけど............言うべきなのか?いや、妖夢になら大丈夫か。


「......いいか妖夢、今から言うことはたぶん誰も知らないことだ」

「え?」

「誰にも言わないと約束してくれ」


いつになく真剣な声でアルマはあることを妖夢に語ると、彼女はその事実に驚きを隠せなかった。


その頃、魔理沙は桜の木の根元まで近づいていた。


「近くまで来ると結構でかいな」


その巨大さに少し驚いている彼女に、近づく者がいた。


「あら、ここまで来ちゃったの?」

「誰だ!」

「私は西行寺幽々子、てっきり博麗の巫女が来ると思ってたけど」

「そのセリフはもう聞き飽きたぜ!さあ!春を返してもらーーーーおっと!」


魔理沙の話の途中で幽々子が弾幕を放つがそれをかわす魔理沙。


「せっかくここまで春を集めたもの......嫌よ」

「じゃあ!力ずくで奪わせてもらうぜ!」


マスタースパークが撃たれると、幽々子は軽くかわし、スペルカードを取り出した。

カードが消滅すると後ろに美しい扇子が広がった。


「さあ、一瞬で終わりにしてあげる!亡舞【生者必衰の理・死蝶】」

「その前に決着をつけてやるぜ!」


箒にまたがり猛スピードで幽々子に接近する、だが不敵に笑いながら彼女は手を振りかざした。扇子から淡く紫の輝きを放つ蝶の姿をした弾幕が視界を埋め尽くす量が放たれた。


「その蝶......触れただけで死ぬわよ」


魔理沙はすでに死蝶に取り囲まれていた、どこにも逃げられるような穴はなかった。

しかし、死蝶はとても美しく彼女は見惚れてしまった。


「負けた.........」


諦めていた彼女に死蝶が触れそうになると、横から弾幕が放たれ蝶の群れが吹き飛ばされた穴が空いた。そこにいたのは神社でだらけていたはずの博麗霊夢であった。


「油断しすぎよ!」

「霊夢!なんでここに!?」

「いいから、まずはあいつからでしょ?」


魔理沙を救出し、異変の黒幕に視線を移した。


「悪いけど春は返してもらうわよ」

「させないわよ」


幽々子はさっきの比にならない量の弾幕を放つが魔理沙のマスタースパークが蝶の群れを貫き、幽々子にまで到達しようとしたがギリギリのところで相殺された。


「残念、もう少しだったのに」

「残念なのはあなたの方よ」


彼女の後ろに回り込んでいた霊夢は消えかけのスペルカードを握っていた。カードを取り出そうとする彼女だったが間に合わなかった。


「夢想封印!」


弾幕に囲まれた幽々子はクスッと笑い負けを認めた。

そして異変解決をし、春が訪れた幻想郷では博麗神社の境内で花見が開かれていた。


「いやー今回は本当にやばかったぜ」


が、神社の主である巫女は快く思っていないようだ。


「で.........なんで宴会をここでやるのよ!」


霊夢の言葉にその場にいたもの全員は彼女の方を向いて言った。


『場所がないから』

「場所がないからって.......神社の前でやるなぁぁぁ!!」

「うふふふ....楽しそうね」

「なんであんたがいるのよ!」


そこには今回の異変の主犯である幽々子と妖夢が訪れていた。


「お詫びをしに来たの」

「本当かしら?」


疑いの目で幽々子をみる霊夢を尻目に魔理沙は考え事をしている妖夢に聞いた。


「なあ妖夢、アルマは?」

「アルマさんは...........いえアルマさんから伝言があります」

「伝言?」

「いままでありがとう俺は家に帰る、だそうです」

『え.....?』


妖夢の言葉に、宴会に来ていた者たち全員が凍りついたように固まっていた。


草木が一本も生えておらず枯れ果てた荒野のような殺風景な場所で、一人佇むアルマがいた。


「やっぱ伝言じゃない方が良かったかな......まあ、なに言われるかわかったもんじゃねえしいいか」


軽く伸びの姿勢を取り、自分のことを話した彼女のことを思い出した。


「妖夢......約束、守ってくれるかな.........?」









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